たしなめる

無礼非礼を見るにつけ諦めが先に来る

たしなめたとしてもなめてかかられる

そもそもお節介よりも出しゃばりとなる

ましてや聞き耳なんぞ持ってはいない

たしなめたくとも恐怖心がもたげる

 

たしなめる

すでに心折れて言葉を喪う

 

おいたをした子をたしなめる

親が出てきて叱られる

終いには捨て台詞を残していく

そもそも見かねたことに罪がある

ましてやよその子など構うことはない

たしなめても食ってかかられるご時世だ

 

たしなめる

すでに効用もなく言葉が枯れる

 

仕事の上で注意を促す

ミスればたしなめるしかない

パワハラという思い込みが強くなる

そもそも見過ごせないから喚起する

ましてや立場でもの申すしかない

たしなめても育てる意欲が萎んでゆく

 

たしなめる

すでに行き場をなくし消え去る

 

たしなめる程度ではない

学校は指導するという名目に立つ

高圧的な口調に子どもは縮こまる

そもそも感情的になることでもない

ましてや穏便に済ますこともできる

たしなめて心に落とすのは教師かもしれない

 

たしなめる

すでに子らは本質をわきまえる

 

たしなめられない世界がある

どんなに憤っても抗う声は届かない

いくら叫んでもわかり合えない

そもそも民草など適当にあしらえばいい

ましてや尊大にもの申すなど許されない

たしなめるのは民草ではないとしかと知れ

 

たしなめる

すでに死語として鬼籍に入る

 

たしなめる

あたたかかな心の通い合い

たしなめる

柔らかな語感の紡ぎ会い

たしなめる

優しい指摘の躓(つまづ)き

たしなめる

使うことでしか守れない感性

 

20251120日書き下ろし。たしなめることができない時代を憂う〕〕

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