投稿

11月, 2025の投稿を表示しています

わたしは正しい

何を持って正しいとするのか 相手のミスで責められるのは筋違いだ 間違えることはないと確信している 反省すべきなにものもない 決して咎められることはない わたしは真っ当だ   何を持って違うと言うのか 相手の考え方を良しとするのは偏っている 正しい考えにそった行いと確信している 批判されるべきなにものもない 決して意を覆すことはない わたしは正しい   何を持って不遜というのか 相手の態度を無視できなかっただけだ 相手の身になった指導と確信している 非難されるべきなにものもない 決して中傷されることはない わたしは信じる   何を持って倫理というのか 幼子への敬意を払わなかっただけだ ルールを身につけねばと確信している 否定されるべきなにものもない わたしは正しい   何を持って怠惰というのか 幼児は好き勝手に行動しているだけだ 自由保育の方法だと確信している 裁量されるべきなにものでもない わたしは引き下がらない   何を持って保育というのか 幼子への慈愛は邪魔になるだけだ 叱って泣かせてもいいと確信している 追及されるべきなにものもない わたしは正しい   何を持って共育というのか 慕っているのか疑ってるだけだ 無視や威嚇もないと確信している 反目されるべきなにものもない わたしはめげない   何を持って仕事というのか 労働に見合った処遇を受けるだけだ 苦情がなければ適当にと確信している 配慮されるべきなにものでもない わたしは正しく保育士だ   〔 2025 年 11 月 26 日書き下ろし。保育士の様々な言動幼児の不安を見る〕

どう勝つのか

勝つとは何か 競い合うことの DNA 学力主義という知育偏重の盲従 学歴主義という教育偏重の妄信 資本主義という利潤偏重の歪曲 宗教主義という原理偏重の曲解 覇権主義という侵略偏重の妄想 平和主義という理念偏重の幻想 この闘いからいかに勝つのか 何のために勝つのかを問わずして ただ勝つ手立てを熟考し動くのみ 負けることは決して許されぬ熾烈な世界だ   勝つとは何か 手段を選ばず屈服させる 成果を比べ有利性を誇る 社会的地位や財力を得る 支配と蔑視を許される 正義は勝者の権利となる ただ努力が常に報われる保障はない 卑劣な手段もまた勝つために不可欠なのだ 情愛を断ち冷酷にならねば勝利は遠のく どう勝つのかだけが問われる 何のために勝つのかは邪念をもたらす ただ勝つという栄華を求めて動くのみ 負けることは存在価値を喪失する世界だ   勝つとは何か 徹底的に勝ちに拘ることが唯一だ 事を成し遂げるまで諦めない意思が試される 状況に応じた柔軟な思慮と的確な判断が求められる 常に己との葛藤の中で克つという精神を鍛える どう勝つのかだけを問う 何のために勝つのかは後付けで構わない ただ勝つという容易ならぬ難関に挑むのみ 負けるという文字はすでに消去された世界だ   勝つとは何か 負けるという選択肢はあり得ない もしもという想定もしてはならない 勝つことだけを意識する過酷な闘いだ 薄っぺらな共感性を棄て弱さを自覚する どう勝つのかだけを問う 何のために勝つのかは不問とする ただ勝つという栄誉を求め続ける 克服するのは負けを認めぬ意思の世界だ   〔 2025 年 11 月 24 日書き下ろし。勝つとは何かを問う〕  

赤いテキストの編集作業

12 月民生委員の改選が行われる 新たに委嘱される委員には厳しい三年間となるやも知れない なり手不足の問題は定員割れをさら広がる 人材不足の余波が地域の福祉を後退させうる 担当範囲と対象の増加は現実味を増していく 三年は団塊の世代が踏み止まった地域も少なくない 三年後の改選期に彼らがリタイヤする時に深刻な事態となる 定員数の削減ではすまされない厳しい現実に向き合う いままでのようなボランタリーな活動に寄りかかるのは限界だ 公の制度として機能させるには処遇の改善を含め活動の精選も必須だろう むろん自治体の福祉行政の根本的な考え方や進め方も問われる さらに市町村の民児協組織の運営の改革も求められていくだろう 民生委員制度の始まりから 110 年になろうとするいま 制度そのものの改革が喫緊の課題として示されている   新任の民生委員・児童委員を対象とした法定研修の講師を務める 道民児連から依頼されて 7 年目になる 1 月末から 2 ヶ月間全道 14 管内で開催される 冬期間の移動は悪天候と交通機関の運行が悩みの種だ 改選後の 1 年目は 2000 人前後と参加者が一番多い 2年目3年目は初年度に受講できなかったり途中で委嘱された委員を対象とする 法制研修だけに人数の如何を問わず毎年開催する 稚内や網走までは自宅から9時間超をバス→地下鉄→乗車待機→バスと移動する 根室は釧路からレンタカーでの移動となる 吹雪をついた移動も何度か経験したが老体には限界を感じている   この時期研修用のテキストを編集するのが恒例となった 研修スタイルはいまでは認知されてきたが「詩集」を介したワークショップだ 改選の度に詩集を編んできた 3度の詩集をいま手がけている最中だ 前の改選から三年間で書いた詩篇の 1300 本余の中から選ぶ 道民児連の機関誌「アンテナ」に寄稿した詩篇は特別編で組む 限られた頁数に 60 編ほどの詩篇を新たに編集する作業だ 大まかなストーリーをつくり大きなテーマごとに候補を選ぶ それが第一段階だが油断すると数が膨れ上がる 基準や判断も甘くなり焦点ボケも覚悟する 優柔不断があえてこの段階では容認する 問題は新...

つなぎ直し

暮らしが難儀になってきた 光熱費も食費も上がるばかりだ 医療費も高くなり風邪など引いてはいられん 使わない介護保険料は強制的に徴収される いまさら節約節制してもおぼつかない 富む者との格差が際立つ   子育て世代は保育や教育費に追いまくられる 働き方改革なんぞ体のいい言葉の綾でしかない 中小企業は賃金を上げるのに死活問題になった 先の見えない世界の経済の動向も株価だけが上がる 日米の安保で防衛費はさらに上がりいらぬ武器まで買わされる 死の商人は世界を闊歩し高笑いを繰り返す 集団的自衛権を巡る中国との確執は外交努力を重ねるしかない 30 %の国民が戦争を容認するという馬鹿げた世論が出てきた 富む者はこれに乗じて儲け若者は銃を持つ事態を想像する   未来を語るに何を持って語りうるのか 暮らしでの住民同士のささやかなつながり 地域での縮充のまちづくりへの発想の転換 仕事の収益の公平な社会的な分配 安心と安全を保障する矜持ある国政のあり方 他国との対立を緩和する文化と人のつながり 「つなぎ直し」という言葉がキーワードか   つなぎ直しは何をどうするのか 事態を見極めその問題の本質に迫らねばならない 具体的な目的と手法を持たねばならない 誰がどう動くのかも先を見すえた創造力と想像力が試される そう考えると簡単な取り組みではないと尻込みする ただの民草が出来ることではどうにもならない   諦めず顔を上げて聞いてほしい ただひとつだけやれることがある 周りの人とのつなぎ直しを意識することだ つなぎ直しする価値を見出すことだ そこからしか民草の暮らしは変えられない 出来ることはひとつだけ 言葉のつなぎ直しから始めたい   〔 2025 年 11 月 23 日書き下ろし。つなぎ直しは喫緊の社会課題か〕  

わたしっていったい

わたしっていったいどこからきたの 存在そのものが宇宙の神秘なんだよ   わたしっていまどこに立っているの 宇宙の奇跡の一点だと言っておこうね   わたしはいったいこれからどこに向かうの 宇宙の時空間を駈けて明日への旅を続けるのさ   〔 2025 年 11 月 26 日書き下ろし。わたしという存在を子どもに問われた〕

時を失う

世に余されて在る 世に告げる言葉なし 時を失いし男は沈黙する   世に仕打ちされて在る 世に弁解の言葉なし 時を失いし男は消沈する   世に抗えず在る 世に訴える言葉なし 時を失いし男は沈思する     世に躓(つまづ)いて在る 世に評される言葉なし 時を失いし男は後悔する   世に無視されて在る 世に支援する言葉なし 時を失いし男は孤立する   世に見放されて在る 世に求める言葉なし 時を失いし男は忍従する   世に流されて在る 世に刃向かう言葉なし 時を失いし男は服従する   世にもまれて在る 世に一石を投じる言葉あり 時を失いし男は準備する   世に生まれて在る 世に問う言葉あり 時を失いし男は時を待つ   〔 2025 年 11 月 22 日書き下ろし。時を失うことに不安を感じた過去を思い起こす〕

とけない

とけないとけない何とけない クロスワードの言葉が出ない たったひとつに四苦八苦 これがゲームの醍醐味か   とけないとけない何とけない 人のおもいは判断つかない 出会いの印象は悪くない 真意を読み切れぬ葛藤か   とけないとけない何とけない 思い込みから逃れられない 誤解や偏見にすら気づかない 不利益こうむってわかる悔いか   とけないとけない何とけない 抱えた問題解決できない 高をくくって舐めてしまった 手腕が試される瀬戸際か   とけないとけない何とけない 絡んだ人間関係ほどけない 修復図るが無視された 利権が絡めば残るは疑義か   とけないとけない何とけない メディアの意図がつかめない つまらぬ低俗番組垂れ流す 知性の劣化を計るプロパガンダか   とけないとけない何とけない 世間のしがらみがうっとうしい 何かあら探しをされてる気分だ 付き合いは溶け込む手加減次第か   とけないとけない何とけない 不当に自由を拘束された 解放されると甘く見た 対立する異論を排除する横暴か   とけないとけない何とけない 交わした約束破られそう 信じていたのにほつれていく 解(と)けてはいけないつながりか   とけないとけない何とけない オレっていったいなにもんだ 度胸も器量もたいしてありません 折り合い付けつつどこに向かって生きるのか   〔 2025 年 11 月 22 日書き下ろし。今朝降った雪が融けないだろうか。発想は単純〕

おもねる

媚びる姿は疎ましいかな 見返りを求める姿切なし   媚びへつらう姿は痛ましいかな 身を卑しきする姿哀れなり   胡麻する姿は滑稽かな 手揉みする姿露骨なり   取り入る姿はやましいかな 後ろめたい姿陰を引きずる   卑屈なる姿は辛いかな 屈辱に耐える姿悲しき   おもねるにはわけがある へつらうには打算がある こびるには企みがある おためごかしには偽りがある 人は誰しもしたたかに生きる

たしなめる

無礼非礼を見るにつけ諦めが先に来る たしなめたとしてもなめてかかられる そもそもお節介よりも出しゃばりとなる ましてや聞き耳なんぞ持ってはいない たしなめたくとも恐怖心がもたげる   たしなめる すでに心折れて言葉を喪う   おいたをした子をたしなめる 親が出てきて叱られる 終いには捨て台詞を残していく そもそも見かねたことに罪がある ましてやよその子など構うことはない たしなめても食ってかかられるご時世だ   たしなめる すでに効用もなく言葉が枯れる   仕事の上で注意を促す ミスればたしなめるしかない パワハラという思い込みが強くなる そもそも見過ごせないから喚起する ましてや立場でもの申すしかない たしなめても育てる意欲が萎んでゆく   たしなめる すでに行き場をなくし消え去る   たしなめる程度ではない 学校は指導するという名目に立つ 高圧的な口調に子どもは縮こまる そもそも感情的になることでもない ましてや穏便に済ますこともできる たしなめて心に落とすのは教師かもしれない   たしなめる すでに子らは本質をわきまえる   たしなめられない世界がある どんなに憤っても抗う声は届かない いくら叫んでもわかり合えない そもそも民草など適当にあしらえばいい ましてや尊大にもの申すなど許されない たしなめるのは民草ではないとしかと知れ   たしなめる すでに死語として鬼籍に入る   たしなめる あたたかかな心の通い合い たしなめる 柔らかな語感の紡ぎ会い たしなめる 優しい指摘の躓(つまづ)き たしなめる 使うことでしか守れない感性   〔 2025 年 11 月 20 日書き下ろし。たしなめることができない時代を憂う〕〕

わだかまり

親しくしていたのに豹変 白白しい態度に困惑する 心当たりがないわけでもない きっかけはたわいない誤解 寄せ付けぬガードにたじろぐ あえて踏み込んで行く元気もない ふとわいたわだかまり シャボン玉のようには割れぬ   親身になってきたのに豹変 よそよそしい態度に憤慨する 器量のないのを庇ってきた もうどうでもいいかと投げやり 本心を見極められなかった恥を晒す うまく利用されたとバカを見た ふとわいたわだかまり 人を見る目のなさの結果に過ぎず   同じ方向を見てきたのに豹変 意見の対立が鮮明になった そんなに違っていたのかと驚く なぜいままで表明しなかったのか疑義 尊重し合うリスペクトが薄い 求めてもせんないのは非が己か ふとわいたわだかまり 溝は深まるばかりで修復はかなわぬ   きっとできると確信してたのに豹変 思い違いがようやく露見した わかったつもりが理解を遠のけた 目的と意識のズレが招いた断絶 意欲は空回しして一人踊る 二度と戻れぬ関係を予感する ふとわいたわだかまり 別れの時を告げる   未だわだかまりを抱えているのはなぜか 愛憎なのか 執着なのか 自己承認なのか ふと感じたわだかまりが消える瞬間 シャボン玉は虹色に空を舞う   〔 2025 年 11 月 20 日書き下ろし。わだかまりはこだわりの持続か〕

足るを知る

欲に駆られれば常に不満を溜める       人と比べることで常に不平を育てる            金と物の価値に常に意識を向ける 人を人とも思わぬ傲慢さを常に囲う 足るを知るなど戯れ言と一蹴する   欲をかけば常に衝突を繰り返す 過剰な自己肯定感情を常に表す 過激な搾取も正当化して常に誇る 妬みと悔しさをバネに常に鼓舞する 足を知る意識など寸分もない   欲に生きれば常に強迫観念に囚われる 人心を想起することもなく常に孤立する 疑いからしか関係を作れず常に心うずく 欺瞞に満ちた言動も常に金にもの言わす 足を知るなど取るに足らない   社会的成功の物差しは常に資産だった 貪欲に金儲けに奔走したゆえの結果だった 人的評価の物差しは常に社会的地位だった 肩書きや学歴の世界ゆえの結果だった 足を知るなど無用の長物だった   心の渇きの症状が常にあった 良心の小さな声かも知れない 世の垢のこびりつく症状が常にあった 罪悪感を意識する時かもしれない 本心に抗う症状に悩まされた 足を知れば心穏やかなるかと その機会が訪れたかも知れない   〔 2025 年 11 月 20 日書き下ろし。欲は棄てることはできない。足を知ることは出来るか〕

赦し

過去の澱(おり)が消え去らぬ 責められる悔恨 取り戻せない失望 鮮明になる痴態 揺り戻される恥部 浴びせられた屈辱 貪欲に表れる妬み 闇は赦しの光を覆う   過去の惨めさは忘れ去らぬ 社会的信頼からの陥落 裏切られた関係の放棄 過分な評価からの失意  判断を誤った仕事の失墜 過大な要求からの逃避 完遂できぬ粘りの怠惰 闇に赦しが光を求める   内心の秘密はなぜ悩ますのか 彷徨する魂の為せる懺悔 悪意からの行状の自戒 無意識を昇華させる情念 告白できぬ恥部の露呈 ドグマに囚われた貧しき信心 欲望を否定できぬ凡人の焦燥 闇に射す赦しの光に身を映す   〔 2025 年 11 月 19 日書き下ろし。赦しとは何かを何度も問い続ける〕

適切だ

何を持って適切だとするのか 兵庫県知事は対処したことを肯定する 自己都合を優先する 批判をかわし強弁し続ける 部下を自死に追いやった認識はない 鉄仮面のような冷徹さが不気味だ   中国とどのような状況を招くのか 集団的自衛権の一線を軽く越えた 適切だと自己保身を優先する 三割超の国民が戦意を維持する 相互理解の努力虚しく外交交渉は頓挫し敗北を知る 作り笑いの下の好戦さが鼻につく   二馬力だと選挙した結果を裁けるのか ネットでデマを流し批判者を自死に追いやった 適法だと自己満足が優先する デマゴーグは適切な名誉棄損で捕まった 既存の価値観を揺さぶり煽り支持を得る 打算的な狡猾さはようやく審判の場に晒される   議員定数の削減は可能なのか 与党に組みしたゆ党が第一に掲げた 唐突な党利党略が優先する 強烈な課題を提起し話題性が存在感を強める 小選挙区制を適切に是正されることはない 数あわせ議員の引きつる顔が不安を煽る   適切という言葉がさもさもらしい ことを肯定するに適切な言葉だ 人を説得するに適切な言葉だ 政治の歪みを仕切る適切な言葉だ ただし適正とは一線を画す     〔 2025 年 11 月 19 日書き下ろし。近況の政治の世界。政治家の発言が軽すぎる〕

語り尽くせぬ

世の中の心痛むことさまざま ただただ沈思(ちんし)するばかり 言葉は逃げるしかない   世の中に小さき命さまざま ただただ愛(め)でるばかり 言葉は謳うしかない   世の中の蔓延(はびこ)る悪行のさまざま ただただ忿怒(ふんど)するばかり 言葉は濁るしかない   世の中に熱き情けさまざま ただただ抱擁するばかり 言葉は迸(ほとばし)るしかない   世の中の卑しき欺瞞(ぎまん)さまざま ただただ憎悪するばかり 言葉は尖(とが)るしかない   世の中に反撥する生き方さまざま ただただ意思を貫くばかり 言葉は勇気を与えるしかない   世の中の利権争いさまざま ただただ虚しくなるばかり 言葉は道具に成り下がるしかない   世の中に美しき善意さまざま ただただ心洗われるばかり 言葉は人を信じるしかない   〔 2025 年 11 月 18 日書き下ろし。世の中は語り尽くせぬことばかり。 1600 編を数えてもなお語らねばならぬ〕

疑惑

疑惑を持たれるのは仕方ない 何をするにも後ろめたさが匂う 何を言っても欺瞞が刺さる 人間こうなったらあかんね   疑惑を払拭できないのはしょうない 何をしても取り繕ってると見られる 何を言っても弁解がましく聞こえる 人間こうなっちゃいかんね   疑問を呈するのはよしとしよう 何を隠しているのか暴いてみたい 何を言わんとしているのか知りたい 人間ここまで落ちたくはないよね   疑義が生まれるのはなぜかな 何でも正当化してはばからない罪か 何をしても裁かれない法の抜け穴か 人間腐ってくると惨めなもんだね   疑惑をほっておきたくはない 何かと世間を騒がすのを放置しとくかい 何かと煽ってその気にさせるは許し難し 人間無関心面してたら痛い目にあいそうだね   疑惑を晴らすのは簡単じゃない 何とかしようとする覚悟がいるね 何かと言われても我慢する忍耐がいるね 人間腹をくくればわかってくれる人もいる   〔 2025 年 11 月 17 日書き下ろし。人間疑惑を解くのはしんどいが、もたれることをするのがそもそもか〕

おおきなかぶ

おじいさんの蒔いたカブの種 大きく大きく育ったよ   おじいさん大きなカブをぬこうと うんとこしょどっこいしょ 力を込めて抜こうとします なかなかカブはぬけません   大きなカブさん抜かれまいと うんとこしょどっこいしょ 力を込めて踏ん張ります 何としてもカブは負けられません   おじいさんおばあさんを呼んできた 大きなカブを抜こうと力をあわせて うんとこしょどっこいしょ それでもカブは抜けません   大きなカブさん抜かれまいと うんとこしょどっこいしょ 負けてたまるかと踏ん張ります どうやら二人に勝ちました ああよかった   おばあさん孫を連れてやってきた 大きなカブをぬこうと おじいさんおばあさん孫の三人で力をあわせます うんとこしょどっこいしょ それでもカブは抜けません なんとしぶとい大きなカブなんだと驚きました   大きなカブさんまたしても頑張ります うんとこしょどっこいしょ 三人のかけ声に合わせてカブさんも力を出します おやおや三人あきらめたようです これでひとまず安心です   孫は犬を連れてきました 今度はおじいさんおばあさん孫犬で引っ張ります うんとこしょどっこいしょ 少しカブが動いたようです さらにうんとこしょどっこいしょ でもやっぱり抜けません   大きなカブさんあぶなかったとひと息つきました うんとこしょどっこいしょ うんとこしょどっこいしょ 頑張る力がすこし疲れてきたみたい 少し休みたいと思っていました   犬は猫を連れてきました おじいさんおばあさん孫犬猫で引っ張りました うんとこしょどっこいしょ うんとこしょどっこいしょ うんとこしょどっこいしょ まるで疲れを知らないかのように力強く引っ張ります それでもカブは抜けません 何というカブなんだとたまげてしまいました   大きなカブはピンチでした うんとこしょどっこいしょ 根っこがいまにも切れそうになりながら踏ん張ります うんとこしょどっこいしょ 根っ...

分かつ幼子

物心ついた頃からだった 何か菓子をもらう 幼子はためらわずに分け始める 驚く大人を尻目に分け与える ありがとうを言わざるを得ない 当人は喜ぶ様子も見せず食べ始める 当たり前のことをしたように振る舞う   菓子を割れねばならない 人数分を頭に入れて考える 割った菓子は大きさが違う 見比べる 大きい方を大人に差し出す 小さいのでいいよと言う まだ小さいから小さいのがいいと言う 体の大きさで分ける物差しを持つらしい   誰が教えたわけではないという 大人に囲まれた育ちの中で身につけた 分けるという感覚がなぜ育ったのか 親すらそこは不思議だと話す 打算ではないことがことさら嬉しい 分けることの意味合いはわかってきたみたいだ 分け合うことの愉しさは笑顔で感受する   分かち合うという享受の始まり 教えられることではない共に在ることへのアプローチ 伝えられることではない共に味わうことへのプロデュース 作り事ではない共に感じ合うことのイマジネーション さもしさなど微塵もない共に認め合うことのイノセンス 優しさの湧き出る分かち愛に大人は不純を突きつけられる 幼子の何気なさが大人の不浄なあり様に鋭く問いかける 幼子から存在理由を問われるのは誰か 〔 2025 年 11 月 16 日書き下ろし。幼子の無意図性に不純が暴かれる〕

寂しきかな

信を失うは孤独を強いる 仁を失うは孤立を招く 寂しきかなひとりぽっち   義を損なうは人にあらず 情を欠くは人にならず 寂しきかなひとり外されし   愛を裏切れば妬みを湧かす 倫を誤れば憎しみを深くする 寂しきかなひとり虚しき   知を軽んじれば無知を晒す 意を棄てれば無能に陥る 寂しきかなひとり悩みし   言葉が粗末なれば心現る 態度が下劣であれば人離れる 寂しきかなひとり覚らず   求めるところ欲深し 求められるところ何もなし 寂しきかなひとり不要を知る   世間に凜として生きる 俗世に惑われず生きる 寂しさを超えて己を生きる   〔 2025 年 11 月 16 日書き下ろし。独りよがりで世間で問題を起こす者を見つつ、そうありたくない生き方を探す〕

感受する

共に在るということ ただそばにいるだけなのか 互いに感じ合わなければならぬ   喜びは生きている希望 怒りは不条理への抵抗 哀れは人間としての情感 楽しみは心躍る満足   共に生きるということ ただそこでいるだけなのか 互いに必要とされなければならぬ   喜びは相手からのギフト 怒りは相手との対立 哀れは相手への情愛 楽しみは相手との創造   共に感じ合うということ ただ心が動くだけなのか 互いに確かめ合わねばならない   喜びはわかり合える慈愛 怒りは理不尽への情動 哀れは儚さへの情愛 楽しみは苦悩の先の熱情   共に響き合うということ ただいっときだけのことか 互いに惹かれ合わねばならない   喜びは価値観の共有 怒りは圧制への共闘 哀れは人間性の担保 楽しみは人生への謳歌   〔 2025 年 11 月 14 日書き下ろし。共にあるとはなにか〕

手遅れ

想定が外れた 判断が外れた みんながという空気に流された 裏切られたと知らされた 手遅れ   自信過剰だった 言葉は甘く誘った みんなは気持ちよく酔った 裏腹な心が透けてきた 手遅れ   偉大だと吹聴した 抗うことは許されない みんなは歓喜をあげて拳を握った 残忍なやり方に顔を歪めた 手遅れ   予想は覆された 決断は裏目に出た みんなが信じていた 噓を見抜けなかった 手遅れ   変化に固唾を呑んだ 真逆の展開に戸惑った みんなは黙って立っていた 事の成り行きに茫然とした 手遅れ   予断は許されなかった 現実は惨憺たる結果だった みんなが落胆した 希望は潰(つい)える 手遅れ   傲慢だった 排斥される みんなが覚醒する 失墜は当然の帰結だった 手遅れ   〔 2025 年 11 月 13 日書き下ろし。手遅れを知ったときはどうするのか〕