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ひっかかり

胡散臭い人だった 自信満々の表情だった 善人ぶった態度にひっかかりを覚えた 何を隠しているのか気にかかった 果たして侮蔑する本性を現すだろうか とっかかりの判断にシフトした   関わりのある子だった 精彩のない表情だった 口数の少なさにひっかかりを覚えた 何を悩んでいるのか気にかかった 果たして正直に打ち明けてくれるだろうか とっかかりのサインに注視した   気遣いする人だった 不満な表情だった 不審な様子にひっかかりを覚えた 何に違和感を持っているのか気にかかった 果たして忘却を受け入れてくれるだろうか とっかかりのサポートに思案した   世間から疎まれた子だった 寂しげな表情だった 不遇な境遇にひっかかりを覚えた 何か怯えているようで気にかかった 果たして屈託のない笑顔とは無縁だろうか とっかかりのつながりのレベルを上げよ   恩ある人だった 生気のない表情だった 声の張りのなさにもひっかかりを覚えた 何に異変を感じているのか気にかかった 果たして老いと向き合う真剣勝負か とっかかりの認知からスタートする   〔 2026 年 6 月 7 日書き下ろし。ひっかかりはその人とのとっかかりにつなげる〕  

虚栄心を満たす

称えよ 我が栄華 称えよ 我が業績 死するとも 残りし名誉   称えよ 我が虚栄 称えよ 我が自賛 死するとも 残りし不名誉   称えし 我が妄執 称えし 我が恫喝 死するとも 残りし憎悪   称えし 我が強慾 称えし 我が愚弄 死するとも 残りし嘲笑   称えし 我が長寿 称えし 我が奇蹟 死するとも 残りし忘却   称えし 我が国家 称えし 我が国民 死するとも 残りし分断   称えし 我が生涯 称えし 我が品格 死するとも 残りし負の歴史   〔 2026 年 6 月 4 日書き下ろし。それだけの人だった〕

はぐらかす

はぐらかす 嘘偽りが気づかれそう 核心迫ればひらりとかわす 追及逃れの妙手なり 真意を隠す口八丁 侮(あなど)りがたいと雲に巻く   はぐらかす 本心つかれて動揺する バレては元も子もなく話を逸らす 顔色変えずに対面する とっさの機転の見せ所 噓も方便と腹くくる     はぐらかす 責任追及はいただけない のらりくらりと長引かせる 事実を知ってるだけのこと 明らかにすれば火の粉を浴びる 誰を身代わりにしようかな   はぐらかす 隠し事は正直者には難しい 酷な仕打ちと冷や汗流す 平静を装うのも一苦労 心を読まれるかと不安が走る 返す言葉の震えに比例する   はぐらかす まだ早いと回避する なだめすかしては間を稼ぐ 喜びの表情はただ抑え難し うわずる声に感づかれた 驚かすには気を持たせるのもいいか   〔 2026 年 6 月 6 日書き下ろし。はぐらかすさもしい姿は哀れなり〕

期待から失望へ

何を期待したのか 閉塞した政治を変革する 威勢だけの空言に踊らされた 変革の旗手として熱に浮かされた 初物に弱い国民気質が流れを呼び込んだ   何かを変える 期待すればするほど実相が見えてきた 公約は遅滞し改革のスピード感はすでに失った 外交の派手なパフォーマンスも嫌味になった 若者たちがようやく目覚めたのか   暮らしがどんどん切迫してきた 失望の兆しは米国のイラン侵攻だった ナフサは足りると繰り返しだけだった 供給への手立ても打たず経済は悪化する 政治に疎くノリだけで自民党を押し上げた 若者は間違えた選択に後悔し始めたのか   若者は SNS で政治への関心を深めた 審議される法案は杞憂を深めていく 勝手に解釈され内閣だけで決議されていく 国会での答弁は論点をすり替え逃げる 国民のためはただの隠れ蓑になった 若者はボタンのかけ間違えに気づいたのか   根拠なき期待は見事に外れた 落差の大きい分だけ判断のまずさを噛みしめる 確信のない傾倒はいずれ失望へと向かう 代わり映えのしない政治家の一人に過ぎない 世論も徐々に実相を受け入れることになろう 若者は認識の甘さを SNS で拡散出来るだろうか   政治に無頓着で無関心だった層が目を向けた その功績だけは評価しよう 煽り立てたマスコミはいまは醜聞に加勢する 風見鶏の政治家に決して命と暮らしを委ねてはならない 若者自身が目覚めなければ票は白紙依頼でしかない 民主主義というシステムを注視し再稼働させよう その恩恵を享受するのはきみたち次世代だと心して学ぼう   〔 2026 年 6 月 5 日書き下ろし。毎日新聞が 5 月 23 日と 24 日に実施した『全国世論調査』では、 18 〜 29 歳の支持率が 45 %。前月比から 6 ポイントの下落で、 50 %を下回ったのは内閣発足後初めてだった」

威嚇する

獣である 威嚇する 弱肉強食の世界でも 弱い者なりに身を守る 食べられまいと必死である 時に強獣もたじろぐ その瞬間疾走する   人間世界はどうだろう 強者は威嚇し蹂躙する 弱者は殺されまいと隷属する 時に見せしめに惨殺する その瞬間恐怖で身が凍る 前世紀のことではない 獣にも劣る人間の話だ   威嚇が反転して抵抗される 強者は不当性を大義にすり替える 弱者は反撃の正当性を訴える 戦闘はやまず屍は積まれていく 戦火の及ばぬ強者の首都は平穏な風景にある 大量の兵器と爆薬は弱者の都市を焼く 騙されたことに気づく時を失う   威嚇すれば白旗を期待した 裏目に出て終わりの見えない泥沼と化した 覚醒した弱者は自ら愛する者の命を守る 狂気への敵愾心は志願する若者を奮い立たせる   威嚇は敵か味方が二択の世界に誘う 威嚇されたら果たしてどんな行動に出るのだろうか 政治家たちの真なき虚言を見抜けるだろうか 未来の選択を妄信的に委ねてはいないだろうか 世界の物々しい現実から目を背けてはいないだろうか 平和ボケした国に生まれた若者はどうだろう   威嚇されることに怖じ気づいてはならない 同じ未来を見る世代が威嚇の世界をどう学びどう生きるのか 学びは自由と共生への実現の意思を確か合うことなのだと 試されている   〔 2026 年 6 月 4 日書き下ろし。威嚇が軍事力をバックに恐怖を煽る。それに立ち向かう人たちがいる。フランスでは志願する若者が応募数を大幅に上回ったという〕

バトンにこめる

手渡されたバトン きみは何をおもう   きみは受け渡された役目に バトンの重さを感じる きみは引き継がれた責務に バトンの重みにたじろぐ きみは為すべき地域の活動に バトンの重さが憚(はばか)られる   きみは果たして同じことをするのかい きみは果たして同じようにできるのかい きみは果たして同じおもいでつなげるのかい   手渡されたバトン きみはぬくもりを感じなかった?   きみのバトンの継承の意味はね 渡した人のぬくもりを引き継ぐことさ 人とつながることのおもいを受け止めるんだ   きみはそのおもいに共感できればいいね きみはその活動を共有できるといいね きみはきみらしくできるのが一番だね   バトンはこころの受け渡し 重いバトンはしんどくなるね おもいのバトンはあったかいね   きみは気負うことなく 人と関わるバトンを受け取って きみを求める誰かとつながっていくんだ   〔 2026 年 6 月 3 日書き下ろし。人はいつかバトンを誰かに引き継ぐ。重荷ではなく人と関わることのぬくもりとして〕

恋する病

なぜ心惹かれたのか 打ち明ける勇気もなく ざわめき焦燥する   なぜ心臆するのか 破れる不安しかなく ざわつき消耗する   なぜ心忍ぶのか 相思を想うしかなく ふるめき敬慕する   なぜ心痛むのか 語りかける場もなく いたずらに焦慮する   なぜ心弾ませるのか 姿を直視できずに ときめき憔悴する   なぜ心高ぶるのか 高嶺の花に物言えず きらめき憧憬する   なぜ心悩めるのか 感情に委ねるしかなく ひらめき躊躇する   なぜ愛でるのか ただひとりゆえしかなく ひたすらに求心する   〔 2026 年 6 月 2 日書き下ろし。恋は医療保険の利かない精神病かって?〕