見えそうで見えない
霞(かすみ)がかかる 見えていたつもりが霞んでゆく なぜか不安だけが取り残された 靄(もや)が広がった おぼろげにまだ見えそうだ なぜか不吉な予感がした 霧が覆った 視野が徐々に塞がれてゆく なぜか思考が停止した 雨が強くなった 暗転の空に滝が生まれた なぜか捨て身を晒した 晴れるのを待つしかない 果たして頭を上げることができるのか なぜか悔しさがこみ上げた 先の見えそうで見えない世の中に 憤りの拳を握るしかなかった 希望さえ見出せぬ世の中に 悲痛な声を上げるしかなかった 軽率な言葉の世の中に 真意を求める拳は下ろすしかなかった [2023 年 9 月 30 日書き下ろし。子どもたちの未来は見えそうで見えなくなっていく ]