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確信と噓

学校にハマスがいる 情報は確信に満ちている 攻撃には気配りもする 被害を最小限にする 避難していた子どもも含め 100 人を殺した 正義は実現されなければならない   ハマスのメンバーが学校を拠点にしている 学校はハマスの巣窟だ 彼らは子どもを盾に立てこもって反撃を試みる 根こそぎ拠点を破壊し殺さねばならない 子どもの犠牲はやもえないことで結果論だ   残虐な子殺しを正当化し戦争犯罪と非難されても繰り返す 病院や学校を容赦なく攻撃しマチを破壊し瓦礫の山を残す 食べるものすらなく彷徨する子どもたちに爆弾を落とす 躊躇うことなく殺戮を繰り返す鬼のような兵士たち 命令に従っただけだと良心は封印する   イスラエル大使の長崎での祈りを市長は拒んだ 同調するかのように米国を始めイギリスなども参列を拒否する ダブルスタンダードの国々はイスラエルの防衛戦を承認する ウクライナがロシアの領土に侵攻した 天然ガスの供給施設を占領した 原子力発電所も近いという 停戦交渉を有利に運ぶ布石を打ったのか 占領され追い出された住民たちがプーチンに呼びかけた 事実を包み隠さず正確に伝えることを プロパガンダで制圧してきた噓がバレるときが近い   勝つものにしか正義はないという戦争の論理が生きる 負けるには国土も言葉も文化も財もみな放棄しなければならない 何百年にわたって攻防を続けてきた歴史は新たなページを記す 強いという思い入れが壊れるとき残酷な運命を担わせれる ロシアもイスラエルも負けないという確信が揺らぐのは 噓が露呈して政権を信用できない時に崩れてゆく 残虐な狂気をいつまで続けられるのか 子どもの屍がどれだけ積み上げられるのか 想像せよ! 悪魔に魅入られた偽善者たち!   〔 2024 年 8 月 10 日書き下ろし。パリ五輪の最中に多くの子どもが未来を失う〕  

83歳の決意

高齢者の運転免許の更新に関わる講習会 コロナで延期を余儀なくされた 今日別の自動車学校で受講した   認定運転技能検査は高得点でパスした 認定認知機能検査を初めて体験した 知人は予備テストを繰り返した 16 の絵を覚えてその名称を書く 12 までしか思い出せなかった 次に関連するキーワードから思い出す 乗り物のヘリコプターがようやく出てパーフェクト なんとお粗末な記憶力かと先が思いやられる 7 割でパスと聞いていたのでまずは良しとしよう 最後に目の検査と高齢者講習終了証明書を交付された   3 枚の書類を封筒に入れた くどいくらいに免許更新書類一式をバラさぬよう注意された 新聞の下にしたために古紙で出されたという悲劇も聞かされた いつものように重要な書類は分散させず左脇机の下段に入れておく   83 歳の方と出会った 技能検査を受けに3階から階段を下りた 彼は酸素ボンベを引きずっていた ボンベのバッグを手にして一緒に下りた 彼は8年前から癌に冒され左肺の機能も低下していた だから酸素の供給は必然だった 手術はもう出来ない身体で抗がん剤治療をしているという 寿命あと2年かなと笑う 妻も癌の治療をしていて二人で月1受診するという そのための足が必要で今日も免許の更新のために講習を受ける   何度も受講してきた先輩は落ち着いていた 2つの検定も無事クリアしてこの先 3 年間は運転を続けられるだろう 何としてもパスしなければならない気力が勝っていた 命ある限り夫婦で生きるという気負うことない自然体が心に優しかった 酸素ボンベを持ちながらこの先の無事を祈らずにはいられなかった   〔 2024 年 8 月 10 日書き下ろし。昨日登別の研修から 2 時間半運転して帰宅した。運転は嫌いではないが長距離は疲れが残る。自動車学校での 83 歳の方との出会いは、何事も諦めないというおもいを学んだ。安全運転が出来る時間が長いことを願った〕

心の怪我

小さな心の怪我をする たいしたことないでしょ このくらいのことで させた方は気安く謝る   小さな心の怪我がうずく もしかしてふりしてる さも痛そうにするなんて させた方はなんとも思わない   小さな心の怪我に悩む 傷つけたとは思いもよらない 不愉快さを顔に出す させた方が被害者面する   小さな心の怪我が深くなる 関わりたくない人だった 見下すようなふるまいだった させた方がいかにも迷惑がった   小さな心の怪我に耐える 痛みの分からぬ人だった 嫌なおもいを断ち切りたい させた方は平然と日常に戻る   小さな心の怪我が癒えてゆく 誰かのために我慢はやめよう 共感できぬ人とは距離をおく させた方に笑って許したわけじゃない   〔 2024 年 8 月 6 日書き下ろし。トラブルで心の傷を負う。相手は傷つけたとは思っていない。痛みを理解しようとしない人があまたいる〕  

置いてきぼり

みんながそう思ってる 誰かが自信ありげに言った みんなもそうしてる 誰もが当たり前だと言った ひとりなぜか取り残された   みんなが正しいと思ってる 誰かが誇らしげに語った みんなもうなづいた 誰もが間違えないと思った ひとりなぜか釈然としなかった   みんなが素晴らしいと思ってる 誰かが褒め称えた みんなも歓声を上げた 誰もが酔いしれていた ひとりなぜか蚊帳の外にいた   みんなが同じように考えた 誰かがそうしようとせき立てた みんなもゾロゾロと動きだした 誰もが行列から外れなかった ひとりなぜか立ちすくんでいた   みんながと迫ってきた 誰かが卑怯者と言った みんなの視線は痛く突き刺さった 誰もが一斉に同じ方向に動いた ひとりなぜか疑いを深くした   〔 2024 年 8 月 6 日書き下ろし。みんなが正しいという根拠に疑問を抱くことの厳しさを知る〕

非戦の道は遠し

非道で残虐な戦争は今も続く ロシアが強欲に侵攻したウクライナはギリギリで持ちこたえる 広いアラビア半島を舞台にイスラエルは戦局を拡大しつつある まさにデモを圧制したバングラデシュでは 5 日市民革命が起こった   戸惑いながら血を流し生きるべき厳しい道を探す 名もなき貧しき民衆は住むところを失い彷徨する 瓦礫の下で飢える子らの泣き声が絶えることなく響く 裂き引かれる心を狂わぬよう戦火に憤りの声を上げる 希望すら持つことすら出来ず絶望の淵で危うい命を踏み止める   軒並み一瞬のうちに廃墟となった広島・長崎の死の町に茫然と佇む 忘れてはならない悲嘆から核兵器の廃絶こそ人類の悲願と非戦を発信する 原爆の恐ろしさをロシアは脅しに使う卑劣さにただ無力さを知る 全ては勝利への欲望から地球を破滅させる核兵器でにらみ合う 核の傘の安全神話にへばりつく国や国民はいつか裏切られるだろう   未来に生きる若者たちを前戦に立たせて死ねというのか 戦争という破壊と殺戮しかない世界を誰が望んでいるのか 狂った指導者の専制や独裁の毒を抜かなければならない バングラデシュの市民デモも多くの学生たちの血が流された結果だった   戦争景気で潤う者たちの商業主義に貶(おとし)められた世界はまだ続く 戦火にあえぐ非力な民衆が犠牲になる非道を許してはならない 戦火に肉親を亡くした者たちの悲嘆と絶望はまだまだ続く それでもなお非戦のおもいを強く持つことが希望となるのか 広島と長崎の祈りを心に焼き付ける日が来た   〔 2024 年 8 月 6 日書き下ろし。広島の原爆記念日のこの日、世界は混沌としてきた。昨日日本の株価も大暴落した。経済の変調も世界を震撼させる〕  

花壇の雑草

花畑に咲いてるお花をどうして抜くの 可愛いお花なのに可愛そうだよ   雑草? それってどんなお花? お花畑をあらしてしまう悪い草なの? でも名前はあるんでしょ?   タンポポはよく知ってるよ 白詰草 ( シロツメクサ ) って首飾りにするよね 四つ葉のクローバーだ 繁縷(はこべ)も春の七草のひとつで食べられるんだって   でも雑草の名前はよく知らない でも白や黄色や赤の小さな花を咲かせてる 雑草と呼ばれてすぐに引っこ抜かれる草たち お花畑の花とは一緒に咲けない草たち どんなところでも生えるたくましい草たち   せっかく生えてきても場所が悪かったのね お花畑ではこの草たちとは一緒にはいられないの どうしてかな? お花畑には好きなお花で飾りたいと植えたんだよね きみにも好きなお花があるでしょ そのときに違ったお花がやってきたらちょっと困るよね そんなときどうする? 可愛そうだけどごめんねって抜いてしまわない? きっと育つ場所を間違えてしまったんだ   白詰草は牧場で咲くと牛や羊の餌になるよ 草原でタンポポが咲きほころぶととてもきれいだね 一番嬉しくなるところがあれば雑草とは言われない   お花畑に紛れ込んでしまった雑草たちは可愛そうだね そう心にかけてあげるだけでも嬉しいかも知れない きみのやさしさにきっと感謝しているよ きみの手で抜かれることが一番喜ぶことかも知れない お花畑の花たちはここでしか咲けないから 雑草のようにどこでもたくましく育たないんだよ だからごめんねの心をこめて抜いてあげようね   〔 2024 年 8 月 5 日書き下ろし。雑草のように逞しくといいながら、お花畑では厄介者の存在に幼子の問いにどう答えるのか。難問と向き合うことの面白さを味わっている〕

時間の旅

時間はね きみが生まれた瞬間からチックタックって動き出すんだ 時間はね きみのいのちの中にあるんだよ 時間はね きみが生きているかぎり動いているんだ   時間を見てみるかい ほら木の葉が風に揺れているだろ 風は時間を旅して木の葉を揺らすんだ ほら庭に紫の紫陽花(あじさい)がきれいに咲きほころんでるね 花の蕾は時間を旅して花を咲かすんだ ほらきみの姿を鏡で見てごらん 去年よりもずいぶん大きくなったでしょ きみも時間を旅して身体を育ててきたんだね   時間の不思議なところ 時間はとめることはできない だからいのちのあるものは時間の旅をしなければいけない ただねいのちがとまったらきみの時間はそこでストップしちゃうんだ 生きているものは限りのある時間しか生きられないのさ そう死ぬということだよ   時間は後戻りできない 想い出をたどって後戻りはできるのは頭の中だけ いまはすぐ過去になり未来はすぐいまになる 前に進んで行くことしか時間はできないんだ 宇宙のことも地球のことも時間が前に進むことで動いているんだよ 朝日が登って朝が来て日が沈むと夜になる こうして1日が終わるのも決まった時間で動いてるからなんだ 誕生から1年たつときみはひとつ年をとる でも早く生まれた人には決して追いつけないよ   時間はいのちあるものに同じように与えられてるんだ ただね時間をむだにしてはいけないよ そこにこころの働きがあることを覚えておいてほしいな こころはねきみが人とよく生きる根っこなんだ やさしさや思いやりや強さが育つ大事な根っこだよ きみだけじゃなくて誰もがこころの根っこを大事に育てている その根っこを育てるには時間がとても必要なんだ きみもしあわせになるためにはこころの根っこを太くしようね いのちのある限り時間もこころも粗末にしてはいけないよ   時間はね しあわせをつくるためにあるんだよ 人と仲良くするためにあるんだよ 世の中が正しくなるためにあるんだよ   きみはそんな時間の旅をいまも続けているんだ それが生まれてきたということ そ...