狂った羅針盤
真実を語れ
真実のみを語れ
全き真実を語れ
~クラウゼヴィッツ『戦争論』から
智慧なき者たちはいのちを軽視して勃興する
正義なき者たちは真実を偽り君臨する
仁愛なき者たちは野獣の如き残忍さを誇示する
怯懦(きょうだ)する者たちは厳罰をもって統治する
殺戮を強いる者たちは不条理な戦いを正当化する
寛容なき者たちは徹底的に人間性を否定する
不実をもった統治者たちで世界は恥辱にまみれる
歪んだ価値観の専制者たちで世界は席巻される
私欲を満たす独裁者たちで世界は侵略される
真実を知ることを拒絶された世界
未来を示せず絶望ともつれ合う
真実を探ることを放棄する世界
未来を託す子らが恐怖に怯える
真実を語ることを弾圧する世界
未来を描くことは断じて許されない
狂った羅針盤を見つめる子ら
そこに見えるのは指導者の狂気の針
狂気とはわからぬ国民洗脳の針
洗脳とは悟られぬ国家統制の針
統制とは恐怖で統治する国家の指針
批判的精神を涵養せしめよ
そのおもいを決して枯らしてはならない
そのこころを正しく導かなければならない
そのたいどを堅持しなければ光明は見出せぬ
羅針盤が正しき道を示すには
真実を対話で明らかにせよ
真実に決して目を背けてはならぬ
真実を見極める叡智を傾けよ
そして真実の前で罪過を償わなければならぬ
〔2022年4月26日書き下ろし。真実を見極める力がいま求められる。戦争犯罪は人殺しでしかない〕