微睡うなかに
微睡(まどろ)うなかに居る
思考停止の世界
覚醒させられぬよう抗がう
微睡うなかに見える
過去の幻想の世界
消去されることを拒む
微睡うなかに聞こえる
突然強い風が吹く世界
心地よさが侵(おか)されぬよう身構える
微睡うなかに迎える
遠くに見える未来の世界
安らかに抱(いだ)かれて身をほどく
微睡うなかに流れる
忘却の河に洗われる世界
罪と悔いに身を晒(さら)す
微睡うなかに満ちる
静寂な心の世界
陶酔の境地に身を預ける
微睡うなかに感じる
睡魔に乗っ取られる世界
眠りに落ちる一瞬を楽しむ
〔2022年5月27日書き下ろし。微睡むことが多くなる。抗うことなく身を委ねる〕