引きこもりと8050問題

21年度61万余件のいじめが報告された

前年よりも10万件近く多い

いじりやからかい程度はグレーゾーンと処理される

学校がカウントせずに見過ごされたケースも当然ある

そのうち重大事態は705件起こった

いじめにより不登校になった場合も含まれる

 

特に生命等被害は自死に直接関わる

3月厚労省は子どもの自殺が去年512人と過去最高だったと公表した

高校生352人(前年比38人増)が全体の7割を占めた

中学生は143人(同5人減)小学生17人(同6人増)

厚労省は原因を学校での悩みが多いと指摘する

いじめとの相関性についてその件数は明らかにされていない

学校や教育委員会の判断が優先され意図的に隠蔽する事案も少なくない

2年前凍死した旭川の広瀬爽彩さんの事件はその最たるものだった

学校側は家族や家庭環境に問題があるとする見立ても散見される

 

不登校数は24万余人と前年より5万人近く多い

学校は建前の指導はしなければならないしするであろう

不登校を抱えたくないのは本心である

不登校で引きこもっても無作為を貫くしかない

その要因もいじめに該当すれば対応に苦慮するばかりだ

疫病神のような存在は卒業証書を出して縁を断ち切るしかない

卒業後は何ら関知することもなく忘れてゆくだろう

 

8050問題がまさに芽生える瞬間だった

引きこもりの要因を容易に放置したことに始まる

いくつかの要因が絡まって子どもを追い詰めた結果なのか

特定すべき要因が見つからなければ誰もが問題から遠ざかる

旭川ではいじめをした子や教師を庇う体質も露見した

引きこもりは家族や家庭で解決すべきことと地域社会も隔離した

学業も保障されぬまま引きこもった子らに親はなすすべを失う

不登校から成人になっても引きこもってる子の統計はない

その子が社会に居場所を見つけぬ限り親にパラサイトする

30年後には確実に8050問題は起きる

否このサイクルは途切れることなく面々といまも続いている

その芽を摘む学校も社会も機能不全を起こしている

問題の本質を見極められずに目先のことに追われ多くは保身を図る

学校が囲い込みを続ける限り8050問題を発芽させていくだろう

社会が子や親との関わりを持たぬ限り問題は潜在化するだろう

 

いじめや不登校の内在する問題はより社会化され深刻さをもたらす

まずは隗より始めよ

政権が子育てを掲げる以上多岐にわたる子どもの問題は放置してはならない

人間としての生き方やあり方を共育する教師を評価することが重要である

質を問わなければ待遇にあぐらをかくばかりの教員が増えるだけだ

悪貨は良貨を駆逐する

ここによき教師が育たぬ学校の本質的な問題がある

 

[2023325日書き下ろし。いじめと不登校と引きこもりの連鎖が断ち切られない以上8050問題はより深刻さを増してゆく]

 

※重大事態となるためには、まず第一に、児童生徒に、○ 生命、心身又は財産に(対する)重大な被害(いじめ法第28条第1項第1号)、○ 相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている状態(同項第2号)が生じている必要がある。本指針では、これらを「重大被害」と総称し、特に前者の結果を「生命等被害」、後者の結果を「不登校」と呼ぶ。学校は、児童生徒に重大被害が発生したときは、必ず重大事態に該当するか否かの判断を行わなければならない。

 

※文部科学省は20221027日、「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表した。同調査結果の概要によると、小・中・高等学校及び特別支援学校における「いじめ」の認知件数は615,351件(前年度517,163件)で、前年度に比べ98,188件(19.0%)増加した。また、「いじめ」の重大事態の件数は705件(前年度514件)で、前年度に比べ191件(37.2%)増加。小・中・高等学校における「暴力行為」の発生件数も、76,441件(前年度66,201件)で、前年度から10,240件(15.5%)増加している。小・中学校における長期欠席者のうち、不登校児童生徒数は244,940人(前年度196,127人)で、児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は25.7人(前年度20.5人)。不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多となった。


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