いつも道半ば
暮らしの問題をすべて解決するのは無理難題
ほっとけば問題は悪化するだけ
動かぬ限り何も解決されぬはものの道理
迷い人は路頭に彷徨し地域に漂流する
病に倒れても
障がいを負っても
老いても
世間や人との関わりの中で暮したい
それが当たり前の暮らし方
見て見ぬふりする人も少なくない
当たり触らず遠巻きにひねた噂を流す
他人への干渉を極力避けるのもご時世か
それでもなお捨て置けない人もいる
事や人と関わることで人生を耕す人がいる
他人事を自分事にすることで生きがいを見つける人がいる
地域と関わることで当てにされる奇特な人がいる
人情に厚く人の世の要となる
苦楽を分かち合うことをいとわない
暮らしにくかろうと笑顔で振る舞う
生きにくかろうとそっと人に寄り添う
生きている喜びも悲しみも人の道
生きているからこそ煩悩も愛欲も人の道
生まれてきた仕合わせを求めるのは人の道
せめてこの世を暮らしやすくしたいと動く
人生いつも道半ば
道半ばであがいているのがいい
道半ばで突っ立ているのもいい
道半ばで笑っているのが一番いい
[2023年3月16日書き下ろし。人生は道半ばでしかない。そこで何を為すのか。為してきたことよりもこれから為すことの方がずっと面白い]