落涙する
「クラスターに立ち向かう介護士たち」
1年前にblogにUpした詩を読んだ
特養ホームの女性施設長は涙した
3年に及ぶコロナ禍での苦しさを想い出した
施設でクラスターが発生した
昨日まで何事もなく元気だった利用者
翌朝息絶えていた
誰に看取られることもなかった
非透過性納体袋に収納された
クラスターの中の予防対策は非情だった
手を握ることさえできず家族とも隔離された
痛ましい死に心が揺さぶられ涙した
クラスターが発生しなければと悔いるばかりだった
介護士たちもクラスターの中で誠心誠意頑張った
それでもなお防げなかった感染死
ぬいぐいきれない悲しみをいまだ抱えていた
詩に触発されて当時の苦闘がよみがえった
コロナ禍の3年は多くの犠牲を払った日々だった
ただ誰ひとりとして辞めなかった
職場を守り抜いた一人ひとりが誇りとなった
コロナの脅威に抗いながら立ち向かった介護士たち
辛い体験を共有した仲間たちがいま逞しく育っている
経営も黒字に転じたことは介護士たちの熱情だった
悼む心を決して忘れることなく信じて前を向いて歩む
今日の無事が明日ももたらされるよう祈りながら
〔2023年7月10日書き下ろし。コロナの非情さが施設長の落涙で心を揺さぶられた。第9波を迎えた老人介護施設はいまだ警戒発令中。闘いは否応なく続く〕