通知表の廃止
法的根拠のない通知表
校長の裁量で廃止もできた
2020年完全実施された新学習指導要領
公教育を縛り付ける規範そのもの
何を学ぶかよりも重点を変更した
どのように学び
どのように身近な課題を解決するのか
要領は墓穴を掘った
従来のテスト結果での成績付けは趣旨と反する
その評価は子どもよりも教師に向けられていた
安直にテスト集計で機械的に割り振りしてきた成績付け
要領を解釈することもなく成績付けに追われる
子どものためよりも単なる事務処理に終始する
終われば楽しい夏休みが待っている
子どもは成績表を持ち帰る
下位からは決して上がれないおきまりのしるし
普通であることの普通さえ意味をなさないしるし
頑張るなどとはとうてい思えないつまらないしるし
勉強嫌いに追い込む最後通告もどきのしるし
こんな当たり前に疑問が生まれた
成績付けの意味を論じた
学習のモチベーションになっているのか
自己肯定感を高めることになっているのか
そもそも通知表は何のためにあるのか
あるべき評価のカタチとは
数ヶ月もかけて論議した
そして通知表を廃止した
保護者の反発は予想された
教師たちの評価に対する真摯な取り組みが空気を変える
より子どもに添わなければならなくなった
学習成果を判定するテストには指導力こそ対象となる
子どもの緩やかな変容を見るには保護者の力もいる
学力至上主義だった学校教育に一石を投じる
機械的評価を許さない試みは教師力を鍛える
個々の子どもと成長を喜び合う慈愛の目に変わる
学校に行くことがしんどい子どもたちを救う
〔2023年7月20日書き下ろし。神奈川県茅ヶ崎市立香川小の実践が20日付の毎日新聞で報道された。快挙である。この報道の反響に注視したい〕