鴨の受難

新蕎麦の季節

月例の蕎麦ランチ

仲間六人といつものメニュー

鴨南蛮せいろ大盛り

手打ちの新蕎麦を鴨と葱の汁に付ける

温かい汁に冷たい蕎麦の絶妙なハーモニー

喉を滑る蕎麦に鴨汁が追う

柔らかに鴨肉がしばし口内に留まる

 

食べ終わって一枚の断り書きを持ってきた

鴨南蛮が打ち止めとなる告知だった

ここ数年毎月食べてきたメニューの差し止め

一同色めきだった

 

今夏の猛暑で鴨の生育が害された

市場に鴨肉が十分に供給されない緊急事態だった

鴨の受難の影響がここに表れるとは予想だしなかった

しばし鴨南蛮せいろ大盛りとはお別れの日となった

問題は何を次にセレクトするのか

悩ましい選択に迷う日は年明けとなる

 

鴨よ暑さに強くなれ!

いや待てよ

この言葉鴨にされぱなしの

俺たちに当てつけたのか


 

[20231124日書き下ろし。といいうわけで、シンプルに蕎麦の味を楽しむことにするか。ちょっと待てと政治家の鴨にされている我が身を鑑みた]


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