浅学の連鎖

近代史の人物像に関心がある

明治期から太平洋戦争後までの史実を求めた

北海道開拓に関わり歴史探訪はいまの存在を学び知る

戦中戦後の満州を舞台にした小説からノンフィクションまでも面白い

当時の政治家や軍人のドロドロした人間模様を合わせ鏡のように見る


二人の読書会

読んで意見を交える

それでよかった

知が実になることはない

系統だって本を買うわけでもなかった

研究や実務のための読書はとうの昔にやめた

テーマに関連する資料を整理し論文を書くこともない

自由気ままに本を読むだけのことだった


二人は歴史物が好きだから自ずと偏りは否めない

歴史探訪は箱館戊辰戦争から始めた

炭鉄港を巡る旅も樺戸監獄からはじまり空知監獄につながる

明治維新の政治犯を中心とした囚人たちに酷な労働を課す炭鉱史

僧侶の師は石狩川で向かい合った月形の囚人墓地と三笠の千人塚で合掌する


脈路のない本が机狭しと積み上げられる

かじり読みの悪癖はいまも変わらず数冊を読み回す

メモ帳に気にかかった言葉や語句を書き留める

詩作の感覚が動く言葉探しのひとつとなっている

それでも何か物足りなさを感じていることは確かだ

昨夜気になる記事をノートに抜き出して手書きした

読むうちに書くうちにおのれの浅学にいたぶられる

連鎖する思想や偉人に影響を与えた人物などなどが綴られる

事と人の歴史上のつながりがここにあるのかと色めく


関連する蔵書を書架から探して手元に広げる

学生時代におろそかにした学びを突きつけられた

学ぶべき事をいまさらながら知らされる悔恨は深い

恥を知る以上に知力の足りなさに憤る自責の念にかられる

自己本位でしかないいまの読書の振り返りを求められた

知欲はそこはかとなくおのれの浅学を戒める


〔2024年5月22日書き下ろし。ノートに書き留めることで、読書の世界の広がりに浅学を知る自分と向き合うのも楽しい〕

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