札幌市私立幼稚園教育研究大会発寒にこりんこども園レポート2

今回のワークショップではにこりんこども園の先生方の力をお借りした

白内障の術後3日の眼の不調も勘案して3人の先生に詩集から好きな詩を選んでもらった

佐藤副園長に詩集の装丁のこともあり事前に送り込んだ詩集に目を通してもらった

展開の中で朗読をお願いするというポジティブなカタチを構成した

参加者に配布された詩集は園の子どもたちの笑顔満載の写真で飾られていた

研究会の資料は袋に入れられたままお蔵入りするがそうならぬよう工夫した

園のたよりや情報を編集するプロのスタップがいるのが強みだ

見事に幼子の瞳に魅入られるような一冊の詩集に装丁してもらった

持ち帰っても置きっぱすることも棄てることもできないだろう

過去の大会で初めて配布された資料としての「詩集」であった

 

その詩集を早速開いてもらった

Prologue なぜ詩を用いたワークショップをしてきたのか

詩作の動機とおもいをしたためた詩編を朗読した

「なぜ《詩》を書くのか」そして「心守詩」

 

Objectは「確かめる」という詩で目的を提起した

保育に関わる仕事への思いや悩み、ひとりの人間存在としてのわたしのあり方、さらに子どもと明日に生きるモチベーションを共に高めたいと朗読に力がこもった

 

Story1「子どもに魅入られて」をテーマに早速始めた

グループワーク1は詩編「幼子の瞳」(729Blog up)からスタートした

現場でどのようにピアな瞳と向き合ってきたのかを確かめる

父親役が進行役になり姉役が朗読を担い兄役が発表する

15分間という時間を提示して朗読が始まった

朗読に耳を傾けながらテキストを黙読する

終わると進行役が感想を求める

詩の読解するのではなく感じたままを吐露する

時に笑い声が起こりグループの緊張が氷解してゆく

発表は1グループから3グループの兄が務める

グループの協議を決してまとめてはならないというルールで戸惑う

過去そのように躾けられてきた参加者には戸惑うことでもあった

この協議は保育に関わる自身の子どもとの向き合い方が問われた

最初の若い先生の発言が試金石となった

言葉に詰まりながらも発表を終えてホッとした表情になった

続く発表は1歳児を育てる中で言葉にならない思いを母親として受け止めていた

母親が子育てでこんな気持ちになるのではと素直に伝えてくれた

各々の発言にうなずく姿が発表者を元気づけ次へのステップへと意欲づけた

Story1では4つの詩編を用意したが富沢先生が選んだのは「まっすぐなまなざし」だった

朗読をお願いした

この詩は学教崩壊した秋田の某小学校の卒業生にはなむけに贈った詩だった

どんなに問題を抱えていてもまっすぐなまなざしを向けていきてほしいと祈った詩である

 

Story2「保育という世界に遊ぶ」をテーマに展開される

グループワーク2は詩編「初めてがたくさん」(83Blog up)が朗読された

幼児と保育士の関係性について考えさせたい

保育士は幼児にとってどんな存在なのかを考えさせたい

多忙な現場では改めて同僚と話し合うことは稀であろう

問題事例について解決策を協議する場はあるが理念やあり方を論ずることはない

研究会などで協議の場があったとしてもなにか気恥ずかしくて言い出せない

そもそもそのようなざっくばらんに話し合う場も機会もいままでなかったかも知れない

朗読後短い話合いにすぐに熱中した

心を裸にしなければ互いのおもいは共有できない

構えることもなく素直に発言する自分に驚く

会って間もない参加者たちには不思議な場が創出されていたに違いない

新人の時を想い出しながら何もできなくとも愛情だけは取り柄だと強く思ってきた様子や親よりも子どもと長く関わる仕事の責務を改めて確かめあった場となった

問われることの本質は保育技術ではない

その土台ともいえる豊かな感受性やあたたかい人間性やそもそもの生き方なのだ

時間があれば深く語り合う場が創出したであろうと未消化に終わったことを謝罪したい

発表後Story2で紹介した4編で榊原先生は「避けられない出会い」を朗読した

先の詩と連動する詩編だった

グループワークでの熱くなった心をクールダウンする時間ともなった

静かに聞き入りながら自分と向き合い問い続ける避けられない時間となった

 

グループワーク3詩編「ほめる」(85Blog up)が朗読された

子どもの遊びや創作活動でほめるという行為がおざなりになってはいないだろうか

ほめることの意味と価値と成長への影響を考えてほしかった

普段から褒めることを心がけてきた先生方には当たり前のことではあったかもしれない

問題を提起した褒め方について熱く議論されていった

表面的な褒め言葉への反省や一緒に喜ぶ(感動)することの大切さを振り返る

一人ひとりの成長を認める個に配慮した褒め方に着目したい

具体的な褒め方にも触れられた様子もあり思いが凝縮した時間となっていた

唐突に前の詩編「初めてがたくさん」をカレンダーにしたいと昂揚気味に伝えられた

毎日眺めながら保育への志や仕事への思いを確かめてみたいと話し合ったという

なんとも嬉しい提案でありつい心意気にほだされてしまった

褒めるには子どもの目線から創造的なエネルギーを引き出す感受性が求められる

感動しなければ子どもには伝わらない

そこに共育力が培われ感動の力に転嫁していくのだと確信したい

そこから「子どもを粗末にしない共育」について語り出してしまった

その後ここで紹介した8編から上村先生は「大きく育つ種」を選び朗読した

その種は子どもだけではなく本当は先生方がお持ちの種の発芽を促すことになる

今日の研究会はその種を見つけるプロセスにもなっていくのだった

 

2024929日書き下ろし。テープを聴きながらの作業となった。自らの教育理念を語りからレポート3を始めたい〕

このブログの人気の投稿

寂しきかな

たしなめる

わたしっていったい

赦し

雪遊び中止