立ち振る舞いと躾(しつけ)
小学生の頃だった
祖父母と三人での夕食時だった
その躾はいまでも鮮明に思い出す
飯茶碗を持ちながら汁椀の具を取った
カズ茶碗は逃げないぞ
祖父は優しく諭した
それ以来祖父の躾を守っている
貧しい食卓であったが行儀の良さを静かに教えた
祖父は樺太時代は羽振りが良かった
引き揚げてきてから日雇い労務者になった
曲がったことの嫌いな律義な祖父だった
立ち振る舞いを躾ける
挨拶の仕方
お辞儀の仕方
挨拶の仕方
言葉遣い
食事の作法
幼きときから身につけなければならぬ
人とのつながりを円滑にする
できるだけ互いに不快な思いをせぬようにする
信用の是非をはかるものさしともなる
行儀の良さは人格形成にも影響する
さらに家庭での躾が試される
失敗すれば世間の笑いものになるリスクを負う
なぜ躾けるのか
世間を滞りなく暮らすための処方術か
一度身につくと案外気楽なものかも知れない
〔2024年12月25日書き下ろし。なぜ躾けるのか? どう躾けるのか?〕