心の借金
年の瀬に思う心の借金
恩の貸し借りなのか
天秤架けてみようか
今年も無事長らえた
恩ある人たちからのギフト
天秤は借りに大きく傾いた
今年は新境地も見られた
新たな恩を授けられた
天秤はまた借りに動いた
今年も多くの詩を書いた
心動かす人に出会えた
天秤は少し貸しに動いた
今年は老いを共にした
師に老いの心根を学ぶ
天秤はまた借りに動いた
今年も家族が無事だった
妻も娘も孫も健在だ
天秤は動かなかった
年の瀬に計る心の借金
天秤は借りに傾く
返すに返せぬ借りこそが心の財か
〔2024年12月29日書き下ろし。人との関わりを損得勘定では計れないほどの、恩という心の財をいただいた〕