容赦ない指導
容赦ない理不尽な仕打ちに耐える
罵倒する声に身が縮こまる
指導という名の仕置きに従う
能力のない者は支配欲を暴力で満たす
知的判断の低い者は強要手段しかない
指導という名の大義名分をかざす
意に反しても指導を受け入れる
評判とは裏腹な品格を見せられる
指導という名の無恥に打たれる
逆らう者には執拗に悪態を続ける
自己陶酔に溺れる者は倫理を捨てる
指導という名の武器を駆使する
逃げられぬと思い込み諦める
自己否定を膨らませて自責に苦しむ
指導という名のしごきに限界を感じる
何度も注意をされようと自我を通す
過去の実績だけで妄信させる
指導という名の食い扶にすがる
報復を畏れて辞めることが出来ない
教師の面子を潰したと逆ギレされる
指導という名の裏の顔が見えてくる
個に合わせたメニューは持たない
忠実な僕(しもべ)であることを要求する
指導という名の優越感を腹一杯味わう
問題が発覚しても安泰である
賠償請求は税金で賄われ処分は寛大に異動で処理される
指導という名の悪行はいまもどこかで子どもをいたぶる
〔2025年5月11日書き下ろし。指導死が明らかにされるまで、時間がかかる。処分が下されるまで、当該教師は教壇に立つ。指導に問題があると指摘されても、外さぬ学校もある。教室も部活動も教師がいたぶる場にすることは決して許されない〕
※6年前の、2019年4月18日の夕方、熊本市立中学校の1年生の男子生徒、マサルくん(仮名、当時13歳)が自宅マンションから転落し、敷地内で倒れているのが発見された。搬送先の病院で死亡が確認され、警察は自殺と断定。背景には小学校時代の担任、X教諭による不適切な指導があった。当時学校は担任替えを求める保護者の声を無視した。教育委員会は調査を開始し、約1年後の2020年3月30日に調査報告書をまとめ、X教諭の体罰6件、暴言1件、不適切な指導26件、保護者や教職員への不適切な対応7件、計40件を認定、マサルくんが亡くなって3年半後の22年12月には懲戒免職を言い渡している。(2025年5月6日文春オンライン記事抜粋)