恥ずかしさを知る
ある人の講演を聴いた
期待は失望に変わっていった
多くの聴衆の前で醜態を見せていた
恥をかくという自覚はなかった
聴いて己の恥を振り返った
テーマをどう捉えるか
核になるエピソードは本質を語れるのか
ストーリーの構成と時間の配分は適切か
客観的な資料はテーマを補完できうるのか
聴衆を惹きつける話術の展開に自信はあるか
段取りが全てである
ここに誠心誠意集中する
資料をパワーポイントで表示する手法を採用する
そこに起承転結が反映される
提案型のプレゼンではない
そこは己の福祉観を訴え共感世界を演出する
恥ずかしさを知らなかった
20余年の前の福祉観をなぞるだけだった
過去に執着することの虚しさを知らず話し続ける
使い古しの資料は再構成されず画面は忙しくスクロールする
出会った若者への配慮も敬意もなく笑いを取る
何を語りたかったのか焦点ボケして何も残らなかった
講演とは求める側の意図を明確に理解する
そのうえで対象への敬意を払い話を組み立てる
己の知見や人間性が如実に表出する怖さを自覚する
過去を糧としいまどうあるべきかを明確に示す
エピソードの選択は共通理解を促す真理を要する
だからいつも真剣勝負の気迫を持ち続けたい
〔2025年9月7日書き下ろし。残念な講演を聴いた。自身の反省もここにあるかと〕