お里が知れる
慇懃無礼な言葉を発する
思い上がった態度が目に余る
お里を知られまいと背伸びする
教養と知性のギャップが疎ましい
理整然と言葉を発する
感情を出さ冷徹さが目に障(さわ)る
お里を隠そうと強弁を振るう
学歴と出世を鼻にかけて粋がる
故事来歴を言葉に乗せる
知ったか振りに目をつぶる
お里を知られても平気を装う
素養の貧しさを隠し通す
事実を曖昧な言葉で誤魔化す
嘘偽りに目を剥く
お里が知れようが揺るがない
地位と財産を得て高飛車に出る
お里を知る
過去を否定できずに苦しむ
お里を知らされる
素性や経歴があからさまになる
お里が知れる
劣等感が引き出され強く反発する
人は生まれた環境で生きるしかない
人はどこまでも生臭く自己肯定に動く
我もまた果たして貧困なる知性で生きうるのか
〔2025年10月12日書き下ろす。お里が知れるのはわれもまた同類か〕