泡沫の詩編
泡沫の世の移ろいを書き記す
あたかも市井の声のように
時代に翻弄される民の本音か
解釈の未熟さを否定しない
それでもなお残さねばならぬ
泡沫の詩編はすぐに消える
あたかも市井の憤りのように
歴史の審判を待つには長すぎる
時代の変遷を捉えきれない
それでもなお憂いの言葉を磨く
泡沫のように一瞬でしかない
あたかも市井の代弁のように
生臭い空気を嗅ぐにはひ弱すぎる
抗うことも許されず押し潰される
それでもなお湧き上がる言葉を吐く
泡沫であっても怯んではならない
あたかも市井の苦渋を呑み込むように
世のきしみに巻き込まれようとも闘う
利権を追う輩に沈黙してはならない
それゆえに不正を暴く言葉を求める
泡沫の一滴の泡であっていい
あたかも市井に存在した証のように
世の熱き情が廃れようとしている
心が貧しくならぬように守らねばならぬ
それだからこそ言葉を詩に託す道に生きる