つかのまの夢
幸せの光が眩い
幼子は陽光に眼を細めた
後ろの影はまだ短かった
幸せの匂いかぐわしい
幼子は乳房にすがりついた
生長の影はまだなかった
幸せの時間が瞬く
幼子は笑顔をふりまいた
不安の影が忍び込んでくる
幸せの感情が揺らぐ
幼子は母を求めて泣いた
立った影が濃くなっていく
幸せの分かち合いを知った
幼子の存在そのものだった
いつしか影はのびていくだろう
幸せはつかのまの夢だった
幼子はいつか冒険の支度に取りかかった
危うい影がつきまとい始めた
〔2025年10月20日書き下ろし。幼子の生長とその影を描いてみた〕