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砲弾22万発の想像力

11 日 EU が砲弾 22 万 3800 発をウクライナに提供した 100 万発を供与する計画の第 1 弾 20 億ユーロ ( 約 3200 億円 ) 分の 20 %だ   長距離自走砲弾や精密誘導弾と迫撃砲弾など約 22 万 3800 発 各種ミサイル 2300 発を供与する 来春までに 100 万発の調達に疑問符がつくという 第 2 段階は 155 ミリ榴弾(りゅうだん)砲やミサイル 欧州内の兵器メーカーはフル生産せねば間に合わない   反転攻勢が思うように進まないと非難の声の声がある ウクライナが砲弾から戦闘機までの必要な武器のないことは 西側の軍事関係者は十分認識していた 性能の高い戦車であっても戦闘機とのペアで戦果を上げる 航空劣勢下の中地雷原を進攻する難しい状況下にある 歩兵も武器の損失を最小限に抑える戦術を巧みに変えるしかない 一進一退の攻防が時に膠着し厳しい戦いが続く 戦場での優劣は情報戦に組み込まれ作戦も戦果も判断は難しい ネットニュースで優勢記事を探すのが日常となった   米国がリードするこの戦争をダラダラと長引かせている 小出しの支援はすぐに武器や兵站が供与されるわけではない 戦闘機や戦車を供与しようにもパイロットの訓練は必須だ その間にロシアもまた武器の生産をフル稼働させて前線に送る   雪の降るまでの攻防戦が戦争終結に至る希望をもたらすのか 22 万発の砲弾が幾多の尊い命を奪うことで終わりを見るのか 恐怖に陥れたロシアの横暴と狂気を削ぐには 100 万発では足りぬだろう ロシアの兵士も前線で狂ったように銃を撃つ 22 万発の威力を想像できない されど平和への創造力をかき立てる武器は存在しない   [2023 年 8 月 15 日書き下ろし。敗戦記念日。ロシアとウクライナの戦争にまだ終わりが見えない。欧米が供与する武器のタイミングがさらに事態を引き延ばす。ロシアへの脅威を排除できない事態は核の脅しだけではない。同調する国の存在も大きい ]

過ぎたるは…

過ぎたるは猶及ばざるが如し   度を超した高温に列島は茹だっている 今週も 30 度前後の日が続く 札幌は夜中雨が降ったが焼け石に水か   度を超した台風に列島は苛立っている 接近する台風 7 号 新大阪名古屋間の新幹線は早々に運休した 空の便も軒並み欠航された 明日には列島に上陸する 東海近畿で総雨量 1 ヶ月分が降り注ぐ 影響はすでに岩手に警戒レベル 4 の避難指示が出た お盆の帰省の大移動は足止めされる 高速道路を強引に利用する車両も規制がかかるだろう 一般道にでると身動きが取れず道路は埋まる 長蛇の渋滞も起こり二次災害も予想される   度を超した降水量は大地を緩める 台風 6 号は1週間も沖縄周辺に居座る 北上し九州をいじめて朝鮮半島に抜けた 線状降水帯の発生は当たり前のように起こる   度を超した気象は日常の風景となる ハワイマウイ島の山火事も 93 人 2200 棟余の被害を出した 米国では過去 100 年余りで最多の被害だという 被害者は自然災害に為す術もなく天を仰ぐ   先週は立て続けに各地で地震があった 地球の悲鳴が天と地を揺るがす 災害列島は今日も猛威に晒される   [2023 年 8 月 14 日書き下ろし。台風の当たり年という言葉は死語に。減災・防災の体制を国防の上からも為さねばならない。内閣支持率 20 %台に落ち込もうと為すべき指示を出せ ]

血祭りにあげよ

無辜の血を無慈悲にも大地に流す 爆撃を命じられて引き金を引く 戦場は前線ではない 無差別に爆撃弾を撃ち込む 花火のように何発もゲームのように撃ち込む 撃墜されようと逃れたミサイルが爆発する 遠方での無差別の殺戮には痛みはない 無残に死にゆく屍は目の前にはない 死傷者の数だけが戦利と昂揚を与える 市街地の建物の残骸が荒廃をもたらす   憎き敵を血祭りにあげよ 民族の誇りと歴史を嘲るもろもろを血祭りにあげよ 戦士であろうと市民であろうと血祭りにあげよ 悪魔の呪いと蔑む者たちを血祭りにあげよ 二度と立ち上がれによう徹底的に血祭りにあげよ 国を滅ぼし復活の根を断ち切るために血祭りにあげよ 残った者たちが恐怖に駆られ隷属するよう血祭りにあげよ 行く手を阻むものには核を持って血祭りにあげよう   避暑地でバカンスを楽しむ露人の無関心はまだ続く 露人の愚かさとおぞましさはまだまだ続く 世界の恐怖物語は終わることなくこれからも続く   [2023 年 8 月 13 日書き下ろし。ウクライナの過去の腐敗政治の根ははびこる。徴兵に賄賂が横行するのも戦う兵士や家族には耐えられない。それでもなおロシアの侵攻は止めなければならぬ。一枚岩になれぬ国民を束ねる指導者の苦悶が浮かぶ ]

きずなシンポジウムを終える

30 度を超す登別は暑かった クーラーのない会場に 120 名の市民が集まった しんたの多目的ホールは満杯になった 窓を全開し扇風機が所々に置かれ熱風を運ぶ   きずなシンポジウム テーマは「わたしをうごかすもの」 主役は 4 人の実践者 オープニングに『わたしをうごかすもの』( Blog8 月 8 日 up )を朗読した   一番手の連町事務局からは津波発生時の避難行動に関して発表された モデル地区で実施した避難訓練から見えた課題 行政の画一的な対象者の線引きでは対応できない実態 要支援者の身体状況やサポート側の人不足 徒歩で高台の避難所まで行き着けない人や 冬期間の非難手段や鉄道を挟んでの少ない避難経路の問題 てんこ盛りに山積みされた減災方法に頭を悩ます 日頃の近隣の関わり合いを強調しても老々支援の限界も見られる 高齢化が進む地域では自助も共助も弱くなる一方だ 助けてという声に駆けつけてくれる人がいるのか 要支援者の取り巻く人間関係を洗い出しておかなければならない そうしなければ特定の誰かに救助の負担を強いることになる 町内会の役員も民生委員もレスキュー隊ではない それでもなお究極の助け合いが叫ばれる 自助や共助に依存するだけではなく 責任を負わす風潮はあってはならない 厳しい現実にどう向き合うのか 防災に強い地域づくりは日々の暮らしの延長線上にしかない   次に登別温泉地区の町内会の役員からの発表 そこに住み暮らす高齢者には買い物難民が生まれていた コロナ前に市内の福祉施設の社会貢献活動の一環として 買い物を支援する送迎バスの提供が棚上げされた 町内の高齢者の実態調査から利用する対象者を割り出した 自家用車で対応している人もいずれは利用を希望する 知人や親類によって維持されている状況も改善されていくだろう 施設は車両と運転手を負担する 添乗員の手配はどうするのか 週の運行計画や送迎人数の割り振りもこれからだ 観光客で賑わう温泉街の周辺に普通の暮らしがある 買い物支援することで頑張れる人が命をつなぐ きずな計画を進める社協のたゆまぬ努力が結実する 他の福祉施設もその社会...

仕事の手配師

西成の手配師の話じゃない 東京五輪で名を馳せた電通 コロナ対策のあぶく銭を見事に霞取る 下請け孫請けからたんまり搾り取る   公共事業の委託事業をゲットした 企業は分け前をどう配分するか知恵絞る 再委託は許された 諸手の泡の取り分はしっかりと確保する 再委託先はさらに再々委託をかける 仕事せずして手配師はボロ儲け 下請け孫請け業者が搾取後の予算で仕事する その構図は子どもの貧困へと連なる賃金問題を生む 非正規の者たちを低賃金で働かせる悪サイクル   道は会計検査院から指摘される 再々委託の手続きの不備を指摘する 行政からの受託業務に再委託や外注を繰り返す電通の手法 中小企業を支援する持続化給付金事業でもやっていた 公共事業の甘い汁は大手の企業の肥える餌でしかない 中小企業はそのおこぼれをもらうしか生きられない この儲けの構造はなかなか崩しようはないのか 指摘されるまで白切るような行政ならばいままでもたんとあっただろう 知っても何もしない動かないのが行政たるゆえんか 手配師たちの金欲を満たす慣れあった業務委託も許される   政治家も企業に便宜を図って身を肥やす バレれば離党して党籍離れる 出処進退は個人の問題と党の総裁ほっかむり 馬と金の問題は男の甲斐性と嘯くのか 贈賄をした者から噓がバレて身上を失う 手配師は風を読み切れなくて自壊する 自前といって憚らない公金意識の希薄な議員と いっそ東京タワーの前で万歳をしてはいかがだろうか   ※ 電通グループ子会社の電通北海道が、道から受託した新型コロナウイルス対策関連のコールセンター業務で約1億5800万円を過大に請求していたと発表した。…事実と異なる請求で不当に多い額を公金から引き出したことに変わりはない。原資は税金だ。公的事業を担う資格があったのか疑わざるを得ない。行政からの受託業務に対し、再委託や外注を繰り返す電通の手法は、中小企業を支援する持続化給付金事業でも見られた。道の管理の甘さが問われる。電通側に厳しく対処するとともに、問題点を洗い出す必要がある。そもそも委託業務の再委託や再々委託は、受託業者が仲介料だけを得る中抜きが起こりやすく、委託...

しぶといやつ

シャーボが見つかった 使い古したボールペン もう 15 年の付き合いになる   愛着があるのか ただ捨てられないのか 落としにくいのか しぶとく生き残る   ここ数ヶ月行方知れずになっていた 袖机の書類箱から明日の資料を探した ゴソゴソやって箱の底にいたのを見つけた 資料に紛れ込んでいたのだろう なぜかホッとした   少し高めのボールペンをいくつも買った ペンケースにも筆立てにも収まっている ただこのシャーボだけは存在感を主張する 手元にないと何か落ち着かないのだ 毎日使うわけでもないのにも関わらずだ   替え芯は文具の専門店まで地下鉄に乗って買いに行く 手間のかかる面倒くさいやつだ なきゃないで諦めもつくのだが失踪原因が不明だった 外に持ち出して落とすのなら納得もいく 持ち出した形跡すらなく部屋中を捜索しても見つからなかった それだけに発見した瞬間ニヤリとした   関西の小さな文房具屋で3割引で買った安物 ジャケットの裏ポケットにいつもいた ブルーのボデーは傷も少なく健在だ 登別にはこいつを久しぶりに同伴させよう こいつにはもったいない気がいつも勝つ   安価なこいつをジャケットに差し込んだ もしもの時のダメージが軽く済む その適役がこいつだった だがしぶとい!   [2023 年 8 月 9 日書き下ろし。何せ置き忘れたり落としたりとモノをなくすことが多い。さらの置いた場所すら忘れてしまう。こいつにこだわるのもご愛嬌か ]

求めると求めない

求める あの人なら大丈夫 力を持っている やってくれると信じてる   何を根拠に言い切れるのか 過大な期待に押しつぶされる どんな力を求めているのか 漠然とした思い入れが怖い   求められる 何をしてほしいのか 出来ることと出来ないことがある 安請け合いはプレッシャーになるだけだ どこかで妥協して自分をごまかす 為せぬ自分に見切りを付ける機会となる   求められない これもこれで困ってしまう 無用の存在になった気分に陥る 存在そのものを否定されたような気分だ どうでもいいように扱われるのも癪に障る なぜか求められるのを待つ自分がいる   求めない そう割り切れば気楽になる 認められなくても別にいい 自由気ままに生きるのがいい 世間のしがらみからさよならできる そこに至るまでの覚醒が心地いいかもしれない   果たして求めない生き方は可能なのか     [2023 年 8 月 8 日書き下ろし。人は相手に求めることを当たり前にする。求められる困惑を感じながらも、委ねる。そこで信頼関係が築かれる。果たして求めない生き方はできるのだろううか ]