きずなシンポジウムを終える

30度を超す登別は暑かった

クーラーのない会場に120名の市民が集まった

しんたの多目的ホールは満杯になった

窓を全開し扇風機が所々に置かれ熱風を運ぶ

 

きずなシンポジウム

テーマは「わたしをうごかすもの」

主役は4人の実践者

オープニングに『わたしをうごかすもの』(Blog88up)を朗読した

 

一番手の連町事務局からは津波発生時の避難行動に関して発表された

モデル地区で実施した避難訓練から見えた課題

行政の画一的な対象者の線引きでは対応できない実態

要支援者の身体状況やサポート側の人不足

徒歩で高台の避難所まで行き着けない人や

冬期間の非難手段や鉄道を挟んでの少ない避難経路の問題

てんこ盛りに山積みされた減災方法に頭を悩ます

日頃の近隣の関わり合いを強調しても老々支援の限界も見られる

高齢化が進む地域では自助も共助も弱くなる一方だ

助けてという声に駆けつけてくれる人がいるのか

要支援者の取り巻く人間関係を洗い出しておかなければならない

そうしなければ特定の誰かに救助の負担を強いることになる

町内会の役員も民生委員もレスキュー隊ではない

それでもなお究極の助け合いが叫ばれる

自助や共助に依存するだけではなく

責任を負わす風潮はあってはならない

厳しい現実にどう向き合うのか

防災に強い地域づくりは日々の暮らしの延長線上にしかない

 

次に登別温泉地区の町内会の役員からの発表

そこに住み暮らす高齢者には買い物難民が生まれていた

コロナ前に市内の福祉施設の社会貢献活動の一環として

買い物を支援する送迎バスの提供が棚上げされた

町内の高齢者の実態調査から利用する対象者を割り出した

自家用車で対応している人もいずれは利用を希望する

知人や親類によって維持されている状況も改善されていくだろう

施設は車両と運転手を負担する

添乗員の手配はどうするのか

週の運行計画や送迎人数の割り振りもこれからだ

観光客で賑わう温泉街の周辺に普通の暮らしがある

買い物支援することで頑張れる人が命をつなぐ

きずな計画を進める社協のたゆまぬ努力が結実する

他の福祉施設もその社会的資源を地域に有効に提供してほしい

温泉地区の取り組みが良き前例として動き出すよう

そう願わずにはいられない

 

三番手はもっとも厳しい暮らしをしている人に寄り添う民生委員

個人情報を遵守する立場から制限を余儀なくされた事例を紹介した

水を止められお風呂にも入れぬという情報を得た

その家族へのアプローチは外灯がきっかけで訪問する

経済的に困窮していた家の外灯がつきっぱなしだった

家庭の事情を聞き取りしながら地区の民児協や社協そして行政につなぐ

生保の条件を満たさず時間をかけて就労支援をしてきた

いま立ち直りの気配を見せているという

母親を老老介護していた親子がいた

母親が亡くなり焼き場で子と二人でお骨を拾った

間もなくして子が亡くなった

一人で後始末をしなければならないのかと途方に暮れた

そのとき役所の福祉課の職員が数人休日にも関わらず飛んできた

なぜか報われた思いがして感謝の気持ちでいっぱいになった

最期の始末まで民生委員はするのかという素朴な疑問

民生委員という役割以上に関わった人に人間としてどう添うのか

その究極の姿がここに見て参加者は驚いたことだろう

行政もまた身寄りのない市民の死に方について学んだことだろう

暮らすということの安心と安全が福祉行政の本筋だとすれば

その人の身の振り方としての死に方にも福祉が問われる事例だった

 

最後に子ども食堂の運営についての発表だった

登別更生保護婦人会が子ども食堂がない空白地区に開設した

登別駅前の新築ビルの2階で月1度オープンする

20から30名ほどの子どもらや保護者が集まる

賑やかな食堂の様子を語ってくれた

子どもの健全育成こそ会の目的と合致する

フードバンクからの食品の提供や寄付をいただき

持ち出しで苦労した資金の工面にも目処が立った

どんな企画やメニューで楽しませようか

いまは子どもらの笑顔が見られることが喜びとなった

登別更生保護婦人会は市内にメンバーが散らばる

そこで子ども食堂開設日はメンバーが集いサポートする

地域の人がという限定された活動ではなく

市内という広域的に問題を捉え直し足りない事業を補強する

校区という地域性に固執せずに実現された意義は大きい

きずなの校区計画の隙間をしっかりと埋めてゆく

町内会という組織の機能が落ちてきてところもある

横断的にフォローする団体や活動が求められることも念頭に置きたい

その先駆けとしても重要な意味を持つ子ども食堂であった

 

4つの事例から当たり前の風景として映っていたものを

ちょっと視点を変えると助かる人たちがいる

そこに輝く人たちがいる

昨年8月道民児連主催の全道児童委員活動研究集会で披露したメッセージ

『熱きまなざし』(Blog23817up)をまとめとして朗読して終えた

 

[2023812日書き下ろし。10日暑い午後だった。話題も熱く伝わった。参加者は自分のいまをふりかえ確かめるように家路についた。活動は特別なことでも特別な人がやることではない。市井に暮らす身近な人なのだと。きずな計画はその道標であってほしい] 

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