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今日は心晴れ時々笑い声

今日は晴れ 幼子に会える それだけで心が弾む   講堂に集まった年少の愛らしさ 年中さんも元気がいい 年長さんはお利口さん   魔女になった副園長先生のお話 ハロウィーンの逸話を語る ハロウィーンは魔物に襲われないよう化けるのだと 集中して聞き入る子どもら 怖いときには声を上げる 今度はハサミを取り出して紙切りを始める カボチャとコウモリを切り出すと歓声が上がる   出し物は先生方の小劇場 イベントの度に用意する 魔女とドラキュラとミイラ男が登場する 舞台から下りて人間の子を捜す お化けの仮装をしている幼子はみな大きな声を上げる 講堂いっぱいに楽しげな声で満たされる カボチャのパイを焼く魔女は大きなカボチャを持て余す コウモリの助け船で 3 人でカボチャを抱えてようやく料理する 焼けた大きなパイを披露してジエンド 幼子も小一時間愉しんで教室へと戻っていく 着ていた衣装は保護者がそれぞれに工夫を凝らしたものだった 顔に魔女のペイントをしていた子と目が合った 恥ずかしげな笑顔が印象的だった   明日から 11 月 次の大きなイベントは生活発表会 本番当日は根室標津で仕事中 だからリハーサルの日にお邪魔する 先生と親との共同作戦で楽しい会が始まるのだろう 幼子を真ん中にした保育の世界に魅入られて会いに行く 教育の初期の発達段階を学び直す大事な現場に触れる 受け入れられることに感謝しつつ心の晴れの日を待つ   〔 2024 年 10 月 31 日書き下ろし。発寒にこりんこども園にお邪魔した。吉村幸子園長先生と佐藤亜美副園長には感謝しかない。保育談義に花を咲かせてつい長居してしまった〕

キッチンリフォーム

母がキッチンに立つ 何十年もその後ろ姿を見てきた 当たり前の日常の風景だった   老いはキッチンに立つことを拒んだ 料理する意欲が湧かなかった 80 を越えた身体は悲鳴を上げ始めた   買い物に出て転んだ 足は腫れ上がりブス色に変色した 痛みが続いたが幸いにも骨は無事だった   痛い痛いと庇いながら立ち歩く ただ朝食だけは欠かさず作った 長い習慣からか夫への献身だった   母と相談しながら娘はリフォームする 大勢の家族の食事を作ってきた母の苦労を回顧する 二人で真新しくなるキッチンを嬉しそうに眺める   食器も鍋も 3 人家族では持て余す 娘は母が納得して整理することを促す 独断では処理せず同意を求めつつ心に添う   母がキッチンを使う時間は限られている 新しいキッチンで母の料理を食べたい 一緒にに立つ姿を見つつ父がビールを呑む   今日ようやくリフォームが終わった キャンプ生活から解放される両親の笑顔が嬉しい 娘は心のリフォームをしつつ 3 人での暮らしに幸せを見る   〔 2024 年 10 月 30 日書き下ろし。老両親と同居する娘はいまを大事に生きる〕

保育に生きる世界

溌剌とした空気感がいい 颯爽とした様子もいい 無双な環境がさらにいい   世に命のほとばしるど真ん中に生きる 幸せを共に育む真ん中を生きてきた 無償の愛をど真ん中に幼子に注いで生きている 羅列すれば保育のど真ん中を真っ直ぐに生きる   にこっと笑う幼子に心が和む 困ったようすの幼子に心が揺れる 凜とする眼力の幼子に心が掴まれる   幸いなるかな求められ求めて人を得た 小さき瞳に魅せられて純心を持ち続けた 壊れそうな命のぬくもりを護ることを天命とした   子どもの園は今日も明るい声がする どの子も安心して心も身も遊ばせる もっと何かできるもっと何かしてあげたい エンドレスの保育は幼子がど真ん中に育つ世界だ   〔 2024 年 10 月 28 日書き下ろし。ドロドロの政治の世界の忌まわしさを忘れる。 31 日ハロウィーンの様子を見に幼子に会いに行く〕  

神も仏もいるのか

神も仏も信じない どんだけ祈っても叶うわけがない 所詮宿命には抗えない 生きるも死ぬも運任せ 頼るはこの身ひとつだけ   神も仏もいるわけない どんだけ願っても叶うわけはない 所詮運命には刃向かえない 生きるも死ぬも俺次第 やりたいおもいはひとつだけ   神も仏も棄ててきた どんだけ悔い改めようと叶うわけがない 所詮信心には疑い深い 生きるも死ぬも一発勝負 貫く信念ひとつだけ   神にも仏にも嫌われた どんだけカネを積んでも叶うわけはない 所詮利権がらみは欲深い 生きるも死ぬも人次第 不信に克てぬひとつだけ   神も仏も信じれば救われる どんだけそう念じても叶わなかった 所詮人徳薄い人でなし 生きるの死ぬのと騒ぎすぎ 誠意なぞひとつもなかった   神も仏も騙されなかった どんだけ称えても叶わなかった 所詮でまかせ中味なし 生きるの死ぬのと覚悟なし 尊ばれることなぞひとつもない   〔 2024 年 10 月 28 日書き下ろし。衆議院選挙で候補者の事務所にはダルマが並ぶ。必勝祈念はついえたか。落選者の悔悟はいかに〕

半分は寝ていた

27 日衆議院選挙が終わった 与党の過半数割れが確定した 刷新はなるのか不確定だ 野党の共闘もままならず混乱は本格化する 利権獲りの策略が始まった   推定投票率は 53 ・ 72 % ( 共同通信速報 ) 半分近くは寝ていた 選挙にも行かず結果を評する者もいるだろう 政治には無関心を装いしっぺ返しを被るだろう   昔寝てくれといった某政治家がいたが現実になった 政治が政治家がそれだけ蔑ろにしてきた見事な成果だ 選挙に行けばもっと辛辣な結果が予測されただろう 寝てしまった者たちを起こすことすらできなかった   国民が愚民化してゆく 国民を隷属化してゆく 国民を愚弄へと教化する 国民の半数はただ憤りの唾を吐く   棄権で自ら表明する意思を破棄した 棄権で自ら信義なき者を国会に送った 棄権が自ら責任を負うことに無頓着だった 棄権は自らの首を絞めることに未自覚だった   投票に行けぬ人とは違う 投票にも行かず結果を嘆くのは無意味だ 投票を否定し結果を論ずるのは無責任だ この国で唯一公平なのは選挙権しかない その一票を投ずることもなく不安な明日を迎える   意思する棄権は政治に対するアンチテーゼでもある 民意が反映したとは決して言ってはならない 〔 2024 年 10 月 28 日書き下ろし。半数近い国民が棄権する異常な国が日本だ。この現実にこそ政治家は向き合わねばならぬ〕

父國一を想う

苦悩と苦難の青春だった 逃げられないと腹をくくった 樺太静香から本土に単身渡った 数え年 17 歳の軍国少年だった   戦うこともなく敗戦した 傷心の 19 歳は親元に帰った 引き揚げてきた登別では老父勢吉がいた 勢吉の妹は静香で置屋にいた 妹タケは食い扶持を求めて鵡川で後妻に入った   鵡川の叔母を訪ね漁師をした 荒んだ心の吐きどころを欲していた 21 の時嫁をあてがえば落ち着くだろう 老父は樺太で気性を知った娘を呼んだ 大阪に戻っていたユミ子は赤い服を着て嫁に入った 富士製鉄(日本製鉄の前身)の薄板工場で働いた 酒を浴びるほど呑みながら運命に抗った ネガティブな感情は抑制できなかった ユミ子は流産した その後すぐに妊娠して俺を産んだ 22 歳の青年は父親になった 男気だけは溶鉱炉の現場で下の信望を得ていた   俺は 75 歳を数えていた 父國一が鬼籍に入った 74 歳を超えた 世界恐慌が始まる 2 年前の 1927 年に生まれた 激動の昭和初期に幼少期を過ごした 太平洋戦争の開戦は多感な少年の一生を狂わした 存命していれば今日 97 歳になる   不遇な軍国少年の慈愛の深さを知った 娘琴代が交通事故死したときに一人泣いた その情愛は俺にもきっと流れていることだろう 生き残ったからこそ俺がいる 感謝しかない   〔 2024 年 10 月 26 日書き下ろし。父の誕生に想いを馳せる〕

胸騒ぎ

虚しさを感じるのはなぜか 何か不吉な予感に抗えぬ さもしい欲と利権が顕わにされる 疑義は残され胸騒ぎが強まる   正義の実現は可能なのか 政治への不穏な空気に落ち着かぬ 虚偽と非難の応酬が苛立たせる 期待は外れ胸騒ぎは増すばかりだ   噓がなぜ説得力を持つのか 真実を矮小化して未来を閉ざす 確証も納得も無視される 何を制裁すべきか胸騒ぎは止まらない   安心安全の神話は崩れるのか 不安が動揺を生み明日を曇らす 分断は格差をさらに広げ深める 何が歯車を狂わしたのか胸騒ぎは続く   〔 2024 年 10 月 26 日書き下ろし。衆議院選挙が明日に迫る。不安定な政情が始まるのか。米大統領選挙も僅差の勝負だ。世界の行く末にも不安は募る〕