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薬品が届かない

マリウポリの病院の窮状がニュースで流れる 病院の窓ガラスは爆風ですべて割られている けが人で廊下まで溢れ電気も水も薬も足りない 緊急手術もままならないまま重症者は次々と危機に陥る 妊婦は戦火の中を1ヶ月避難できず自宅で待機していた 病院まで歩いてきて 4 日前無事出産したが安心はできない   ウクライナ放送は各地の悲惨な状況をリアルタイムで流す SNS で送られてくる画像は戦火で苦しむ人たちだった ロシアの狂気は無差別攻撃で都市を破壊し命を脅かす 各地で避難できない住民たちは大きな犠牲を強いられる 視覚障がい者は不便さから避難を拒み住み慣れた自宅で耐える   今朝国際赤十字の病院が爆撃されたと報道された 水も食料も薬品も運ぶルートがロシアに寸断される 兵糧攻めで大量殺戮を企て絶望させる悪魔の作戦展開中   ロシアを批判するばかりで各国の救援の手は滞る ウクライナを支援する資金を出しても物資を運送できない 物流システムが機能不全を起こしている いかにかいくぐって物資を届けるのか   本当にルートがないのか 情報戦の裏をかき 道は必ずひらけるはずだ 国連は国際条約や国際法を侮るロシアへの断固たる態度を示せ 国連の旗を立てて 物流ルートを確保せよ 国際赤十字は為すべき使命を果たさねばならぬときだ ウクライナの病院すべてに赤十字・赤新月の旗をなびかせよ   ウクライナとロシアの停戦協議は続く ロシアは自国民にさも有利な交渉情報を流し続ける 情報統制下にある国民は鵜呑みにしてプーチンを支持する 今日もまた新たな柩が母の元に送られてくる   〔 2022 年 3 月 31 日書き下ろし。「バチェレ国連人権高等弁務官は 30 日の国連人権理事会で、ロシア軍のウクライナでの戦闘行為に関して、戦争犯罪に該当する可能性があると警告した。ロシア軍の攻撃で50カ所の病院が被害に遭ったと明らかにした(AFP通信)」。卑劣にも病院を攻撃するのは戦争犯罪そのものである〕

廣瀬爽彩さんといじめ認定

明日が来ることはなかった 十三歳の少女はひとり悩み続けた 広い世界にたったひとりぼっちだった 悲しみの涙は涸れることなく凍り付いた 厳冬の公園で私という存在を自ら消した   生きたかった そのサインを平然と周りの大人は無視した 自分がなぜこんな目に会うのかわからなかった 悪童たちは平然といじめ抜いた 目を付けられて言いなりにされ怖くて逃げ出せなかった 教師は悪ふざけが過ぎたと軽くいなした 死んでもなお心ない言葉にさいなまれる母がいた 人の不幸を弄(もてあそ)ぶ者たちには法の裁きが待っていた   ひとりで闘う母にいじめではないと学校は相手にしなかった 労をいとわず認定までこぎつけた母の一途さに比べて 責任を回避した市教委や学校の姿は惨めなものとなった その一念が通じた「いじめ認定」だった   学校の教師たちと市教委はどうケジメるのか 散々否定してきたことにどう ケリをつけるのか おかしたことの代償をどう払うのか マニュアル通りの善後策で矛先を収めるつもりなのか   裁判に持ち込むことも可能となった 隠蔽されかけた自死に教育者こそ向き合わねばならない 事実を真摯に受け止め再出発の機を逃がしてはならない 無駄死に思えた爽彩さんの生きたいというおもいを受け止めたい 明らかにすることだけが爽彩さんの死を悼むことになる そこからしか始まりはない   教師が目の前の子らをあたたかく受け止める限り 子らの安全と安心は守られてゆく 風化させてはならない学校と教師の責務を問うために 毎年爽彩さんの自死を目の前の子らと考えよう 教師と子らの信頼をどう築くのか それが学校という教育の場ではないのか そこに子どもの成長をともに喜び合う共育がある   改めて廣瀬爽彩さんのご冥福を祈りたい 遅々として進まなかった事件の真相解明を求めたい   〔 2022 年 3 月 29 日。道新記事「旭川市の廣瀬爽彩さんが凍死した問題で、市教委の第三者委員会が 27 日、いじめを認定したが詳細を明らかにせず、報道機関向けに300字足らずの発表をするだけだった。…第三者委の辻本純...

希求と信頼を胸に継ぐ人となる

いま為さねば成らぬことを   明らかにしなければならない 誓いの碑を心ある者たちと   分かち合わなければならない 変わらぬこと変わらねばならぬこと変えねばならぬことを   見極めねばならない 和を重んじる心優しきリーダーは   心の芯の太さで己を律しなければならない   真剣に向き合う真摯な態度と新しきことに   果敢に挑む姿勢に 偈に「和顔愛語」の心を継ぐ者としての   心意気を感じよ 始まりは先駆者にして僧籍を持つ方との出会いにご縁を結ぶ 縷(る)の如き細き糸が   見事に編まれて太くなる 信頼と期待に紡がれた糸は   新しきひと模様を織り始める   凜として立ち振る舞い   時に孤高を持する者となる 自重を課しつつ自律を促し   前面に立つ者となる 衆議一決を尊重しつつ   時に専断の場に臨む者となる 任ずべきことに重責を負いながら   人材を育てる者となる 祝すべき業績は   常に職員の手に返し共に喜ぶ者となる 苦楽を共にすべく   利用者のおもいを一心に受け止める者となる すべては一心にあり   その一存が法人の道を新たに導く者となる   幸せを創造する者として   希求の道を拓かれんことを 終わりの始まりを託された者として   未知なる世界に挑まんことを 逞しくそして繊細にかつ大胆に進む者として   胆力を鍛えられんことを 久遠劫よりつながりし   「因縁諸生法縁欠不生」の法を説かれたことを すべて「和顔愛語」の心に体現させて   荒ぶる大海に高く帆をあげよう   ※偈(げ)〔梵 g a th a の音訳「偈陀 (げだ)」の略〕①経文で,仏徳をたたえ,または教理を説く詩。多く四句からなる。「諸行無常,是生滅法,生滅滅已,寂滅為楽」の類。偈頌 (げじゅ)。伽陀。頌文。 ※縷(る)糸すじ。細い糸。糸のように細く続くもの。ぼろ。詳しいこと。こまごま。 ※久遠劫(くおんごう)〘仏〙 無限に遠い過去。「久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里/歎異抄」   〔 2022 年 3 月 29 日、某社会福祉法人の新しきリーダーの時代が始まる〕

先生になりたい

「大きくなったらなにがしたい?」 「将来は先生になりたいです」 「どうして」 「先生は未来に触れることができるからです」   先生の仕事の本質とその魅力を簡潔に表現する 賃金だ時間だと労働環境が巷で論議される 待遇を改善すれば教員が集まるとは さもしい限り 若い労働力のパイの実が小さくなる中人手の奪い合いは続く   崇高なおもいは誰も持ち合わせてはいない 指導要領に則った外れぬ公教育をすれば済む 教育哲学は誰も持ち合わせてはいない 授業の仕方と子どものあしらい覚えれば済む 教師の本質は誰も知ろうとはしない 労働者であり就労環境さえ整備されれば済む   未来よりも目の前のことで精一杯 未来のためと嘯(うそぶ)くだけで精一杯 未来に触れるなど一笑するだけで精一杯   教師の本質すら見出せぬ者たちが闊歩する 教師の本業すらないがしろにする者たちが息巻く 教師の本分すらわきまえぬ者たちが大手を振るう   己もまた未来に触れる教師とはなれなかった 過去におかした数々の過ちは子らの未来を小さくした 過去におかした様々な醜態は子らの未来を妨げてきた 過去におかした実践の貧しさは子らの未来を歪ませた   ブータンの山の小さな学校の子らの澄んだまなざしに 後悔の念が鮮明に甦(よみがえ)る 教師としての才覚のなさがいたたまらない 継がせる人としての責務のなさが許されない 人間としての度量のなさをひたすら悔いる   〔 2022 年 3 月 28 日書き下ろし。アカデミー賞ノミネート外国長編作品「ブータン山の学校」予告編を見た。後悔を伴いつつ心動いた〕

こころ揺れるままに

こころ揺れるままに 身を委ねてみるといい こころ揺れるままに 抗うことなく素直になるといい こころ揺れるままに 収まるまでしばし待つといい   こころ揺れてこそ 生きることへの躊躇 こころ揺れてこそ 生きることへの苦悶 こころ揺れるがゆえに 生きることへの渇望   日々こころの揺れを楽しむ 生きている実感のバロメーター 日々こころの揺れを抑える 生きていく自制力のバロメーター 日々こころの揺れを思惟する 生きぬく生命力のバロメーター   〔 2022 年 3 月 28 日書き下ろし。こころが揺れるがゆえに生きている実感を日々味わう〕

ともかく日々精進

ともかく本を読む人である 年間の読書量は半端ない 推理小説から歴史書 時事評論 哲学 エッセイまで幅広い 特に福祉には造詣が深く その道の人でもある   ともかくいまを読む人である 古き良き政治家らとの交流も鮮明に語る 手厳しく小粒の政治家と政策を論破する ロシアのウクライナへの侵攻の失政を鋭く突く   ともかく考える人である 時に大胆に 時に慎重に判断し動く 枕元にメモ帳を用意して 閃(ひらめ)きを書き残す 失敗を恐れず新しきことにチャレンジしてきた   ともかく人のよい人である 相容れない人でも懐に入れる包容力がある 人を信じることを恐れない胆力がある 争いを好まず取りなす寛容力がある   ともかく先を読む人である 時代の趨勢を読み切る感度がいい 厳しい老人福祉の今後を見すえてきた 生き残り戦略を見通していまを創る   ともかく歩く人である 一日8000歩 体力維持に精を出す 吹雪いても雨が降っても風が吹いても 日課は地道にクリアする やると決めたらやり抜く頑固さがいい   ともかく人が集まる人である 心許す人たちが裸にされる 企ては見抜かれて去るしかない 素直になることで安堵感に満たされる   ともかく忙しかった人である のんびりといこうや ふたりでそうすることにした 4月からはようやく老後となる   〔 2022 年 3 月 28 日書き下ろし。八十を過ぎても現役だった。ようやく人並みの老後を迎える。これからはのんびりと自由なことをしてほしい〕