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ラジオ出演した夜

10 日夜 8 時 15 分から 30 分までの 15 分間 ラジオで詩を朗読した   小橋亜樹のわくわくワンダーランド ゲストに呼ばれた 娘つながりで焼酎を片手に夫婦で家に遊びに来た   酒豪で豪放磊落な姉御肌のイメージは素か 独特の繊細な美意識を持つ芸術肌を併せ持つ 11 月娘とユニット「 duex rats 」でライブをやらかす   何の打ち合わせもなくぶっつけ本番 一編の詩を読むことだけがリクエストだった リスナーの傾向もわからず臨む   しゃべりは 2 つの話題を用意した 一つは道民児連の仕事で民生委員の初任者研修 詩を使った全国でも例のないワークショップとその評価を語る   その流れで詩は「ありがとう」を朗読した ウクライナばかりではなくイスラエルでも起こった 戦火の中悲しき破壊を殺戮が衝撃的に報道される ありがとうの言葉を失ったとき人は人間性を失う   二つ目に関わる福祉法人のコロナウイルスとの闘いをあげた 2020 年道内に感染が広がった初期の特別養護老人ホームでの取り組み 介護士たちの悩みと苦しみの半年間を『検証』という本にまとめた 全国で最初の介護現場の現実を突きつけた実践記録でもある コロナ禍に挑んだいのちを護る介護士たちへエールを贈った いまもまだコロナは収束せずインフルエンザと共に静かに襲う 「無上なるもの」を朗読した   その勇気は 信頼という名の無比なるもの その決断は 確信という名に無二なるもの その行動は 信託という名の無我なるもの そこで為される介護ケアこそ 共存共生という名の無上なるもの   15 分という時間はあっという間に過ぎた リスナーからの好意的な反響もあった様子 ラジオ出演に家族も知人からも好評を得た こころおきなく語れる機会があると面白い 2 回目があれば教育を語らねばならないかと   [2023 年 10 月 11 日書き下ろし。普通のラジオ放送とは違って PC やスマホで聞くので、楽しみにしていた師(『検証』の発行人)の家族は設定に戸惑い聞き漏らした。今...

ぶっ飛んださいたま

埼玉県議会の県虐待禁止条例改正案にぶっ飛んだ 子どもに留守番させる 町内会の会合があり同伴できず留守番させる 子どもだけで登下校させる 放課後児童クラブから一人で帰宅する 子どもが一人でお使いに行く 親が風邪を引いたので薬を買いに行く 子どもだけで公園で遊ばせる 夜間上の子の塾の送り迎え時下の子が寝てしまったので留守番させる 18 歳未満の子に子どもを預ける スーパーで車内に子どもを残して買い物に行く 不登校の子どもを置いて買い物や仕事に行く ゴミ捨てに行くために留守番させる 近所の人とおしゃべりしてて家で子どもが一人でいた まだまだ事例は浮かびそうで切りがない   ひとりぼっちにしない 必ず大人がそばにいる 4 日過半数を擁する自民県議団が改正案を提出した 6 日福祉保健医療委員会が賛成多数で可決 13 日議会最終日に採決され可決の見通しだという   「住居その他の場所に児童を残したまま外出することとその他放置」 改正案には禁止行為についてこう書かれている 自民の小久保憲一県議は提案者を代償して質問にこう答えた 子どもだけの登下校や短時間の留守番も禁止行為 子どもの安全が確保できずすぐに駆けつけられないのは放置 罰則は設けないが小 3 年以下は放置を禁じる 小 4 年から 6 年は努力義務とし県民には通報を義務づける   自民県議団の田村巧実団長は記者団にこう語った 「日本では留守番や低学年児童だけでの下校が虐待に当たるという認識が希薄。親が頑張らなきゃ行けない部分も増えるかもしれないが、いまの状況が非常に危険だということを再認識し、自分の家庭を見直して意識改革をしていただきたい」 数にものを言わせて審議もせずにゴリ押しする 留守番まで虐待とは一体だれが思いついたのか PTA も全国からもぶっ飛んだ条例に待ったがかかった   現実と乖離した条例改正案は取り下げるよりなかった 子どもの虐待や置き去りに警鐘を鳴らしただけだった 賛同した議員たちの名簿も公表された 全国に恥をさらし県民の反発をここぞとくらった   問題は埼玉だけではなくこういうてらいの者たちを選...

The lesser of two evils

The lesser of two evils ふたつの悪のうちより悪くない方 「まだまし」を意味する英語の慣用句   どちらを選ぶのか このまま札幌五輪 30 年開催誘致を続けるのか それとも延期して次の 34 年に声を上げるのか   30 年誘致は札幌市民の支持は広がらず期待外れ IOC も搾り取るものを失いそっぽ抜く JOC は IOC の言いなりで政治力は皆無   事態は悪い方に動いていた 誘致に負けると判断した 競って負の印象を残してはならない 延期というメッセージでこの場を凌ぐ 34 年開催に手を挙げる苦渋の選択をした 屈辱を回避するまだましな方を選んだ 雪辱を期すには気運を失うミステーク   中止や白紙の選択は拒否 誘致運動で浪費した 34 億円は延期でさらに上積みされる 選挙に響く財界へのメンツが立たない大失態 公約し議会の承認も得た案件は潰せない事大主義 政治生命を賭けるにはお粗末な時代錯誤 市会議員にも是か非かはっきりと表明してもらいましょう   五輪誘致の目的が経済振興とは正直にもほどがある 開催後負債で経済が迷走した他都市の事実に目をつぶる ぼったくりの IOC の口車に乗って興業主を気取る浅はかさ 東京五輪の不始末は儲け話に花が咲いただけのこと   まだましだと恥ずかしい言い訳はもうやめよう 断念してまだましな現実の課題に注力しようよ 取らぬ狸の皮算用は札幌には似合わない 五輪誘致で描いた夢物語は惨めたらしく醒めていく   [2023 年 10 月 8 日書き下ろし。 34 年って、秋元さんまだ市長してる? 岸田さんだって無理。ここで断念する方がよっぽど評価が上がる。そうしなよ ]

クラスに笑いがある

クラスに笑いがありますか いつもあります いっぱいあります みんな笑顔が大好きです   クラスは笑うと元気になりますか 失敗してもはね返します プレッシャーもはじき返します みんな笑顔で応えます   クラスは笑うと明るくなりますか 喧嘩してもくよくよしません 何か違っても当たり前です みんなの笑顔は同じです   クラスは笑うと楽しくなりますか 勉強もそれなりによくわかります 運動もそれなりによく頑張れます みんなの笑顔が背中を押します   クラスに笑いがなかったら… そんなこと想像できません それこそ生き地獄です みんなの笑顔で救われます   クラスが笑いに包まれる 一人ひとりの笑顔が眩しい 一人ひとりの心が満たされる 一人ひとりが勇気と元気をもらう   [2023 年 10 月 7 日書き下ろし。笑うということ。涙流しながらも笑う。やり切れなくても笑う。そこに一緒に笑ってくれる友がいる。そんなクラス子どもは憧れる ]

たぎるおもいと熱い心

あのたぎるおもいは一体どこにいったのだろうか 穏やかな時の流れに身を任しただけか あのたぎるおもいは一体どこに棄てたのだろうか 関わることを拒んだだけか あのたぎるおもいは一体どこに消えたのだろうか 老いることの自覚を促しただけか   あのたぎるおもいはもう二度と蘇らない 情動を抑えなければならなくなっただけか あのたぎるおもいはもう二度と湧き上がらない 残り火を焚きつけておくだけか あのたぎるおもいはもう二度と心を満たすことがない 身を焦がす衝動に耐えきれなくなっただけか   あのたぎるおもいはどこから来たのか いまを生きることへのやみくもな熱情か あのたぎるおもいはどこに向かおうとしたのか ともに生きたいというかけがえのない愛か あのたぎるおもいはどこで消え去るのか よりよく生きたという確証の果てか   たぎるおもいは熱き心を焚きつけた 喜びと悲しみも怒りと憤りにも 希望と願望も失望と失意にも 期待と信頼も虚言と裏切りにも 評価と成功も非難と失敗にも 憧憬と敬意も嫉妬も無恥にも   たぎるおもいに熱き心は決して萎えない 唯一無二の存在であることを自覚させる 自分らしく生きることを求め続ける ともに生かされていることを実感させる   [2023 年 10 月 7 日書き下ろし。老いる身だからこそ熱き心を萎えさせてはならない ]

教師とは

忘れ去られる存在でいい 子どもに何か残したかもしれない 子どもに何か与えたかもしれない 子どもが何か感じたかもしれない   教えることの未熟さを恥じるがいい 子どもに真剣に向き合ったのか 子どもと学び合う喜びを知ったか 子どもが助けて支えてくれていたか   子どもの成長を追い求めてきたのはいい 子どもの潜在能力を引き出したか 子どもの情感を真摯に育んできたか 子どもの意欲を目標に導いてきたか 子どもが自己肯定感を強めてきたか   子どもと笑い涙したのもいい 子どもの湧き上がる知欲に応えたろうか 子どもの好奇心を満たすことができただろうか 子どもと汗かくことを厭わなかっただろうか 子どもとの信じ合うことは確かだったろうか   怠惰な教師であったことは否定しない 子どもとの挑戦の日々を決して忘れない いまだ多々悔いることを否定しない 批判されても失敗を糧にして走り続けた 学校の常識という壁をぶち抜いたことは否定しない おかしい許せないというおもいが改革への道につながった 人としてのあり方を学んだことは否定しない 福祉とボランティアの学習は間違ってはいなかった 教師とはどんなに魅力がある仕事なのか否定できない 人をして人間たらしめるものは何かを追求したい いまだその解に至らず教育の世界の深淵にたじろぐ 忘れ去られる存在であっても子どもらに恥じぬよう生きたい [2023 年 10 月 6 日書き下ろし。父國一の 23 回忌である。教職の道を進ませていただいたことに深謝し合掌 ]

職員室の空気

職員室の空気が苦手だ 笑顔で挨拶されることはまずない 冷たい視線で畏縮させる 陰気くさい空気がまとわりつく   どこの職員室も空気は変わらない 一瞥してさも仕事中というふりをする 用事のないものは入室してはならない セキュリティを優先した特別な空間なのだ   職員室の空気は潤うことがない ときに殺伐とした風が吹く 子どもをいじる話題で盛り上がる 選ばれた者たちの閉ざされた空間なのだ   職員室の空気は威圧する 不安な子どもの入室を拒む 不安な親の入室を阻む 不安な親子にはおもいを削がれる空間なのだ   職員室の空気に抗えない 異動で人が入れ替わっても変わらない 醸し出された風土は連綿と受け継がれる 社会と隔離された異質な空間に順応する   職員室はやる気のない空気に流される 借り物の知識を後生大事に教え続ける 当たり障りのない言動で身を守る 飾りの教育論が虚しく空間に朽ちる   職員室はネガティブな空気に満ちる 出る杭は打たれるしかない 空気をかき混ぜてはならない 打たれ強い杭が空間に孤立する   [2023 年 10 月 5 日書き下ろし。学校がなぜ外部の人間を必要とするのか。職員室の空気が淀んでいる ]