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3月, 2026の投稿を表示しています

心のとげ

だれでも心にとげがある  言い知れぬ悔いがとげとなる 忘れられぬ失敗がとげとなる 己への裏切りがとげになる   だれでも心のとげに苦しむ 相手への妬みがとげとなる 相手への憎しみがとげとなる 相手への仕打ちがとげになる   だれも心のとげを抜けぬ 刺さったとげは忘れられぬ悔恨 刺さったとげは背負い続ける自責 刺さったとげは自戒する恩讐   だれしも心のとげから逃れられぬ とげは無恥なる心の疼痛 とげは卑しき心の戒め とげは悪しき心への警鐘   だれもが心のとげをいたわる 己の生き方の是非を判断するものさし 己の善悪を判断するせめぎ合い 己の言動の正否を判断する分かれ目   心のとげを感じつつ せめて悔いることのないよう 生きていくことが償いとなるのか   [ 2022 年 12 月 20 日書き下ろし。 70 年も生きてきたら、多くの悔いる思い出が蘇る。心にとげを刺して最終章へと向かう。2026年3月31日改めてその意味を問う]

しゃらくさい

しゃらくさい わけもわからずわかったふりする 訳知り顔が鼻につく 説教垂れる高慢ちきさが胸くそ悪い   しゃらくさい 知ったかぶりで教えたがる 物知り顔がいやらしい 人望も薄いゴリ押しが胡散臭い   しゃらくさい できる人間と勘違いする 先の見通しは怪しい おもねるだけの才覚を発揮する   しゃらくさい まだまだ出番があると思い込む 老害は過去の遺産を食い潰す 敵を作って弄(もてあそ)ぶ   しゃらくさい 狡知さだけは衰えぬ 騙しの技を磨くに磨く いつかだまし討ちに遭うまで続く   しゃらくさい 不信だらけで世も末と せめて信じた人と在たい ぼやくよりも己を正せか   しゃらくさい さもさもらしいのもダサいだけ 生きる拠り所を見つけたい しゃらくさいのは己と自覚する   〔 2026 年 3 月 30 日書き下ろし。ただしゃらくさいというだけならダサいと自認する〕

子を育てる

子を一人育てるには ひとつの村がいる   子はコミュニティにいる 親もコミュニティにある   子の問題行動は親に負わされる 村人は無関心を装うだけ   子はコミュニティから排除される 親はコミュニティから除外される   子は育ちゆく根を断たれる 村人は不穏な根を断つだけ   子はコミュニティを喪失する 親はコミュニティに孤立する   子を育てる機能不全が起こった 親を支える機能麻痺が起こった   果たして子を産み育てる村はあるのか 果たして子を見捨てない村はあるのか 果たして親が誇れる村はあるのか   村人の無関心こそ育つ力を奪う 村人の無干渉こそ育ち合う力を萎えさせる 村人のエゴこそ育てる力を無力化する   〔 2026 年 3 月 30 日書き下ろし。子育ての問題をコミュニティが引き受けないところに根深さがある〕

幼子の心根

幼子のやさしさの心根 どこから生まれてくるのかな 生まれもったものかな それとも母のこころかな   幼子のいじわるな心根 どこにあったのかな だれもおしえてはいないのに それともだれかがわるさしたのかな   幼子の分かち合う心根 どんなことから生まれたのかな だれもが当たり前にしてたのかな それとも母のねがいかな   幼子のかなしい心根 どうしても生まれるんだよね とめることはむりかもしれない それともためされているのかな   幼子のはてなの心根 どこでもなんでもしりたいんだよね せかいをかんじていたいんだよね それとも母のそばにいたいから   幼子のわがままな心根 どうにかしてもそうしたい へこたれないつよいおもいだね それともただのぐずりんぼうかな   幼子のやわらかな心根 どうにかなりそうでとろけてしまう ねがおにみとれてほっぺをなでる それともかるくキスをする 〔 2026 年 3 月 30 日書き下ろし。母の 13 回忌。長男で生まれたことでどれだけの愛情を授かったのだろうか〕

かさぶた

心から血を流した 傷ついて 傷つけて 掻きむしった 慟哭の悲痛 悼むことを拒む阿鼻叫喚   薄いかさぶたを剥がす 出来ては剥がす 何度も剥がされる 壮絶な苦闘 悼むたびに心渇く阿鼻叫喚   無情を叫ぶ 涙涸れぬ 涙枯らさず 愛の絶望 悼む深さゆえの阿鼻叫喚   無念を苛(さいな)む 悔いる 蔑む 死生の葛藤 悼むことを抗う阿鼻叫喚   子の自死を受け入れる かさぶたを愛しむ かさぶたは癒やす 魂の交わり 悼むことに導かれる祈り   〔 2026 年 3 月 28 日書き下ろし。自死した子を持つ母の慟哭と祈り〕

魂の宿る場所に

衝撃は想像を遙かに超えた 慟哭するしかなかった 死霊に取り憑かれた子を救えなかった 張り裂ける胸を強く打ち続けた 夢であってと嗚咽をあげる 残酷な現実が時間を凍らせる   悔悟が強く支配する 何か出来たはずだ 何が足りなかったのか 何でもっと話さなかったのか 何を躊躇っていたのか   追い詰める母の胸に去来したのは何か 人を疑うことのない純な子だった 人に憎まれるなどあり得なかった 仕事で悩み苦しみひとり抱え込んだ 真面目で優しいがゆえに逃げ場を失った 死に神は母を絶望の淵に落とした   生への執着が断たれた瞬間絶句した 止めようと抗ったが生存を拒絶された 慰めは心に響くことなく霧散した 悲嘆の波は繰り返し襲い自らを貶めた 母は深甚な自責の念に縛られる   終わりなき葛藤が始まった 受け入れ難い現実をどう受け止めるのか 忘れがたい記憶とどう向き合うのか 終わりの始まりにどう立ち上がるのか   母の胸に去来する魂の叫び 抱きしめた魂を宿るべき心に置く 抱きしめて魂の宿る場所にそっと身を委ねる 抱きしめる母の元に還ってきた魂と祈りを捧げる 母と子の魂の救済の場はいつの日か訪れよう   〔 2026 年 3 月 27 日書き下ろし。( 1745 )「断腸の思い」の続編。自死した子の母がどう回復への道を歩むのか。物質的存在が消滅したゆえに、母と子の魂の救済があって欲しいと〕

断腸の思い

自死で子を喪った母 その苦しみは 腸が裂ける痛みに喘ぐ   母は痛みから解放されるのか 子の喪失から癒える日は来るのか 母と子の魂は救済されるのか   時が止まった瞬間に 母は抗えぬ悲嘆にいる 子は未来を閉じた   〔 2026 年 3 月 26 日書き下ろし。息子の自死に向き合う母と出会った。何をか語らん。驚愕し言葉を失う〕

子に添う者よ

子に添う者よ 覚悟はあるか 有形無形に与えしことに   子を諭す者よ 至難を知るか 響かぬは心なしことを   子を導く者よ 己を信じるか 真理を伝えしことに   子に背かれた者よ 罪を悔いるか 道理に外れしことを   子を愛する者よ 無償の愛を注ぐか 万全を尽くせしことに   子と歩む者よ 人生の喜びを語るか きみと出会えしことを   子と学ぶ者よ 共に真理を見るか 解を問われしことに   [ 2022 年 12 月 14 日書き下ろし。子どもに添うことの喜びは人生の糧である。2026年3月26日朝日新聞1面は子どもの自死を取り上げた。自死した子にだれが添うことが出来たのだろうか。悲嘆にくれる母の姿が痛ましい。そして旭川で5年前に起こった壮絶ないじめ事件は、市が7000万円の賠償金を支払うことで結審した。学校の責任は大きい]

再び子どもの訴えを

あなたは子どもの声を素直に聞いたことがありますか? か細いいまにも消えそうな声を聞いたことはありますか? 何か言いたそうにして目で訴えている心の声は聞こえましたか? 尋ねると何でもないと言われて聞きそびれたことはないですか?   子どもはいじめられても自分のせいにします 子どもは不安を自分で抱えてしまって困っています 子どもはおどおどしながら声を出せずにいます 子どもは親にも先生にも言えず押し黙っています   言いつけたと言われるから先生には言えません 言ってもいじめではないとあしらわれます しまいに握手させられおしまいにさせられます でも陰で余計にひどい目にあわされます 周りは関わりたくなくて避けていきます だからなおさら先生には言えません   先生は忙しいから子どもの声が聞こえません 先生は忙しくしてるから子どもの声は聞けません 先生は忙しそうにしてるから子どもは声を上げられません 先生は忙しいので子どもはそばに寄りつきません 先生は忙しいふりして子どもをほったらかします 先生は忙しいと言い訳して子どもから逃げています   いじめがあっても気づきません いじめをとがめることさえできません いじめではないと決めつけます いじめの定義すら知らずに訴えを軽くみます いじめを知っても見て見ぬふりします いじめられる子に問題があるとかばいます 時にはいじめに加担して楽しみます いじめが発覚しても知らなかったで通します いじめを追求されたら責任逃れに徹します いじめの指導のできぬ先生ほど自惚れています いじめではなく悪ふざけだったと言い返します 子どもはそんな先生の正体を見透かしています 子どもの味方になるのかどうか判断しています   信じられない先生 頼りない先生 無視する先生 裏表のある先生 えこひいきする先生 平気で悪口を言う先生 事実を握りつぶす先生 高圧的な先生 ずる賢い先生 嘘をつく先生 嫉妬深い先生 ひねくれた先生 責任転嫁のうまい先生 授業のできない先生 指導のできない先生 最悪なのは人間味のないつまら...

無事14管内完走

昨年 12 月民生委員児童委員が改選された 2000 人弱の新任を対象とした法制研修 道内 14 管内での開催も釧路で終了した   7 年前から詩を教材にしたワークショップをした 全国でも誰も手がけたことのない手法だ 受講した数は経験者も含め 7000 人近くなる   3 年に 1 度の改選に詩集を研修資料とした 第 1 集『情緒は私を支配する。論理よりも強く』  第 2 集『こころ耕しこころ紡ぐ“わたし”になる』 第 3 集『わたしが必要とされる理由』   80 篇に及ぶ詩編は受講者の心を揺さぶった 一編の詩は初対面の殻を簡単に破った 笑顔と笑い声がいつも会場に溢れた   毎年冬期間の日程は雪との闘いだった コロナで中止に追い込まれたことも懐かしい 今年の網走は管内に暴風雪警報が出て中止された   JR より時間を要してもリクライニングシートを選んだ 4 カ国語の車内案内や乗客の乗り降りが煩わしかった 都市間バスでの移動は片道 5 時間も当たり前だった   確実に老身には移動が堪えだした 喜寿を越えた時から引き際を決めた 手法の継承は難しくとも後継者は育てた   詩を活用した手法と語りはまだ終わらない 三冊の詩集を世に出せて感謝しかない 心ある人はいまもページをめくるかも知れない   民生委員児童委員としてどう関わるのか それは地域に生きる一人としてのあり方でもある その問いは人としてどう生きるのかに発せられる 詩編は人間としてのあり方を問い続けていくだろう   残された詩集はその一編でも心を揺らしてほしい まだ伝えてゆく機会はいくつか予定されている 道民児連の機関誌「アンテナ」での詩の投稿は続く   長きにわたり道民児連のサポートに感謝したい とりあえず初任者研修の講師は無事卒業する 詩作し続けることが限りある愉しき思索の時と知る   〔 2026 年 3 月 26 日書き下ろし。ひとつの役目が心穏やかにして終わる〕

学び続けるということ

無知であってはならない しかしすべてを知ることはできない 学ぶ意欲だけは持ち続けたい   どんなにあがいても知り得ない しかし知りたいというおもいは消せない 学ぶ謙虚さだけは持ち続けたい   学び続けるということ 学ぶこころがわたしを育てる 学ぶ意思がわたしを強くする 学ぶ中身がわたしを守る 学ぶ機会がわたしを耕す   共に学び続けるということ 学ぶ出会いがわたしを豊かにする 学び合う知がわたしを奮い立たせる 学び合う友がわたしを信念に導く   さらに学び続けるということ 学ぶたびにわたしの古き殻を破る 学ぶ価値がわかればわたしをひるまない 学ぶ意味がわかればわたしは逃げない 学ぶ理由がわかればわたしは生きていける   学びは未知なる世界からのメッセージ 知ることは果てなき生存欲求 学び続けることはよりよく生きることへの誘い 知ることは自己存在の証明 ともに学ぶことは知の世界の共有 知ることは自己陶冶と相互承認   動くことでしか生まれない学びの世界 動かなければ変わらない学びの世界 動いて始めて実感する学びの世界 学びの世界に身を置きながら苦悶し続ける   [ 2022 年 12 月 11 日書き下ろし。学びの本質をいまも求めつつ悩み楽しむ]

はしゃぐ

はしゃがずにいられようか 胸のつっかえがぶっとんだ いたたまれない不安がすっとんだ 歌え踊ろう飲み明かそう   だれもが歓喜した 抑え込まれたうっぷんが爆発した 押し込められた不満が堰を切った 歌え踊れ飲み明かそう   闇夜に光が眩い 戒律が解き放された 束縛から自由になった 歌え踊れ飲み明かそう   勝利でも敗北でもない 人間であることの喜びだ 生きていくことへの渇望だ 歌え踊れ飲み明かそう   はしゃぐことしかいまはない 心の為すがままに身を任そう 心の導くままに身を託そう 歌え踊れ飲み明かそう   はしゃいではしゃいで 二日酔いの体たらくを晒す はしゃいではしゃいで 心を空っぽにする はしゃいではしゃいで 時代の悪霊を削ぐ   はしゃがざるを得ない 悲運からのいっときの忘却 〔 2026 年 3 月 20 日書き下ろし。 WBC でベネズエラが優勝した。世の暴政の中で生きる人たちのいっときの歓喜を想像する〕

焦慮する

思うようにことが運ばない 苛(いら)つく 見通しの甘さを人に当たる 振り向けばそっぽを向かれる 計算高い男の誤算   思うところに進めない 苛立つ 直感が外れて人を責める 号令をかけてもスルーされる 計算できない男の無策   思いの外に悪化する 焦り始める 被害は甚大と威圧する 朋友は勇んで戦意を鼓舞する 計算を度外視した男の孤立   思っても叶わない 焦る 反論に切れる やり口に吐き気をもよおす 計算しきれない男の焦燥感   思いは崩れてゆく 焦りまくる 恐喝も武力も効かぬ やりたい放題に反旗が翻る 計算は金しかない男の末路   〔 2026 年 3 月 20 日書き下ろし。いま世界中にいるおぞましい男の顛末を見たい〕

準備は敬意を示す

仕事を受ける 求められていることは何か 課題を明確にして構想を立てる   仕事を想起する 物語るとは何か 際立つような流れを語る   仕事を始める 外してはならないことは何か プログラムの構築にかかる   仕事を練る 期待度とは何か 詳細なプランに落とし込む   仕事を整える 必要な段取りは何か 必須な情報やスキルを検討する   仕事に取りかかる 準備すべきものは何か すべて新たに作り込むかも判断する   仕事を吟味する ベストとは何か 組み込み作業を開始する   仕事の準備を終える 熱中するモチベーションは何か 相手への敬意以外は無でありたい   [ 2022 年 12 月 6 日書き下ろし。自分の仕事の段取りについて考えた。授業でも子どもへの敬意がなければ互いの信頼は育たない。学校も新年度を迎える準備が始まる。再掲して準備の本質を提示する]  

春雪

夜中強い風が窓を打つ 朝カーテンを開けると銀世界だった 春のお彼岸にゆく冬を惜しむのか   巡り来る春に雪の風情もいい 低気圧の余韻を残して東に向かう 大雪警報と TV のテロップが流れる   スニーカーは玄関の片隅に置かれた 明日にはとけるから雪かきは不要だ もううんざりだと春雪は厄介者となる   冬囲いを外すのも良い頃合いか タイヤの交換もそろそろだ 春雪の下の土はあたたかい   草花や木々の芽は陽光を待ちわびる おもねることなく自然に任せる 人は重たいコートを脱ぐだけか   〔 2026 年 3 月 21 日書き下ろし。春の雪をスケッチする〕

ボクのひみつ

ボクのひみつ なぜ聞くの なぜ知りたいの ひみつにならなくなっちゃう   ボクのひみつ ボクだけの大事なこと ボクだけのかくしごと ひみつってだれにでもあるでしょ   ボクのひみつ 話せないドキドキ感 知られないワクワク感 ひみつはこころをノックする   ボクのひみつ 知られたらつまんない やれなかったらいやだな ひみつはふしぎをもってくるんだ   ボクのひみつ キミだけに教えよう キミも教えてくれるならね ひみつがふたりのことになる   ボクのひみつ キミのひみつ おなじひみつだったんだ 好きってこころがあったかい   〔 2026 年 3 月 19 日書き下ろし。子ども心の好きという感情の揺れってどうかな〕

変節する

信念などとっくに失せています いまさら持ち出してどうするの 人は変わることで成長するのです   信念が立派でも役に立たない 実現しなければただの空論です そもそも確固たる強いものじゃない 挫けるだけ心身が消耗します   主義などとっくに色あせています いまさら過去を掘り出してどうするの 人は常に装いを新たにしていくのです   主義は時代の受け狙いです 容易に人は動いてはくれません そもそも世を住みよくしたいなど妄想です 権力を掴む偽装の仕方が鍵です   主張などとっくに忘れました いまさら論議してどうするの 人はいつまでもしがみつけないのです   主張を通すことは難しい 一人でも多くの理解者が必要です そもそも目新しいことで耳目を驚かしただけ 状況を判断する賢明さが必要なのです   節度などとっくのまに捨てました いまさら道徳を説いてどうするの 人は欲にかられると虜になるのです   節度は人間性のバロメーターです 極端な主張や主義が衆民を二極化させます 権力者の変節の本質を暴露しなければ危くなる 変節する信念や軽薄な主義主張に警戒警報発令中   〔 2026 年 3 月 17 日書き下ろし。世界中、何とも政治不信進行中〕

危険は我々の…(再掲)

米南北戦争のさなか 28 歳のエイブラハム・リンカーンは警鐘を鳴らした 「危険は我々の中から生まれる」と   スウェーデンの調査機関「 V-Dem 」のレポート 21 年世界の民主主義国は 89   中ロなど権威主義国は 90 と拮抗する ただその人口は世界の 70% を占める   不遜な指導者が核をちらつかせて闊歩する 内外に敵意を増殖させて憎しみのループをつくり出す 意に反する者たちは徹底的に糾弾し根絶やしにする 学校は次の兵士を教化する思想教育と軍事訓練が公然化する 人権も民主主義のシステムも蹂躙され弾圧は日常化する   国を守ると嘯き私腹と権力欲を満たす 権威主義は階級社会に変貌し貧民を隷属させる 躊躇なく戦争を引き起こし防衛だとほざく 戦死者の屍は侵略地で泥にまみれ放置される 恐怖政治は強化され情報統制が敷かれる 憎しみと恨みの連鎖が新たな人類の歴史をつくる   平和という概念さえ消滅する 敵対することで絶対権力と核武力を維持する 人間としての尊厳性など屑のように踏みにじられる 戦争の恐怖と飢餓の恐怖におののく 厳冬期を迎え凍死の危機にさらされる   国への忠誠心が試され服従を強いられる 貝のように口を閉じ忍従を強いられる 反する者は反逆罪で裁かれ死刑を強いられる   地上は破壊と破滅を繰り返す修羅場と化すのか 日本は大国だという文脈の上での外交は危うい その危険な兆候は日本の我々の中にもある 近未来の予想が外れることを願うしかない いまはただ叫ぶしか残されていないのか 「殺すな!」   [ 2022 年 11 月 19 日書き下ろし。米国ばかりでなく民主主義が危うい。煽動者や独裁者に惑わされぬよう「殺すな!」と叫ぼう。 2026 年 3 月 19 日高市首相はトランプ大統領との会談に臨む。イランとの戦争に“殺すな!”とは言わない。再掲する]  

蘇る悪夢

世界を震撼させた ルールは男そのものだった   世界は追従した 敵も利用する男だった   世界は追認した 強いリーダーを演じる男だった   世界に浸透した 虚言を広めたのは男だった   世界は畏怖した 独善を誇示した男だった   世界は沈黙した 制覇したのは雄弁な男だった   世界は脅威に晒される 民主主義を破壊した男にだ   世界は混乱に陥る 人種差別を掲げる男にだ   世界は注視する 敵愾心を煽る男にだ   世界は傍観する 悪夢は男の支持する者たちの手にある   世界は暴虐に満ちる 悪夢は男により現実となる     [ 2022 年 11 月 9 日書き下ろし。米国の中間選挙の開票が始まった。共和党優勢が伝えられる。 2 年後の大統領選の前哨戦。トランプ前大統領は 15 日出馬声明をするだろう。議会運営がままならなくなればウクライナへの支援も厳しくなるか。 2026 年 3 月 19 日、 米国大統領候補を選ぶ共和党の中間選挙で、トランプが再選され 2 年後大統領になったこと事への危惧が、いままさに現実になって全てが的中している事実を知る]  

憎しみの増殖

非道な戦争を止めることの出来ない人たち おっぱじめた指導者以上になぜか憤る 会うこともない多くの人への反発心 なぜか許し難い憎しみが湧く   凄惨な現実をゲーム感覚で語る人たち 矢面に立つ政治家以上になぜか憤る 平然とした冷徹な態度への嫌悪感 なぜかやり切れぬ息苦しさを覚える   遠方の戦局を優位だと平気で偽る人たち 敵の反撃に慌てる者以上になぜか憤る 不当だと言わず加担する国々の卑劣漢 なぜか抑えきれない怒りが生まれる   終局を予想できぬ無能な人たち 決死の覚悟で戦う兵士以上になぜか憤る 短期決戦が崩れ泥沼化への悲壮感 なぜか父母の悲嘆に心が揺れる   世界を巻き込み経済を混乱させる非情な人たち 戦争責任を転嫁する指導者以上になぜか憤る 後方で平和を享受する暮らしへの罪悪感 なぜか無力であることに心が折れる   現実から目を背けてはならない 怒りと憎しみの根源を引き受けよう 歪んだ情報操作に身を委ねてはならない 容認し慣れてしまうことを拒否しよう 不作為になる社会を放置してはならない 無関心という卑劣さを戒めよう   〔 2026 年 3 月 16 日書き下ろし。中東情勢にかき回される世界を記録するしかない〕

本質を見落とす

事の本質を見極める 深い知見と洞察を要する なければ騙される あっても見落とす 出来ても理解に窮する なぜか権力は隠蔽に長けている 同調する者たちが従い群がる   事の本質を歪める 欺瞞と偽善でたぶらかす なければ強要する あっても強制する 出来ても強化する なぜか支配の方法に則る 妄信する者たちが堕落する   事の本質を粉飾する 恫喝と殺戮を是とする なければ負ける あっても負ける 出来ても負ける なぜか仁智は陰謀を暴く 同意する者たちも糾弾される   事の本質に迫る 批判と弾圧をはね返す なければ隷従する あれば抵抗となる 出来るよう奔走する なぜか仕合わせは動いてこそ見出す 反旗を翻す者たちが立ち上がる   〔 2026 年 3 月 16 日書き下ろし。権力の歪んだ本質を見極めなければ仕合わせはない〕

忘れられない苦痛

無知という名の無恥 思索できない無能 利他できない無心 自覚すらない非情   後悔という名の苦悩 取り返せない失敗 取り戻せない信頼 取り憑いた悔恨   抗いという名の葛藤 妥協できない拒絶 同調できない反動 自尊に従う辛苦   自意識という名の渇望 否定できない存在 肯定できない運命 欺瞞に満ちる自問   記憶という名の苦痛 忘却できない慚愧(ざんき) 逃避できない回廊 蘇(よみがえ)る憎悪   追慕という名の平安 不幸を消し去る至福 喪失感からの開放 現世での詩的な時空間   ※慚愧(ざんき。ざんぎ)元来は仏教語で,「慚」は自己に対して恥じること,「愧」は外部に対してその気持ちを示す。「慚」「慙」は同字。自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。 〔 2026 年 3 月 14 日書き下ろし。忘却できぬ記憶に留まるしかないのか〕   〔 2026 年 3 月 14 日書き下ろし。忘却できぬ記憶に留まるしかないのか〕

後始末できぬ者たち

勝手にやらかしたのが後始末できない 手に負えなくなると責任を押しつける 迷惑を顧みることはほぼない   形勢不利でも誤魔化す術は心得る 責任転嫁は常套手段と見え見えだ 無計画が招く事後処理のまずさが際立つ   ゲーム感覚でおっぱじめた戦争だ 米国のイランと交渉しつつ油断を突いた暗殺計画 陰謀と強慾が渦巻く中東情勢は一気に悪化した   イランの政権転覆ならず国威高揚させる なりふり構わず反転攻勢をかける 国際経済をかき回す石油戦争激化する   ホルムズ海峡を通って輸送される原油 7 割が中国とインドそして日本と韓国の 4 カ国向けだ インドを除いて船舶の護衛を要請する   19 日日本の首相は米大統領と会談する 自衛隊の派遣を要請されて笑顔で受諾するだろう 安全確保や法的根拠は集団的自衛権が解釈されるだろう   安易に戦闘を拡大した米国とイスラエルの暴挙 傀儡政権の構想も頓挫して泥沼化する 互いの神は勝利を確信して人身御供を差し出す   混沌とする世界情勢に安閑としていられるか 互いの屍を越えて得るモノは一体何か 狂気な者の軽率な判断こそが断罪されるべきだろう   国の威信を賭けた戦いにつく者たちよ 大義はすでに消え欺瞞に満ちあふれている 後始末できぬ者への忠誠は偽善でしかない   反戦の声を上げるのは誰か 非戦の声を伝えるのは誰か 平和の声を届けるのは誰か   戦争はいったい誰のためにあるのか 戦争に加担する者たちよ 一片の残りし倫理を問うて解せよ   神に赦しを乞うのは卑劣な心か   〔 2026 年 3 月 15 日書き下ろし。米国が起こした中東情勢に世界は翻弄され巻き込まれてゆく〕