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7月, 2023の投稿を表示しています

決意と自己実現

決めた瞬間 ひとは心を熱くする 揺るぎないと確信する   決めた瞬間 ひとはやる気を満たす やり抜けると得心する   決意は頓挫する ひとは気力が失せてゆく 挽回できると言い聞かす   決意はいつか消滅する ひとは次への充電を装う 達成できなくとも凹まない   決意はその時の決意 その瞬間にベストを決めた 変化に対応が出来なければアウトだ   決意は自己決定 常に自由意志を尊重する 行動を再考しトライするだけだ   決意を疎かにしてはいない 他者に委ねれば存在は脅かされる 変わることも捨てることも それもまた自己決定でしかない 己の生き方から逃げないための決意 自己実現への自己主張そのもの 挫折を覚悟のうえで自力を尽くす   [2023 年 7 月 31 日書き下ろし。何度も挫折する。それでもなおトライするのは自己決定をする意思を護りたいからである ]  

誰もが自ら殻を被る

誰も知らなかった 心が躍る学びがここにあった 心に染み渡る詩とここで出会えた 心を確かめ合う語り場がここだった   誰もが変わるきっかけがほしかった 見方が変わるとは期待しなかった 心を揺さぶられるとは思わなかった 潜在意識が醒めるとは考えもしなかった   誰も予想だしなかった 目を見張る気づきがあった 目を輝かす詩と出会った 目と目を見て語り合った   誰も予感しなかった 抗うことなく心を動かされることを 素直に自らの本音と語り合うことを 変わってゆくおもいを受け入れることを   誰もが殻を自ら破った こだわりや思い込みを捨てた もやもやしたおもいから解き放された よりよく変わることを躊躇しなかった   誰もが「次に。」を意識した いままでを振り返る時間だった これからを考える時間になった こうしようと触発された時間となった   誰にも変わるチャンスがある 学びは自己変革へと導く成長の糧となる 変わりつつある自分を率直に容認する 人生の価値を見出す一歩を踏み出す時がきた   [2023 年 7 月 30 日書き下ろし。学び合うことの意義と「詩編」を組み込んだ未体験のプログラムによる自己覚醒こそこの研修の醍醐味となった。豊田市でのボランティア研修レポート第 3 弾 ]  

陽だまりのような人~80歳を祝う

陽だまりのような人 優しさと豊かな包容力が人を惹きつける 溢れる笑顔は心許し合える人になる まっすぐにおもうところを生きる   物事に向かうエネルギッシュな立ち振る舞い 時にバイタリティー溢れる姿に圧倒される   熱く語り見事に演じ分けるパフォーマー とてつもないパワーを秘めたネットワーカー 仕合わせを分かち合うファシリテーター この上なく人間大好きなヒューマニスト   燦然と輝き人としての生き方を世に問う 野薔薇の花の可憐さに似合わぬ強き意思 世情を憂いしなやかに事を起こし人を巻き込む 異彩を放ししたたかに事をまとめともに成し遂げる   端正な姿から発せられる言動は真実を語る 面白きことを企てる創造力はいまだ枯れることを知らず いつの日もボランタリーな心を休めることはない 我が道をぶれることなく信じて歩み続ける   生まれてきたこの日 80 歳の誕生を迎えた 凜として生きる姿にいまだ憧憬を抱きつつ 世の一灯として輝き続けてほしいと願う あなたと巡り会えたことを仕合わせという   お誕生日おめでとうございます   [2023 年 7 月 30 日書き下ろし。松江の友人の 80 歳の誕生を祝いたい。輝きを失うことなくその存在感が世を人を圧倒する ]

わたしに巡り会う

朗読に目をつぶる 詩の情景が伝わってくる どんだけでも聴いていたい 引き込まれているわたしを見つけた   わたしの中にあった深遠な世界 詩文がこころのバリアを静かに崩す なぜか素直になれるわたしを見つけた   ボランティア活動から生まれた疑問 あったかいこころと手に救われるとすとんと落ちた ひととひとの間に行き交うわたしのこころを見つけた   ひとを動かすまごころという働き ボランティアはまごころを引き出す 出会いの喜びからわたしの生きる糧を見つけた   ボランティアの長続きの原動力 人が好きただこれだけ ありのままであるわたしの秘訣を見つけた   互いに理解し合うことと思い合い 楽しくなければ面白くなければつまらない こころの通い合いの中にいるわたしを見つけた   子どもを真ん中にした社会づくり 当たり前のことが粗末にされている そこに共生社会を担うわたしを見つけた   ボランティアは他人事で自己満足な活動 自分のことも満足にできない者には無理かと思った ただ一歩としては良かったと知ったわたしを見つけた わたしに巡り会ったことに感謝する   [2023 年 7 月 29 日書き下ろし。 Blog7 月 18 日「猛暑の中での学び」の第 2 弾。「自分の巡り会えたことに感謝」という一文をキーワードに参加者の声をまとめた。引き続き第 3 弾を発信したい ]

北の大地のひと事情

人口減が加速化する 日本人の人口1億 2242 万人 前年より 80 万人の減少 死亡者は 156 万人と過去最高だった   北海道は 509 万人と前年より 5 万人減 減少率は 11 年全国最多 500 万人台割りも目の前だ 2040 年には 428 万人と推計される   地域が萎んでいく 少子化対策など追いつくはずはない ただ貧困児童の対策を怠れば社会は収縮するばかりだ 子どもらの結婚は経済的基盤の脆弱さから回避される 消費力も生産力もどんどん落ちる 悪循環はすでに始まっている   道知事は 10 年の総合計画策定を前倒しにする 計画通りにことは動かないことは歴然としている 市町村の長期計画もすでに思惑を外す 行政そのもの機能が低下し収縮する さもさもらしい構想をぶち上げても自ずと限界を見る 金も人もなくなる中で現状維持すらおぼつかない   過疎地の経済も教育も医療も福祉も破綻してゆく コミュニティそのものが成立しない事態が現実となる 焼け石に水の政策は所詮その場しのぎの対策ばかり 丁寧な説明は耳にたこができて食傷気味 やることなすこと凡打ばかりで先行き不安 さしたるリーダーシップもないまま行くしかないと諦める   国への依存体質から抜け出せぬ道行政 ここにも頼りにならぬリーダーが国の財布で仕事する 明暗は地方自治体にかかる 外国人の就労環境の整備と暮らしの支援 ここに突破口を見出す地域が生き残りをかける   [2023 年 7 月 28 日書き下ろし。総務省が基本台帳に基づく 1 月 1 日現在の人口を発表した。住民登録している外国人は 300 万人近く過去最高である。外国人が観光ではなく就労に魅力を感じる国でなければ、先細っていくだろう。ビジョンの半端な政治が、国難をさらに招き寄せる ]   

刷り込まれた悲しき認識

ボランティア お金がなければできない 時間がなければできない 心に余裕がなければできない 心身とも健康だとベストです   貧乏なひとはボランティアできないのですね 忙しいひとはボランティアできないのですね 心に余裕がなければボランティアできないのですね 心身とも健康でなければならないのですね   お金も時間も心のゆとりもあればいいですね プラス社会的なステータスを求めるひともいます 社会的な地位も高く寄りがたいひともいます プライドが高く施しに喜びを感じるひともいます   ボランティア 崇高な理念や宗教的な教えにより導かれるひとたち 強い社会的使命感に裏打ちされて行動するひとたち 深い憐憫の情を惜しげもなく注ぐひとたち 汚れなき慈愛を素直に行動に表すひとたち ひとや社会の問題から目を背けず立ち向かうひとたち   ボランティアではないひと そのほうが気楽です したいとおもうことをするだけです 褒められるのは苦手です 見返りを求めているわけではありません 善意を押しつけることもありません 貧しくても助け合いはできます 施しをすることはできません 時間をどう使うのかは自分で決めます カツカツの暮らしでも気遣うことぐらいできます 自分のできることしかできません 動機が不純であろうと相手に受け入れられます 病気のひとでもやれることはたくさんある ハンディがあろうとなかろうとやりたいからする   ボランティア こうあらねばならないってどうでもいいかな 条件をつくることでしない理由を探しているの 強制なんかしないからやりたくないならしなきゃいい どんなことでも自分で始末をつければいいかな 考えることも行動も自由に判断すればいい   ボランティアじゃなくとも大事なのはね あなたの存在が認められことかな あなたの心がドキドキすることかな あなたのおもいが伝わることかな あなたが生かされていることを知ることかな   お金持ちで時間も心も余裕がある そんなひとだけのボランティアの世界 どうぞ思う存分楽しんで下さい...

真夏の世情

聞く力 聞き流すへと シフトする 支持率も 信用すらも 下落中 言うだけで 実績ならぬ 前のめり マイナカも 不信と不安の ちゃんぽんに 紐付けに 執着の果て 信落とす 外遊は 役には立たぬ 批判の目 次の座は 民意離れて 消えるのみ 票頼み 統一教会 不解散 長引かせ ほとぼり冷めて 復帰する    姑息な手 責任転嫁 白を切る 常道を 逸したパワハラ 副社長 親馬鹿は 失態庇えず 墓穴掘る 辞任して 株券握り 関与する 会見の ゴルフ冒涜 筋違い いつの世も この親にして この子あり   熱帯夜 コロナで病みし 見る死線 投薬で 処置は終わりと  突き放す 動かれぬ 死線彷徨う 高齢者  行政は 医療の体制 ほっかむり 地下鉄の マスクは九割 する自衛   猟奇の 顛末語る 知ったふり 凶行に 加担した父母 知る憎悪 マスコミの 取材に噓が 幅きかす 迷惑な 取材攻勢 守る人 平然と 土足でこころ 踏みつける 醜聞に 飢えたマスコミ 垂れ流し   温暖化 トランプ崇めて つけ払う 常態化 最北の地に 実る米 五〇度の 灼熱浴びて 断ついのち 炎天下 自宅で募る 倦怠感   [2023 年 7 月 26 日書き下ろし。久しぶりの川柳。ひねった言葉が出てこない ]  

杖とステッキ

スフィンクスの謎かけ 「朝は四脚,昼は二脚,夜は三脚で歩く動物は何か」 「それは人間だ」   身体機能が落ちてゆく 歩くためには杖がいる いつか杖つく人となる なってからでは遅い 転ばぬ先の杖がいる   介護用仕様にはまだ早い 傘を代用することもままある 傘が妙にフィットする 英国紳士然とした趣か   年々体力が落ちている 散歩のスピードでよくわかる 膝も上がらなくなる 階段の下りがきつい 手すりに身を委ねる でも杖は老いたイメージをさらに強める   それでも介護杖に心は動かず まだ矍鑠とした自分でありたい ステッキでしばし自尊心を守ろう 機能性に富んだデザインにも心惹かれる   歩く ステッキが身体をフォローする ステッキが心にフィットする ステッキが粋なスタイルとなる   [2023 年 7 月 25 日書き下ろし。杖ではなくステッキから3脚を始めたい。プライドを折られぬために ]

戻ってきたVAIO

VAIO が修理を終えて戻ってきた 空調がいかれていた 異常に発熱して機能不全に陥った VAIO への信頼を喪失した   それ以前に Wi-Fi への接続が不調だった プリンターにつなぐと感度が全く鈍かった ネット検索もサクサクとはいかなかった レスポンスの時間にいらついた VAIO への信頼は崩れていった   1 年の保証期間中でよかった 空調は改善されたようだがまだ熱っぽい 警戒心はなかなかとけない Wi-Fi への接続はようやく改善された スムーズにプリントアウトされた ようやくストレスから解放された VAIO への憧れは捨てきれないでいる   修理に出してから 3 週間 いまデーターの整理が終わった 仕事の相棒が VAIO だった 他の機種ではモチベーションは上がらなかった パソコンに使われたくはない建前は噓になる その前に座るとルーチンワークにすぐに入る VAIO への愛着を確かめた日となった   [2023 年 7 月 23 日書き下ろし。最近スマホもグレードアップした。 VAIO が戻り、 IT 環境はすこぶる良くなった。課題は使いこなせるか否か ]  

烏合の衆

たかが世論調査の支持率低下 落ちたり上がったりのエレベーター 動かすのは烏合の衆 慌てることもない 冷静沈着に対処せよ   忘れっぽいのが玉に瑕 異次元の子育ても防衛予算の増額も 物価高もマイナカードも 統一教会騒ぎ同様忘却の河に捨ててゆく 一過性の支持率低下 慌てるのはみっともない どうせ烏合の衆だからほっておけ   外遊で日本アピール万全期した 烏合の衆には理解不能の政治の世界 世論調査に一喜一憂とは片腹痛い いまさら聞く耳など無用なポーズ 内政はこれからだたかくくる 烏合の衆だから根拠のない自信をふりまく   選挙の時だけこっちを見れよ 悪いようにはしないから 恩恵受ける者だけたかりに寄ってくる あとは烏合の衆でほっとかれる まだ解散には早すぎる それでも準備は怠らぬよう指令する   政局が動くか動かぬかよくわからない兵隊たち 閣僚人事でざわつきながら勢力争いに色めき立つ 岸田内閣の支持率は 28 % ( 毎日新聞 ) 不支持率は前回 58 %から 7 ポイント増の 65 % たかだかなんぼのもんと冷めた目で 烏合の衆は世論を動かす   〔 2023 年 7 月 23 日書き下ろし。岸田内閣の周辺がざわつく。支持率低下とともに不支持率が各紙の今月の世論調査でアップする。烏合の衆と化す岩盤支持者。浮世離れした言動もそろそろ飽きてきた。 毎日新聞は 22 、 23 の両日、全国世論調査を実施した。 次はないと三行半を押す時を伺う〕

卑小であろうと

黙することは同意 見て見ぬふりは無視 何もできぬは無力   負い目があれば後悔の澱 恥ずべき痛みは良心の呵責 卑小に蔑むのは自責の念   情動の浮沈に辟易する 語ることばを放棄する 為すべきことを回避する   自己存在の矮小化 自己認識の軽視化 自己決定の不覚化   己を卑小に貶める者は 自己変革の動力を失う 己の非力をほざく者は 社会改革の動力を捨てる   曖昧な承認欲求 無為な行動抑制 妥協の現状維持   「自分が卑小で非力だと思ったら、数匹の蚊のいる部屋で一夜を明かせ」 (西アフリカの古い言葉~米 TV ドラマ「弁護士ビリー・マクブライト」から)   〔 2023 年 7 月 22 日書き下ろし。生きている限り社会や人に働きかける動力を喪失してはならない〕

大阪万博の頓挫

恥をさらしてなんぼのもんだ 勘定合わない皮算用   万博パピリオン 153 の国と地域が参加を表明 されど海外からの建設申請いまだゼロ 各国のパビリオン 複雑かつ奇抜なデザインは業者泣かせ プラス建築資材や人件費の高騰は容赦ない   ましてや万博の建築費 国 大阪府・市 財界の 3 分の 1 の負担 当初予算の 1250 億円から 1850 億円に上昇中 祭りが終われば解体される用無しの建築物 すべてゴミと化しどこに捨てられるのやら 北海道は産業廃棄物のゴミ捨て場ではない   そもそも開幕まで行き着くのか 頓挫も覚悟の大阪万博 夢は叶わぬ昭和エレジー 道頓堀にほうってこい   〔 2023 年 7 月 20 日書き下ろし。カジノも危うい。大阪維新の威信が揺らぐ。もうかりまっかが頓挫する〕

通知表の廃止

法的根拠のない通知表 校長の裁量で廃止もできた   2020 年完全実施された新学習指導要領 公教育を縛り付ける規範そのもの 何を学ぶかよりも重点を変更した どのように学び どのように身近な課題を解決するのか   要領は墓穴を掘った 従来のテスト結果での成績付けは趣旨と反する その評価は子どもよりも教師に向けられていた   安直にテスト集計で機械的に割り振りしてきた成績付け 要領を解釈することもなく成績付けに追われる 子どものためよりも単なる事務処理に終始する 終われば楽しい夏休みが待っている   子どもは成績表を持ち帰る 下位からは決して上がれないおきまりのしるし 普通であることの普通さえ意味をなさないしるし 頑張るなどとはとうてい思えないつまらないしるし 勉強嫌いに追い込む最後通告もどきのしるし   こんな当たり前に疑問が生まれた 成績付けの意味を論じた 学習のモチベーションになっているのか 自己肯定感を高めることになっているのか そもそも通知表は何のためにあるのか あるべき評価のカタチとは   数ヶ月もかけて論議した そして通知表を廃止した 保護者の反発は予想された 教師たちの評価に対する真摯な取り組みが空気を変える より子どもに添わなければならなくなった 学習成果を判定するテストには指導力こそ対象となる 子どもの緩やかな変容を見るには保護者の力もいる   学力至上主義だった学校教育に一石を投じる 機械的評価を許さない試みは教師力を鍛える 個々の子どもと成長を喜び合う慈愛の目に変わる 学校に行くことがしんどい子どもたちを救う   〔 2023 年 7 月 20 日書き下ろし。神奈川県茅ヶ崎市立香川小の実践が 20 日付の毎日新聞で報道された。快挙である。この報道の反響に注視したい〕

声の妙

声はバリトンクラス 聴いた人たちの反応に救われる   聞きやすい声 安らぐような声 時に怖い声   語りかけると引き込まれる 語るテンポに身を預ける 語りから逃げられない   自詩の朗読で魅了する 飾らぬことばが心に響く おもいのことばが心に届く 挑むことばに心が動く   声の質で得をする いつか声枯れの日を迎えるまで 呂律(ろれつ)が回るよう心しよう 語る中身こそ真剣勝負と心得よ   〔 2023 年 7 月 18 日書き下ろし。声しか褒められない。しょぼい年寄り顔に変貌しても、声の質だけは維持したい。これが我が語りを援護する〕

猛暑の中での学び

3連休の中での 2 日間の研修は無事終わった 30 度を超える炎天下 昨日は全国で 39.1 度の最高気温を記録した 2 会場に詰めかけた多くの市民に感謝した 2 時間を越える研修に時間を忘れるほど集中した 講話2本の間にグループワーク 3 本を挟むプログラム  詩編を主にした話の展開に戸惑いながらも食らいつく   ボランティアというと小難しい理論をかざす人がいる 難しい言葉で語って煙に巻く 情感に訴えるだけの経験もなく机上論で終始する 資料には暇つぶしにメモしただけで見直しこともない ありがたいご高説を伺って家路につく   今日は違った   今日はいつのも座学と覚悟した 眠気を覚ますお茶を持参した ペッドボトルの蓋を開けることはなかった 聴く 書く 考える 話す あっという間の 2 時間だった   詩を読み上げ話をする 核心に感覚的に触れる気がした   お話を脳トレのように伺った 考えているうちに次々と出される質問 まるで真剣勝負のようだった   静かな語り口から紡ぎ出される熱い心 自分の心を覆い尽くした これまでの活動の確信と これからの活動への活力 エネルーギーを一杯いただいた 心から参加してよかった 参加しようと思うことでもうボランティア 今まで何らかにカタチでボランティアできていたんだ 勇気づけられた   ボランティアという言葉が嫌いだった いつでも辞められる無責任な行為と考えていたから でも自分の当たり前を捨てて真心を大切にしたい 人とふれあい話や個性を大切にしたい 相手の意見や考えを受け入れ楽しみたい そして素直に行動していきたい   楽しかった 素直になれた自分がいた 答えは自分のなかにいつもあった 動き出すきっかけがほしかった してきたことが間違えではないと確かめた   仕事で悩んでいた 朝まで来ることに躊躇した 来てよかった 何か吹っ切れた ふいに涙が流れた 大丈夫と言葉をかけた そんな別れが生まれた   新鮮だっ...

閉じられない記憶

若き日の失敗 働き盛りの失敗 自己否定の記憶   忘れられない 消し去ることもできない 恥ずかしき記憶   忘れてはいけない 消し去ることは許されない 罪深き記憶   閉じたい記憶 閉じようとした記憶 深い懺悔にさいなまれる   閉じられない記憶 閉じきれなかった記憶 苦い屈辱に耐えきれなかった   それでも図々しく生き抜く 恥部を記憶の淵に沈める 屈辱を記憶の闇に紛らわす 懺悔の海に記憶の残骸が浮く   閉じたかった記憶 自戒の海にひたすら漂う 閉じられなかった記憶 辛苦な敗北感がいつまでもまとわりつく   閉じるのは無理だと悟るしかない   〔 2023 年 7 月 12 日書き下ろし。想い出すのは悪いことの方が鮮明で鮮烈だ。否定することもできず、乗り越えることもできず、記憶の海に漂う〕

自縛を解く

もう無理だと諦めた いまさらと断った いい加減なだけだった   やる気をほっといた かもしれないと思うだけにした 面倒だと突き放した   他人事だと割り切った 手を貸すのは億劫だった 世間体はどうでもよくなった   構われたくないと黙り込んだ ひとりでやれると見栄張った 忠告は聞いたふりして無視した   頑なで偏屈なやつになった 誰にも気を遣わずに楽になった ひとりの時間が長くなってゆく   何か物足りなさを感じた 自由であるようで不自由さを感じた 人と関わることの煩わしさが懐かしかった   求められないゆえの空っぽな心になった 用無しの薄っぺらな存在になった 自縛から逃れられないまま苦痛となった   叫んでも去った人は戻っては来ない 伝えようとも応じる声はなかった 声をかけてくれる期待は萎むばかりだ   自縛を解く力はもう残っていなかった   〔 2023 年 7 月 12 日書き下ろし。自縛から逃れるには遅すぎる頑なな自分。世間や人から距離を置くことで、孤立に耐えらない日がきっとくる〕

旅の支度

4 年ぶりの内地での仕事 明後日新千歳から飛ぶ 空港は観光客で混み合っていることだろう   荷物の預かり手続きはしない 長蛇の列に並ぶのが苦手だから いつもキャリーバッグを機内に持ち込む   2 泊 3 日の荷物は 2 つに分けた 夏は着替えも軽いから布袋にまとめた パソコンは持たず iPad だけにした   研修資料と必携グッズそして読み残しの本 使い慣れたバックパックに納めた 暑さ対策に扇子を一本入れておく   内地での 30 度を超した集中講義を想い出す いつもあせもにも悩まされた 日数もあり資料だけでも重たかった   講座だけなら身軽に動ける 仕事人間の性なのか観光はしない ひとりで巡るのはつまらない   講座をシミュレーションしながらチェックをする 思いつくまま引き出しから事例を取り出しメモする 参加者の反応に臨機応変に対応する準備を怠らない   旅の支度はまだ終わらない 何度もしてきた仕事でも決して慣れてはならない 初めて出会う人への敬意を込めて万全を期す   講座が終わったときにインパクトを与えたい 果たして共感と納得をしていただけるのか 仕事への感謝と期待を裏切らぬよう心する 明日もまた終わりのない旅の支度に精を出す   〔 2023 年 7 月 12 日書き下ろし。全国や全道で 40 年に渡ってしてきたボランティア講座。いつも身の引き締まる思いで、手元に資料のカードを置きながら進めてきた。自作の詩を教材にしたオリジナルの講座に手応えを感じたい〕

それでも…

統一教会を解散の勢いいまはない ダラダラさせて熱冷まし 気勢をそいで一件落着 それでも…気にかかります   マイナンバーカードのご利益疑わしい ゴタゴタ続いて不信が募る 口先で弁解するだけボロが出る それでも…諦めきれずにだはんこく(ぐずる)   猟奇な殺人事件の手がかり薄い ハラハラさせる度肝を抜いた犯行手口 真夏のすすきのに起こった前代未聞の怪奇事件 それでも…事実は小説より奇なりか   大谷翔平選手の活躍に心和ます ドキドキしながらテレビ観戦熱帯びる 二刀流をドラマに仕立てた感動舞台に歓喜する それでも…言いたいやつには言わしておこう   線状降雨帯の停滞に心が萎える バリバリと降り続き河川は決壊し洪水が襲う 土石流は家屋を破壊し田畑を大石と泥で埋め尽くす それでも…苦しみを乗り越えてと願う非力な自分   コロナの第 9 波は静かに勢力を増す ヒタヒタと老人施設や医療現場への警鐘を鳴らす 世間は 5 類という言葉に惑わされ軽視する それでも…油断なく命と向き合う人がいる   子どもの貧困はいまだ解決の道遠し チビチビと本筋を外す愚かな政策でお茶濁す 日本に生まれた子どもを養うこともできぬのか それでも…母は身を粉にして働く 〔 2023 年 7 月 11 日書き下ろし。いらつくことの多い世の中だからこそ、子どもの貧困は捨て置けない。政官財の利殖と権力の温存が子どもを犠牲にする〕

落涙する

「クラスターに立ち向かう介護士たち」 1 年前に blog に Up した詩を読んだ 特養ホームの女性施設長は涙した 3 年に及ぶコロナ禍での苦しさを想い出した   施設でクラスターが発生した 昨日まで何事もなく元気だった利用者 翌朝息絶えていた   誰に看取られることもなかった 非透過性納体袋に収納された クラスターの中の予防対策は非情だった 手を握ることさえできず家族とも隔離された 痛ましい死に心が揺さぶられ涙した クラスターが発生しなければと悔いるばかりだった   介護士たちもクラスターの中で誠心誠意頑張った それでもなお防げなかった感染死 ぬいぐいきれない悲しみをいまだ抱えていた   詩に触発されて当時の苦闘がよみがえった コロナ禍の 3 年は多くの犠牲を払った日々だった ただ誰ひとりとして辞めなかった 職場を守り抜いた一人ひとりが誇りとなった   コロナの脅威に抗いながら立ち向かった介護士たち 辛い体験を共有した仲間たちがいま逞しく育っている 経営も黒字に転じたことは介護士たちの熱情だった 悼む心を決して忘れることなく信じて前を向いて歩む 今日の無事が明日ももたらされるよう祈りながら   〔 2023 年 7 月 10 日書き下ろし。コロナの非情さが施設長の落涙で心を揺さぶられた。第 9 波を迎えた老人介護施設はいまだ警戒発令中。闘いは否応なく続く〕

MADE IN JAPAN

涼しげに風鈴の音がする 夏の盛りに涼を売る声 風情ある夏の風物詩の一コマ 売り物いかんで世界を震撼させる MADE   IN   JAPAN   いらんかねと元気な声がする 品質保証と明るい声がする MADE   IN   JAPAN 真夏に恐怖が背筋を凍らせる 身の毛もよだつ悪寒をもたらす 米国オンリーから脱します   「防衛装備移転三原則」 救難・輸送・警戒・監視・掃海に関する装備品の縛りをとく 警戒・監視であれば強制的な停船に使う銃器 掃海であれば機雷を爆破する機関砲 英国やイタリアと開発する戦闘機は 共同開発・生産に当てはめる 殺傷能力のある武器の輸出も際限なく拡大する MADE   IN   JAPAN   日本から第三国に直接輸出できるよう制限を緩める 日本のもの作りの技術と生産能力を格段にアップさせる MADE   IN   JAPAN その名を冠したブランド兵器は世界の名品となる 米国の中古に頼らず軍事産業は国是となり突き進む   売り子の声がする 防衛用・戦闘用など各種取り揃えております MADE   IN   JAPAN 自信を持ってセールスします 実績はこれからですが間違えはありません なにせ  MADE   IN   JAPAN  です 軍事用品の御用達は是非ニッポンに 「武は戈(ほこ)を止むるの義なれば 少しも争心あるべからず」(神道無念流の訓え) 〔 2023 年 7 月 9 日書き下ろし。 「防衛装備移転三原則」を緩和するという。軍事産業の維持振興もロシアの侵攻で国是となる。自前で軍備を整備することでなし崩しに平和国家の理念が侵されてゆく〕