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10月, 2023の投稿を表示しています

頑張る人に

不幸ではない 不運なのだ   自力ではどうにもならないこともある 自分のせいでは決してない   禍はどこからでもやってくる 禍を避けられたらよかったか   乱暴な言葉もつい出てしまった 乱暴な態度をつい取ってしまった   幸薄いと悲観した 幸薄いと羨んだ   違うと誰かの声がした 違うと心で応えていた   頑張ってきた気丈さを褒められた 頑張ってきた辛さを励まされた   一人ぼっちではないと知った 誰かが見ていてくれると知った   大丈夫だと何度も声に出す わたしの人生だから わたしの足で前に進む わたしの人生だから わたしの運を掴む わたしの人生だから わたしの明日を拓く   [2023 年 10 月 30 日書き下ろし。人は自分ではどうにもできないしがらみの中で苦しむ。逆境に負けず頑張る人がいる ]

知っていても…だ

意に反してやるしかない 汚いと知っていても…だ 儲けることしか頭にない   意に反してさせられる 手抜きだと知っていても…だ 騙すことしか頭にない   意に反して従った 抗えないと知っていても…だ 暮しのことしか頭にない   意に反して黙った 手を染めてると知っていても…だ 後ろめたさしか頭にない   意に反して逆らった 無視されることを知っていても…だ 後悔の念しか頭にない   意に反して声上げた 首になることを知っていても…だ 妻の子の顔しか頭にない   意に反して世間の風当たりが強かった ありのままを知っていても…だ 責任回避しか頭になかった   意に反して顧客が離れた  薄汚さを知っていても…だ とんずらしか頭になかった   意に反して恥をさらした ゴルフのマナーを知っていても…だ 貶めることしか頭になかった   意に反して風は収まらなかった すぐに忘れると知っていても…だ 儲けた金のことしか頭になかった   [2023 年 10 月 30 日書き下ろし。 中古車販売大手ビッグモーターの整備工場 34 カ所が、国土交通省から整備事業停止などの行政処分を受けた。修理や検査で不正行為がはびこっていた。社長と副社長は逃げ足速くとんずらして、残された社員が責任を取らされる。保険会社も旨い汁を取り上げられた ]

すかを引く

当たりくじと見せかけただけ すかばかりでぶちゃけ白けた   当たりくじなどあり得ない すかしかいない箱だった   当たりくじに期待しただけ すかのすかではやり切れない   当たりくじさえ作れなかった すかに任せたのが大失敗だった   当たりくじだと言い張るだけ すかにはすかの言い分があった   当たりくじなど当てにはできぬ すかの正体バレバレだった   当たりくじの運が逃げただけ すかしても外れるばかりだった   当たらぬだけに気が滅入た すかだけにすかされた   当たってほしいと願っただけ すかはあるようが装った   当たらぬくじは棄てられた すかなりにようやく気づいた   当たりくじから見放されただけ 性根もからっぽのすかだった   [2023 年 10 月 29 日書き下ろし。日経の世論調査結果が出た。「支持する」は 9 月比 9 ポイント減少し 33 %、 2021 年 10 月の政権発足以降で最低。「支持しない」は 8 ポイント増えて 59 %。政府が近くとりまとめる経済対策について「期待する」が 37 %、「期待しない」が 58 %。所得税減税が物価高対策として適切かどうかについては「適切だと思う」が 24 %、「思わない」が 65 %と、見事に当てが外れた結果となった。すかを引いたのはだれ? ]

人は石垣か

石は一つではただの石でしかない 寄せて噛み合って崩れにくい石垣となる 石を組むことで人と街を守ってきた 人も国とのつながりも石垣と同じかもしれない   石垣は国の境界線に変わった 越境してハマスが急襲を仕掛けた 戦慄の走る凶行は恐慌を招いた   イスラエルは反撃に出た ガザの 150 カ所を空爆した 火炎が夜空を赤く染め無辜の命も絶たれる   石垣の中にいることで安全だった 最貧困の暮らしでも家族とともにあった ハマスは石垣を崩壊し火中に人命を投げ入れた   家族を銃で殺されたイスラエルの報復 空爆でガザの人も街も焼く どちらの殺人にどんな正当性があるのか   国連は人道的休戦を決議した 賛成した 120 カ国にロシアも中国もあった 反対したのは 14 カ国で米国は孤立した 加日英独伊はハマスへの明確な非難を求めて棄権した ウクライナも棄権に回った   ロシアに命を弄ぶ破滅的暴政の極みを見た 一番問題なのは決議に何の拘束力もないことだ ただ米国からの支配を拒否する態度表明が鮮明になった   覇者はトランプの時代に崩壊を始めた 覇権は武器を売って敵に備える営業権となった そして防衛という石垣は無辜の命すら守れなくなった   イスラエルの報復の残忍さはロシアに正当性すら与えた 少数の偏った支配的エゴが石垣を容易に越えて人殺しに走る 殺戮は正当だと反論し人命を盾に祖国防衛の大義をかざす ロシアは人を石垣にして無謀な戦いを続ける   [2023 年 10 月 29 日書き下ろし。世界を歪め危機に陥れてまで席巻することに何の意味があるのか。反戦の旗はまずはロシアの地で振れ ] ]

ためらいがちに

人前で話すことが苦手です ためらいがちに口を開いた   ミニトークセッションに名指しされた ややためらいがちに促されて出てきた   4 人目で話す番が来た 書いたものを読むことに断りを入れた   15 分前今日の研修の感想を綴った まさか発表するとは思いも寄らなかった   ためらうことなくよどみなく読み終えた 短い時間でまとめ上げた心に響く文だった   相手にしっかりとおもいを伝えた 朗読することでぶれることはなかった   同じ活動をする人たちと初めての出会いだった 認め合う仲間と知って勇気をふるった   話すという緊張を強いられつつ挑んだ そして自力で山を越した   考えたことがそのまま仲間に共感された 前触れの話すという苦手は克服されていった   人はひとつのきっかけで新しい自分と出会う それが確かな心の成長を約束する   [2023 年 10 月 28 日書き下ろし。昨日檜山管内の中堅の民生委員を集め研修をした。まとめのトークセッションで指名した方の力強い発言とその変容に心打たれた ]  

50プラス1は輝き爆ぜる

爆ぜてゆく 夢とおぼしき世界に躍り出る 気後れしない 50 プラス 1   飛んでる二人に壁はない 諦めるという言葉さえない 気合いを入れ直す 50 プラス 1   望みほどほどにガッツを入れ込む トライする意気込みに熱を吹き込む あるがままに生きる 50 プラス 1   似合いの二人に不可能はない 乾杯の酒を注ぐほどにパワーアップする 音楽と語りの世界に誘う 50 プラス 1   熟した果実が香り豊かに爆ぜる 熟した人生が熱情となり爆ぜる 熟する 50 プラス 1 は輝き爆ぜる   [2023 年 10 月 25 日書き下ろし。長女が 51 歳の誕生を迎え、同級の小橋亜樹さんと 11 月ライブする。おもろい二人に乾杯! ]  

言葉が透ける

言葉が透ける 意味すら拒む 耳障りな音だけが残る   言葉が軽い 意味すら逃げる 落胆の声だけが覆い被さる   言葉がぶっ飛ぶ 意味すら失う 卑しい音が漏れ出る   言葉が滑る 意味すら消える 笑い声だけが支配する   言葉に力がない 意味すら怖じ気づく 心を閉ざす音が響き渡る   言葉が空になる 意味すら持たぬ 蔑みの声だけが広がる   言葉に信がない 意味すら放棄した 発せられた音だけが無駄に舞う   [2023 年 10 月 26 日書き下ろし。信なき者の言葉は音だけでしかない。真剣に聴こうというおもいはすでに失った。信頼の回復は銭ではない。それ以前に崩壊していることを自覚できないことが問題なのだ ]

時代錯誤

学校ではしっかり学べ 宿題なんて家ですることない 外でもっと遊べ   学校では先生の言うことを聞け 勉強を教えてくれる人だからな 外ではもっと自由に学べ   学校では怠けるな 友だちは大事にすれ 外にはもっと面白いやつもいる   学校ではいじめるな 卑怯なやつは許せねえ 外はもっと闘いだ   学校が嫌いでも行け 家にいたってろくな事はない 外はもっと冷たいぞ   学校の給食は残すな 家じゃろくなもんがない 外ではもっと稼がにゃいかん   学校だけは卒業すれ 文字が書けて計算できれば御の字だ 外はもっと厳しいぞ   学校だけが学ぶ場じゃない 人間どこでも生きていける 外で独り立ちできる力をつけろ   [2023 年 10 月 23 日書き下ろし。 滋賀県首長会議での小椋正清東近江市長の発言は時代錯誤か。それが自覚できない首長を選んだのは誰だ。学校神話はすでに崩れている。 63 年前うちの親父に逆らい内緒で宿題をした。放課後は新聞配達してても遊びほうけていた。でも社会的自立はしっかり学んでいたね ]

風を読む

激動の時代 風に巻かれて行き先を見失う 戦火の中で子どもらが逃げ惑う 悪魔は容赦なく爆弾の火を注ぐ 憎悪と報復の黒歴史を繰り返す   激動の時代 風に抗えず吹きさらされる 戦火の中で子どもは未来を閉ざされる 悪魔は正義をかざして殺戮の銃を握る 宗教と民族の黒歴史を塗り替える   激動の時代 風に背を向け目をつぶる 戦火の中で子どもの足に名前を刻む 悪魔は躊躇せず殺意をたぎらせる 欲望と征服の黒歴史を上書きする   激動の時代 風に吹かれて流される 戦火の中の子どもの瞳に歪んだ世界が映る 悪魔に抗い闘う力さえ奪われた 狂気のドグマと妄信の黒歴史はまだ続く   激動の時代 風に逆らい風を読む 戦火の中の子どもに希望を与えたい 悪魔に魅入られた残虐人に罰を与えよ 破滅と滅亡の黒歴史にピリオドを打て   [2023 年 10 月 23 日書き下ろし。イスラエルとガザの戦闘は続く。最悪の確認のために子どもの足に名前を書く刹那。宗教と民族そして統治の長い歴史の果てにあるのは滅亡のみ。誰も責任は取らず悪魔は自爆し崩壊するだけのことか ]

思惑は外れる

そうなるだろう そうしたい そうしてほしい 願望の種は尽きない そしてその思惑は外れる   こうなるだろう こうしたい こうなってほしい 期待の芽は膨らむ そしてその思惑は悲しく外れる   ちからを見せる ちからを見せたい ちからを与えたい 切望の花は咲きかけた そしてその思惑は見事に外れる   きっと勝つだろう きっと勝てるだろう きっと勝ちに行く 希望の実は青かった そしてその思惑は叶わずに外れた   ふらりふらりしている だらだらしている ぺこぺこしていた 必勝の根は腐っていた そして解散の思惑も民意が外した   [2023 年 10 月 23 日書き下ろし。長崎佐世保の衆議院補選、徳島の参議院補選。保革痛み分けでも、所沢の市長選では惨敗。自民一党支配の綻びは地方から始まるのか ]

仲間よ ありがどう

ほっかほっかのこころが全てだった 囲まれて素直に身を任す いつも笑顔満タンにするのが全てだった どんなときにもいつも元気をもらう   嬉しいときも憂鬱なときもあった日々 会えば必ず勇気をもらう仲間だった 言えば必ず受け止める仲間だった   不平不満もたくさんあった 苦しんだり悩んだりしたこともあった しんどいことも辞めたいと思うこともあった   必ず誰かそばにいた 居場所を見つけた 残り火が燃え上がった   仲間がわたしをそのまま受け止めた 仲間がわたしを認めてくれた 仲間をわたしは愛おしかった   世の中の風に吹かれ翻弄された 世の中の情にほだされ涙した 世の中のしがらみに苦しみもがいた   仲間がわたしを支えてくれた 仲間がわたしと動いてくれた 仲間がわたしに大丈夫と言ってくれた   気取らずに 気張らずに ただ素直に伝えたい 仲間よ ありがとう   [2023 年 10 月 21 日書き下ろし。コロナ禍で老人福祉施設の職員たちの奮闘は涙ぐましいものだった。仲間が利用者が家族が支えて命と暮らしを護った。「ありがとう」の言葉の強さを噛みしめたい ]  

車検と団塊の世代

3 年で 2 万キロ走破 コロナ禍でなければゆうに 3 万キロは走った 車検が終わった 2 年後は果たして車検はあるのか   物価高騰の世は留まるところを知らない 年金も実質目減りする 車の維持費は 2 年後には悲鳴を上げる 贅沢品にしかならない時を迎える その判断は 2 年後と時限を切った   来年後期高齢者になる 長寿を祝いながらも蓄えはもたない 家計を圧迫する車を手放す日が来る 長寿であるがゆえに老後の資金が不足する その判断は 2 年後でないかもしれない   団塊の世代が消費経済を牽引した 持ち家と自家用車が象徴だった 家のローンで退職金を失い 車の維持費が赤字へと導く 小賢しい減税の影響など皆無な世代 その判断を求められる団塊の世代を生きよう   [2023 年 10 月 21 日書き下ろし。 2 年後には決断しなければならないと車検を終えて自覚した ]

万博も意気消沈

万博も 意気消沈か 当て外れ 倍増と 五輪と同じ 轍を踏む 開催費 いつもの無駄を 繰り返す   儲けなし 血税決算 知らんぷり 万博も 五輪も同じ むじなかな 万博の つけ払うのは 弱き者 無理強いを してまでやるか 価値はなし 埋め立て地 終わればきっと 雑草地   万博は 安倍と橋下 唾付ける 万博は ただやるだけの 猿芝居 万博で 盛り下がりつつ なにわびと パビリオン 建てて壊して ゴミの山 観光も 賭博も外れ ふてくされ   冷やかしに もうかりまっかと 声かける 高騰は 足かせとなり 人寄せぬ 自己破産 業者渡らぬ 悪しき橋 増税に 懐に寒く 引きこもる  戦争で 原油高騰 生活苦 掛け値なし このご時世に 魅力なし 誰か来る 物好きばかり 閑散と   中止には 意地汚く 反対す 決断が 出来ぬ弱腰 見透かれる 決定と 後生大事に 叫ぶだけ 変節を 避けたいだけの 及び腰 首長は 強気でポーズ やる気見せ 試される 成らぬ堪忍 いらんこと 恩恵も 雀の涙 あればよし 政治家の つまらぬ意地が 振り回す 使い捨て エコにはならぬ エゴたまる 銭ゲバの 顔も引きつる 世の流れ おまけ ぼったくり バッハが切った 北の街   [2023 年 10 月 20 日書き下ろし。 2025 年開催の大阪・関西万博をめぐり、主催する日本国際博覧会協会(万博協会)は 20 日、これまで 1850 億円としていた会場建設費について、最大 2350 億円に増える見込みであることを国、大阪府・市、経済界の 3 者に伝えた。当初の 1250 億円から 1 ・ 9 倍となり、国民負担がさらに増す ( 朝日新聞 ) 。なんだって ]  

ネットで迷子に

雑誌の定期購読の案内文が郵送されてきた 購読を継続する手続きは一見簡単そうに見えた 愛読者番号を規定のフォーマットに入力すれば済む カード決済で手間も掛からぬ そう軽く考えた   指定された http// を検索しても継続購読手続きにヒットしない 検索された画面には出版社以外のネット販売の業者が並ぶ ゆうに 30 分ネットの中で行ったり来たりした 新規の定期購読画面は出てくるが入力する気力は失せた 明日電話で購読センターに問い合わせるしかない 何という手間がかかるシステムか   ネットの利便性が疑われた ミスで行き着かないのかを確かめる 情報のゴミの中で迷子になる このモヤモヤ感がへばりついていやらしい ヒットするのが当たり前という思い込みが萎む なんともやりきれない気分で×をクリックする   同じような思いをする人もきっといるだろう 届いた文面で手続き出来るのが当たり前 それができない歯がゆさに地団駄を踏む 大事な手続きが一日延びたことの悔いを味わう それにしてもなぜかという疑問は残った   いまはダメでも明日には解決する 手続き出来ない自分を責めるより それだけのことと割り切ろう   [2023 年 10 月 19 日書き下ろし。雑誌を仲間で師に贈る。その手続きに手を焼いてしまった。期日には間に合うから問題はないが、ネットで迷子になった老いた自分がいた。翌日仕事場で若い人に調べてもらった。なんと10月にリニュアールして、現在使われていないものだった。9月に準備して継続購読者へ10月発送。なんともお粗末な仕事ぶりに呆れてしまった。出版者社は??まずは身内から意思疎通せねばならない] 

管理職が協働する

腰痛を軽減し予防する研修が始まった 介護現場が抱える重要な課題だ 若くして離職する要因となる 腰痛への取り組みの実態を明らかにする 管理職としての問題意識のあり方も問われる その上で今後の具体的な取り組みが協議されていく   まずは第一ステージ 5 つの施設・事業所から管理職 50 余名が参加した 2 日間に分かれ 80 分のワークショップを行った 腰痛の軽減と予防の対策について事前にポストイットに書いてもらった 個人として取り組んでいること・いないこと 各部署として取り組んでいること・いないこと 総務・看護・介護・リハビリ・訪問ケア・包括支援そして保育 5 つのグループに課長・係長・主任・副主任が混じり合う   机上の模造紙にカテゴリー別にポストイットを貼る 5 つの拠点別に色分けされた紙片が散らばる 俯瞰的に見ながら具体的に問題点をあげ共通の課題を見出す 時に笑い声が起こり立ち上がって模造紙に見入る 真剣かつ和やかな話し合いが続く 50 分の協議の時間はあっという間に過ぎていく 20 分で解決のための具体的な取り組みについて自由にアイディアを出す マイナス思考ではなくあくまでもポジティブに課題を捉え直す   まとめの 10 分に入った グループから代表で今後の抱負について語る ハード面の物品や環境整備には予算が伴う 同席した理事長は検討すべき提案として受け止める ソフト面では腰痛者の把握や就労負担の軽減のあり方が語られる 理事長はこの法人で働く人には幸せになってほしい 腰痛で苦み悩む人に添うために一緒に考えてほしい 「スタッフ一人ひとりが魅力ある職場環境そのものだ」 みんなが笑顔になる福祉施設づくりを目指すおもいが吐露される 研修を企画した腰痛ゼロプロジェクトチームが動く 模造紙に貼られたポストイットは 359 枚 まとめの発表で提案された事項も含める それらをデータ化して集約し分析に入る その結果を 5 つの拠点にバックする 11 月 17 日第二ステージのワークショップが開催される それまでに各拠点では実現可能な具体的方策を練る そこでさらに練り上げられて実践へのパワー...

爆ぜる

爆ぜる 一瞬固まる 恐怖で凍る 爆風に晒される   爆ぜる つんざく爆音が連続する 高層ビルが崩れてゆく 悲鳴が上がる   爆ぜる 傷つき放心する 亡骸にすがるつく 慟哭する   爆ぜる 逃げ惑う 子を抱きかかえ走る 惨状にすくむ   爆ぜる 互いに憎しみをぶつけ合う やましさを聖戦と言い換える 狂気に震える   爆ぜる 子らの未来を閉じた 過去に固執した 壊滅へのいまがある   [2023 年 10 月 17 日書き下ろし。ハマスの狂気がいまも人命を強殺する。戦火に震える子どもたちに未来は来るのか ]

善と悪

出来ぬと分かったなら断念するのを善 いつまでも誘致に税金を垂れ流すのは悪 札幌五輪誘致での秋元市長の煮え切らない態度です   一人の子どもも取りこぼさないのは善 一人の子どもも守れないのは悪 登校拒否を起こしている子は学校には戻らない   内閣不支持率と真摯に向き合うのが善 内閣支持率に一喜一憂しないのは悪 どちらも現実逃避して聞く耳持たぬ内閣です   二議席失うのは望ましい善 二議席獲得するのは望ましくない悪 徳島と長崎の補選は1勝1敗でもよしとしてはならない   可能な限り資産没収できるなら望んだ善 法人格剥奪だけなら生き残れる悪 旧統一教会への解散命令のダメージは限定的でしょう   当事者の声を聞くことは当たり前の善です 当事者を無視した思い上がりは当然悪です はびこる与党派の数を頼みの傲慢な採決にはうんざりです   平和を実現する権力の取り組みこそ善です 怨念をたぎらせたハマスの宣戦布告こそ悪です イスラエルはガザへの地上侵攻の準備を整えました 二つの戦争で莫大なエネルギーが浪費されます   辞典で言葉を調べるのは好ましい善 辞典を開くことなく言葉を貧しくするのを悪 10 月 16 日は米国の「辞書の日」で言語や文化について考える日です 日本語の辞書は 1341 年前に編纂されていることに驚かされます   ※日本では消失した『新名にいな』〔 682 (天武 11 )年〕 44 巻が最初の辞書として知られている。現存最古の辞書は、空海著『篆隷万象名義てんれいばんしょうめいぎ』〔 830 (天長 7 )年〕 30 巻。次いで奈良法隆寺学僧昌住著『新撰字鏡しんせんじきょう』〔 898 (昌泰元)年~ 901 (延喜元)年〕、源順著『倭名類聚抄わみょうるいじゅうしょう』(『和名抄』とも)〔 931 (承平元)年~ 938 (天慶元)年〕が知られてることから、奈良時代を経て平安時代の初頭にかけての 256 年間に最初の編纂活動が営まれている。   [2023 年 10 月 16 日書き下ろし。「善と悪」はまだまだ書き続けていけそうなテーマだ...

ごまかす

ごまかす 不都合な真実を曲げる 不利益な事象を隠す 不正な数字に変える   ごまかす 見破られぬよう注意を払う 整合性を工夫する 不正な数字が出て行く   ごまかす 疑念を抱かぬよう報告させる 裏切らぬよう集団を仕切る 不正な数字で体面を保つ   ごまかす 大半の数字の裏は取れない 結果は薄っぺらな評論で処理される 不正な数字が公認される   ごまかす 良心の呵責はない 手抜きがバレるはずはない 不正な数字で己をごまかす   ごまかす 同類はみな染まってる 下手に追求されたくない 不正な数字は闇に紛れる   [2023 年 10 月 15 日書き下ろし。不登校や病欠そしていじめと自死。その数字を論ずるときにひとりひとりの存在は希薄になる。中に不正があっても見抜けない ]

秋の夜長に

生殺し 解散理由 なぜならぬ 内閣は ぶっ飛ぶ覚悟と 自覚せし 灰色の 心のままで 欺く世 関わりを なしと振る舞う 無節操 重職は 闇の関所で お目こぼし 聖職を 汚せし悪行 天に唾 辞職には 応じぬ腹に 自尊心 老害は 長寿がうみし 政治悪 過ぎたれば 恥も忘れて 威圧する 巻き上げも 詐欺見破られ 信細る 献金が 途絶えて地売り 苦肉策 税免除 断じて認めぬ 求む罪 詐欺者らは 人を破壊し 生き血吸う  信心の 切なるおもい 刺さる悔い   五輪熱 冷めても火種 消せぬ恥 低飛行 望めぬ先は 白紙しか 決断の 鈍る政治に 次はない 商いに 種にはならぬ 五輪花  的外れ 民意を汲まぬ つけ払う 道産子に つけいる IOC  実入りなし 延長戦 一本取れず 負け決まる ダラダラと 引き延ばしても 飽きるだけ 観光は 五輪誘致で 功ならず 札幌は 暮らしたい都市 ナンバーワン   [2023 年 10 月 14 日書き下ろし。統一教会と札幌五輪誘致を取り上げた。日本で一番住みたい都市、札幌。そのランクは五輪誘致ごときで動くものではない。暮らし良さを再発見して意気上げよう ]

不愉快な男

挨拶をした 同じ集合住宅に住む男にだ 無視される もう一度挨拶をした 二度無視された 男は玄関口に向かった   抑えきれぬ怒りがわいた 不愉快な感情がしばらく残った 50 戸 150 人程度のコミュニティ 不気味な人間が平然と混じってくる   コロナ禍は近隣のつながりを疎遠にした 黙礼はまだいいほうだ 何のてらいもなく挨拶すら拒否する 挨拶を避けるように通り過ぎる マスク越しの無表情が定着した   仕事をしている 人との関係を断つ者たちが巷に溢れる 家族を扶養している 哀れで疎ましく情けない者たちが地域で居直る ここで暮らしている 没交渉を通す者たちが世間で幅を利かす   一人で生きているような錯覚 他人と関わることを拒絶 世間が干渉できぬ黙認   不意にむきになった自分を笑った この程度のことでいちいち相手にしては身が持たぬ 無関心と無視こそが日々の平穏を約束する   [2023 年 10 月 14 日書き下ろし。つながりを拒否する者たちがコミュニティの中で孤立することを選択する。各地で起こる地域福祉の衰退に打つ手なし ]

食欲の秋

味覚の秋 道産子にはたまらない季節到来 すでにイクラはいただいた 毎年自前のものをいただく 苦手な師も旨いと褒めてくれた   12 日師夫妻と白老にある民族共生象徴空間ウポポイに出かけた 秋晴れの中道央道を快適に走る 高速インターを下りてかって勤めた小学校に案内した 校門の横にタイル画が飾ってある 1981 年卒業記念に制作した作品だ 前年の国際障害者年のマークや赤十字のマークも 子どもの T シャツに刻まれていた 裏面には 78 名の児童名がモルタルにカタカナで刻んだ 42 年の風雪に耐えながらいまだメッセージをうちに秘める 学年を担当したのは今春亡くなった大矢忠征先生だった   ウポポイでは踊りや歌や楽器の演奏に魅了された チセ(家)の見学を終えて国立アイヌ博物館を見学する 野幌の北海道立博物館の所蔵品の方が豊富だ 今日も福岡からの修学旅行の高校生たちと行き交った アイヌ文化の概要を短時間で学ぶにはいいだろう それにしても 3 人で 3 時間ほどの見学になった 昼も大幅に過ぎ 14 時半近くになっていた 歩数計を見ると 5000 歩は越えていた   旧知の店「牛の里」に二人を案内した オーナーが妹の同級生で懇意にしていた 厨房にいたオーナーと再会を喜び合った きっと残念がるだろうから今度は妻を連れてこよう 高価な牛肉は口に出来ないがハンバーグをいまも買い続ける 三人は定食の焼き肉を注文する 炭火で焼かれる焦げた牛肉の煙と匂いが食欲をそそる それぞれおもいの焼き具合でいただく おいしいと舌鼓をうちながら 80 代のお二人は口にほうばる いつも食欲のなさを訴えていた二人が見事に完食した それが一番嬉しい今日の出来事だった   秋の風に吹かれながらの学習と運動の相乗効果 食欲の秋を満喫する心地よさは牛肉で総括して帰路についた   [2023 年 10 月 12 日書き下ろし。 3 人の一日体験学習旅行。 1 年前は箱館戦争の史跡を訪ねた。まだまだ歴史探訪の旅は続く ]