マリオポリの任務完了
打ち上げ花火のしだれ柳のように焼夷弾が炸裂していく
アゾフスターリ製鉄所は最後の砦だった
責めあげぐロシアの制圧を首の皮一枚で戦い続けた
マリウポリの市街地が激しく侵略された
包囲された製鉄所を要塞にして二ヶ月半戦い続けた
ロシアの兵糧攻めにも耐え多くの市民と踏みとどまった
生後間もない乳飲み子も暗い地下壕にいた
4月下旬国連や赤十字国際委員会の関与によって
一部市民の退避が実現するがロシアは時に約束を反故する
5月7日ようやく市民の救出が完了したと報告された
それでも1000人の兵士と500人の負傷兵が残された
アゾフ連隊のプロコペンコ指揮官は16日SNSで降伏を告げた
「多くの困難があったがマリウポリの部隊は任務を完了した」
重傷者53人を含む264人が退避し東部の親ロシア系支配地域に移動した
捕虜となり戦犯としてロシアの厳しい尋問を受けるだろう
83日間はウクライナには重要な時間稼ぎとなった
侵攻され劣勢に回ったウクライナ軍の再編成
海外からの武器の供与と兵器の操作技術の習得
志願兵の訓練や軍事物資の補填そして兵站ルートの確保
アゾフ連隊の戦闘士気の高さと勇敢さ
苛酷な状況にある地下壕の市民の胆力
凄惨な情報は逐一世界を巡り支援と共感の輪を広げていった
その間世界はロシアの残忍性を目の当たりにしてきたのだ
彼らが武器を置いた時から新しい展開が始まる
長期戦を覚悟した祖国防衛の戦いの本当の始まりとなる
領土奪回の熾烈な戦いは予断を許さぬ
ハルキウからのロシア軍の後退は反転攻勢の兆しとなる
焦土と化した街に戻った市民の憤怒はロシアへの脅威となる
〔2022年5月18日書き下ろし。米大統領バイデンも韓国と日本を訪問する。お土産ばかりになろそうだが、北朝鮮の挑発も注視したい。この戦争は中国も北朝鮮も釘付けとなる。このままロシアが勝利することは日本の脅威ともなる。ロシア国防省は、ウクライナ東部で激しい攻防を続けてきた要衝マリウポリについて20日、ウクライナ側の部隊の司令官を含む2439人が拠点としてきた製鉄所から投降したとし、マリウポリ全域を掌握したと発表した〕