想い出に在る

存在の証明は他人によってなされる

自己を否定しても他人の中に在る

 

存在の是非を問うのは不文律である

人間を選別する傲慢さを糺弾する

 

存在を自覚せねば時間に埋まる

他者を認識できねば孤立する

 

記憶によって存在を認知する

過去の想い出に存在を見出す

 

いまの存在意識はいま働くしかない

忘却をさいなむ葛藤とともに在る

 

時に混乱し時に攻撃し自己確認する

心の形相は疑心や不安を生み出す

 

認知する力の衰退は平穏な日々を求める

想い出は存在したことをいまに甦らせる

 

周りの戸惑いを痛く感じつつ生きる

幸せの断片をつなぎ合わせて生きる

想い出に在る喜びの時を抱きしめ生きる

 

2022719日書き下ろし。ふと母を想った。彼女の幸せな想い出は何だったのかと。心労をかけた息子をいまも母は心配しているかと。アルツハイマー症治療薬の開発はいまも手探りが続く]

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