衝撃を越えて
30年冬季五輪誘致合戦
ソルトレークシティーとバンクーバーがしのぎを競う
札幌には何のポリシーすら感じない
カナダ西部ブリティッシュコロンビア州最大の都市バンクーバー
人種は白人6割 中国系1割 先住民6%(2011年)
9月4日カナダ中西部サスカチワン州で住民が相次いで刺された
10人が死亡し18人が負傷した殺傷事件は犯人が死亡し動機が不明だ
先住民居住地区「ジェームズ・スミス・クリー・ネーション」だった
根強く残る侵略者の人種差別の異常な殺戮はいまだ払拭されない
カナダでは1800年代後半から1990年代にかけて政府の同化政策が行われた
先住民の子ども約15万人が139か所あるカトリック教会の寄宿学校に送られた
多くの子どもが教職員から身体的性的虐待を受けた
病気や栄養失調・ネグレクトによって数千人が亡くなった
21年5月以降各地の寄宿学校跡地から墓標のない墓が1300基以上見つかった
ローマ教会のフランシスコ教皇は教徒が先住民に犯した悪行を謝罪した
100年にも及ぶ児童虐待の歴史は悪の布教となり差別を助長し容認した
カナダの白人支配は米国のように先住民を居住地に追いやった上に
カトリックの信仰を教化する学校に子どもを送り見殺しにした
戦慄が走った衝撃的な事実である
五輪憲章を実現するにふさわしい都市はどこか
IOCのリーダーたちもそう遠くない日に去る
ぼったくりと揶揄されようが大金抱えて神に召される
せめてもの罪滅ぼしに五輪憲章に立ち返る機会を与えよう
先住民族が主導する五輪の実現
6月招致を目指すカナダオリンピック委員会(COC)は
先住民族と政府との「和解」を強調する大会コンセプト案を発表
スコーミッシュなど四つの先住民族を加えた検討委員会で計画を練る。
背景には大会開催に伴う投資を先住民族との和解を進める一助にしたい
招致が決まれば先住民族の土地に選手村を建てる計画だ
政府の思惑通り簡単にはことは進まない
7月の世論調査では州住民の賛成54%でソルトレークに後れを取る
前回の10年大会後不動産価格が高騰し五輪の開発が原因だと反発する
大会の後始末の不手際もあり経済効果も不透明なままでは反対するしかない
さらに26年のサッカーワールドカップを筆頭に大規模なスポーツ大会が相次ぐ
前例のない仕事量に忙殺され誘致計画と準備を担う能力は市にはないという
一方10日IOCが開催地を正式決定する総会を来春から来秋に延期した
IOCの思惑は気にかかるが誘致計画を練る時間がここにきて見直される
闊達な意見交換しながらまずは検討委員会で「和解」ついて議論を深めたい
議論を広く公開することで「信仰深き者」は懺悔とともに共生を求めるだろう
不幸なる事実を乗り越えるムーブメントを起こす機会ともなりうるか
バンクーバーの市民の動向にも注視したい
[2022年9月12日書き下ろし。民族として生きることへの苦渋や迫害を否応なく現実化しているのが中国でありロシアである。カナダも米国も多民族国家とはいえその差別や階級意識は社会に蔓延している。五輪開催の意義を改めて問いたい]