されど我あり
誰かの目線を痛く感じた
誰かのまなざしに射られた
誰かが柔らかな光を放った
誰かに導かれた
解き放された己がいた
誰かの懐だった
抱かれた己がいた
誰かのぬくもりだった
安堵する己がいた
時の流れに身を委ねつつ
時の流れに逆らうことなく
時の流れのままに身を横たえる
約束できない時が止まる
約束できない時との別れ
約束できない命の終焉
誰かにささやかれても
誰かに手を引かれても
誰かの意のままにならぬよう
せめて
抗いなから
時との別れをしばし惜しもう
[2022年9月28日書き下ろし。己の人生は誰かに導かれていることを知る。時の流れの中に抗うことなく身を置くいまがある。されど誰かの手中からの離脱を]