抑圧下の民
長い歴史で虐げられてきた隷従の民たち
専制と弾圧の下で反意を放棄した民たち
威嚇され脅迫されて縮こまる無気力な民たち
絶対統治という虚構の神話を信じる民たち
思考も選択も洗脳され操られる民たち
物質文化を優先し精神文化をなおざりにした民たち
辺境の地も独裁者に支配された貧しき民たち
思想統制され反意は許されず口を閉ざす民たち
地下に潜るしかないレジスタンスを企てる民たち
豊かさを享受する者たちを傍観するだけの民たち
民族の経済格差は大きく広がり差別を容認する民たち
一つの国にはなれぬ支配層と分離された民たち
世界の終わりすらあり得る中で従順さを示す民たち
戦争を仕掛けた噓の情報統制下に押し黙る民たち
無力であることを常に求められた貧しい民たち
幾ばくかの恩恵を与えられることで納得する民たち
戦死しても広大な大地では小さな結果でしかない我慢の民たち
生きていくことだけで精一杯の忍従の民たち
国土防衛の思想を植え付けられて兵士になる民たち
大義なくただ命令で戦うだけの虐げられた民たち
国力は核の保有で息巻くことに疑問ももたぬ哀れな民たち
戦禍にあわねばそれだけでも幸いと日々の平穏を祈る民たち
貧困は病魔と飢餓を取り込み恐怖に晒され生きる民たち
為政者は私利私欲を巧みな噓で塗り固め死路へと誘われる民たち
暴政は核を人質にしてともに戦うと戦意高揚に拳を握る民たち
負けられぬ泥沼に引きずり込まれて一致も察知もいかなくなる民たち
負けるとどんな迫害を受けるかを刷り込まされた無知なる民たち
負ければ膨大な賠償を払い続けなければならぬ侵略国の民たち
勝っても果たして生きていけるのか何の保障もなく抑圧下に生きる民たち
世界中を敵に回したつけが孫の代まで苦しめることを知らねばならぬ民たち
その前に核のボタンが押され世界は破壊され被爆し死にゆく民たち
狂気の独裁者たちは理性を崩壊させ破滅への道をひたすら進む
[2023年2月24日書き下ろし。核を巡るおぞましい事態が起こっている。抑圧下の民は一体どのような存在なのか? ロシアのウクライナへの侵攻も今日1年を迎える]