入力拒否

インターネットを利用する

セキュリティーが強化される

登録したパスワードの他に本人確認の手続きがある

何度トライしてもはねつけられる

戸惑う

しまいにはパスワードの変更を余儀なくされる

手持ちのパソコン・iPad・携帯まで影響する

さらに忘れぬよう手帳に書き付ける

なんといいう手間のかかることか

 

それでも解決されない事態が起きた

札幌に1行しかない銀行に出向くしかない

1時間かけて手続きを終えて帰宅した

さっそく取りかかる

今度はパスワードの他に電話番号の入力画面が表示された

携帯とばかり入力するがはねられる

大阪で仕事しいていたときに作った通帳

まさか札幌の自宅の電話番号を入力していたとは思い至らず

再度銀行まで出かけて確認して携帯番号に変更した

ようやく一段落ついた

また銀行がセキュリティーの強化といって策を弄したら

もう記憶の残骸を寄せ集めるだけでは対処できない

デジタル社会に生き延びるすべを持たない高齢者の一人になってゆく

 

銀行のATM(自動現金預入払出機)の前で

カードを使えずたじろぐ老人がいる

暗証番号が思い出せない

どこかにメモしていたはずなのに

バッグの中をかき回すがヒットしない

行員がサポートして対応する

結果パスワードの変更を余儀なくされた

 

次回パスワードを入力した

拒否された

またもパニクった

入力したのは以前のパスワードだった

変更したことを忘れていた

そのメモは見当たらなかった

再度パスワードを変更した

認知度がだんだん落ちてくる

情けなさに泣きそうになる

もう一人では用を足せなくなりそう

この先の不安は募る一方だ

 

母の時代はハンコだった

認知症を患った母はハンコを大事にしまい込んで忘れた

印鑑の変更を毎度した

行員も優しく対応してくれた

亡くなった後十本ほどの三文判が出てきた

 

2020年認知症患者は602万人(厚労省の推計)

65歳以上の1617%を占める

2060年には850万人

四人に一人と推計される

デジタル時代に生き残るには…

どうする高齢者!

 

日本のセキュリティーは世界で最も緩い国だという

マイナンバーカードもハッカーに荒らされたら怖い

9日ハッカー集団「アノニマス」が難民政策に抗議して

法務省のHPにサイバー攻撃を仕掛けた

安心安全の国の幻想は手から砂が落ちるように崩れてゆく

 

[2023511日書き下ろし。デジタル時代に対応不可の事態が次から次へと起こってゆく。対処できずに自分を責める理不尽な時代]


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