炭鉄港を巡る旅
1857年松浦武四郎が赤平に流れる空知川に
露頭した石炭層を発見した
箱館戦争後明治政府に仕えた旧幕臣
榎本武揚や地質学者ライマンが調査し
空知で初めて炭層が確認された
時代は富国強兵・殖産興業を押し進めた
産業機械・技術を導入
軍事・鉄道・鉱山・通信・造船などの官営工業や
紡績・製糸などの繊維工業を振興し産業基盤を整備する
近代産業は軌道に乗り日清・日露戦争に勝利した軍事力へと直結する
石炭は近代産業の重要なエネルギー資源だった
赤平・美唄・三笠・夕張・岩見沢などにいまも炭鉱の址が残る
採掘された石炭を大量に運搬するには鉄道の敷設しかない
鉄道は小樽と室蘭の港を結ぶ二系統
小樽は原石のまま船積みされる
室蘭には製鉄所を作る
コークスに変えて溶鉱炉で鉄鉱石から鉄を取り出す
1881年道内に初めて月形に樺戸集治監が建てられる
全国から集められた囚人は道路の敷設や石炭採掘の苦役に従事する
翌年空地集治監が三笠に建てられる
収監者数は道内の集治監で一番多く石炭の採掘を目的とした
炭鉱労働に囚人を用いたのは殺しても後ろめたさがなかった
ロシアがウクライナとの戦争で
劣勢の中囚人を釈放し前線に立たせたことと変わりない
使い捨ての労働力であり兵士だけのことだった
炭鉄港構成文化財を巡る旅を企画した
そもそも北海道の開拓の功績は囚人たちであった
あるいは強制的に連行された朝鮮人たちであった
虐げられた人たちが過去いたその地に立ちたい
師のおもいをどのようなルートに乗せていくのか
広範な炭鉱地帯を1泊2日で巡る旅のプラン
月形の樺戸集治監本庁舎(博物館)を皮切りに
6月の風に吹かれて万緑の大地を走る
原生林を切り開いた先人たちへの敬意と感謝を込めつつ
語りきれない広大な故郷の歴史探索の旅は続く
[2023年5月23日書き下ろし。去年箱館戦争の史跡を巡った。榎本武揚が石炭に関係しているとは知らなかった。彼は18のときに蝦夷地そして樺太に渡っていた([武揚伝]佐々木譲)。その因縁がもたらす旅か]