鹿肉のシチューと介護士たち
14日2回目の振る舞いをした
十勝の友人からいただいた鹿肉
7キロもある鹿肉を料理する
寸胴鍋に2回分に分けて作る
2週間ほど前の段取りを修正した
市販のビーフシチュールーも買い増しする
提供する時間に合わせ早めに準備にかかった
前日から解凍していた肉の塊
一晩経っても凍ったままだった
短めの刃の包丁を入れる
この日のために買い求めた包丁だ
肉に深く差し込み切り口を広げる
切り取られていく肉片はボールに入れた
凍っている中央部位は放置して自然解凍を待つ
3キロほどの肉片をさらに厚切にして細かくした
小さめの鍋の熱湯の中に入れ表面が白くなるのを待つ
鍋から出して大ざるに移して水流で洗う
余分な油も余計なアクもきれいに洗い流す
3度ほどで1回目の肉を処理した
大ざるいっぱいの肉片を寸胴鍋に入れた
その上から赤ワインを一本分入れて火を付けた
卓上のガスレンジで肉は野生の臭みを和らげる
煮込んでいる間に野菜の始末に追われる
先に皮を剥いたニンジンとタマネギをカットする
ニンジン8本タマネギ10個は別の鍋で炊かれる
ニンジンがなかなか軟らかくならないのでこうした
さらに長いもの皮を剥いて輪切りにして鍋に入れる
概ね赤ワインでの始末の終わった寸胴鍋にトマトケチャップを投入
トマトの酸味と甘さが市販のルーにマッチングする
野菜を同鍋に入れてしばらく馴染ませルーを入れる
11時半を目安に1回目の鍋を出す
若い介護士たちが休憩室に集まり始めた
早めに来た子は待ちきれない様子でおたまを取る
小さな器にいっぱい盛って持参の弁当を開く
何杯までおかわりできますかと聞いてくる
3杯までなら大丈夫かなと答えておく
帯広の知人に電話口から若い子らが一斉にお礼を伝える
知人は嬉しそうな声を出していた
さて1回目は1時間ほどで間に合わなくなるだろう
2回目の鍋の準備を怠りなくしておく
15時までの間にシフト別に三々五々やってくる
鍋の肉が切れたところで2回目投入
野菜もすでに煮上がっている
13時半までの休憩に間に合わせて13時には仕上げたい
その時間を待ってる若い介護士たちの期待が嬉しい
ルーが足りず厨房から急遽中濃ソースを借りてくる
味を調えようやく提供する
部署の部屋まで仲間の分まで運ぶ子もいる
肉の大きさと多さに舌鼓を打つ
女の子が躊躇いがちにいいですかとおかわりする
好きなだけお食べと促すと可愛い笑顔が返ってきた
2時半を過ぎる頃にまだありますかと入ってくる男の子
事前に知って弁当は白米だけだった
旨いを連発しながら1杯2杯と結局6杯食べて満足した様子
まだかなり残っていたので強引に他の子にも食べてもらった
15時までに概ね50人ほどに味わってもらって終了した
新卒の子が初めて食べて美味しいと嬉しそうにしていた
来年も鹿肉が手に入ったらいいねと返事した
事務のスタッフが余ったものの片付けを手際よくしてくれた
そこに二人の男の子がまだありますかとためらいながら入ってきた
スタッフはすぐにカップにあけて二人に差し出した
昼に食べた味が忘れられずもしも…と来てみたという
さてさて次回は7時間もキッチンに立っていられるのか
一抹の不安がよぎった
[2023年12月17日書き下ろし。いい時間が流れていた。普段コミュニケーション出来ない特養ホームで働く子らとのつかの間のふれあいが嬉しい。来年体力が持つかどうかがそもそもの問題となる]