鹿肉のシチューと介護士たち

142回目の振る舞いをした

十勝の友人からいただいた鹿肉

7キロもある鹿肉を料理する

寸胴鍋に2回分に分けて作る

 

2週間ほど前の段取りを修正した

市販のビーフシチュールーも買い増しする

提供する時間に合わせ早めに準備にかかった

 

前日から解凍していた肉の塊

一晩経っても凍ったままだった

短めの刃の包丁を入れる

この日のために買い求めた包丁だ

肉に深く差し込み切り口を広げる

切り取られていく肉片はボールに入れた

凍っている中央部位は放置して自然解凍を待つ

 

3キロほどの肉片をさらに厚切にして細かくした

小さめの鍋の熱湯の中に入れ表面が白くなるのを待つ

鍋から出して大ざるに移して水流で洗う

余分な油も余計なアクもきれいに洗い流す

3度ほどで1回目の肉を処理した

 

大ざるいっぱいの肉片を寸胴鍋に入れた

その上から赤ワインを一本分入れて火を付けた

卓上のガスレンジで肉は野生の臭みを和らげる

煮込んでいる間に野菜の始末に追われる

先に皮を剥いたニンジンとタマネギをカットする

ニンジン8本タマネギ10個は別の鍋で炊かれる

ニンジンがなかなか軟らかくならないのでこうした

さらに長いもの皮を剥いて輪切りにして鍋に入れる

 

概ね赤ワインでの始末の終わった寸胴鍋にトマトケチャップを投入

トマトの酸味と甘さが市販のルーにマッチングする

野菜を同鍋に入れてしばらく馴染ませルーを入れる

11時半を目安に1回目の鍋を出す

若い介護士たちが休憩室に集まり始めた

早めに来た子は待ちきれない様子でおたまを取る

小さな器にいっぱい盛って持参の弁当を開く

何杯までおかわりできますかと聞いてくる

3杯までなら大丈夫かなと答えておく

帯広の知人に電話口から若い子らが一斉にお礼を伝える

知人は嬉しそうな声を出していた

さて1回目は1時間ほどで間に合わなくなるだろう

 

2回目の鍋の準備を怠りなくしておく

15時までの間にシフト別に三々五々やってくる

鍋の肉が切れたところで2回目投入

野菜もすでに煮上がっている

13時半までの休憩に間に合わせて13時には仕上げたい

その時間を待ってる若い介護士たちの期待が嬉しい

ルーが足りず厨房から急遽中濃ソースを借りてくる

味を調えようやく提供する

部署の部屋まで仲間の分まで運ぶ子もいる

肉の大きさと多さに舌鼓を打つ

女の子が躊躇いがちにいいですかとおかわりする

好きなだけお食べと促すと可愛い笑顔が返ってきた

 

2時半を過ぎる頃にまだありますかと入ってくる男の子

事前に知って弁当は白米だけだった

旨いを連発しながら12杯と結局6杯食べて満足した様子

まだかなり残っていたので強引に他の子にも食べてもらった

15時までに概ね50人ほどに味わってもらって終了した

新卒の子が初めて食べて美味しいと嬉しそうにしていた

来年も鹿肉が手に入ったらいいねと返事した

 

事務のスタッフが余ったものの片付けを手際よくしてくれた

そこに二人の男の子がまだありますかとためらいながら入ってきた

スタッフはすぐにカップにあけて二人に差し出した

昼に食べた味が忘れられずもしも…と来てみたという


さてさて次回は7時間もキッチンに立っていられるのか

一抹の不安がよぎった


[20231217日書き下ろし。いい時間が流れていた。普段コミュニケーション出来ない特養ホームで働く子らとのつかの間のふれあいが嬉しい。来年体力が持つかどうかがそもそもの問題となる]

 

 


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