後追いのもの悲しさ
80をゆうに超していた
老夫婦で慎ましく暮らしていた
昨年から体調が思わしくなかった
昨秋に妻が先に逝った
ひとり残された
娘が時々顔を見せた
独り身には夜がこたえた
寂寥の感は降る雪ごとに深くなった
縁ある人に電話した
近況を聞かれ心の内をつぶやいた
彼の心遣いが身にしみた
一枚のカレンダーを所望した
訃報は突然だった
倒れていたのを家族が見つけた
先立った母が父を呼んだのだろうか
男はひとりになると心もとない
いみじくも
そのことを伝えて逝った
その背に我が行く末を案じるしかない
80の齢を越えると加齢に抗うことなく生きる
80の齢を越えたら出来なくなったことを受け入れる
まずは80の齢をともに越えられたら妻と安堵したい
〔2024年1月11日書き下ろし。知人が亡くなった。ご冥福を祈る。妻に先立たれると男は弱るのは世の常か〕