民生委員はレスキューできない

15日岩見沢市民児協に招かれた

講演の冒頭能登半島地震に触れた

被害者への哀悼の意とお見舞いを述べた

さらに民生委員はレスキューできないと詩編を読んだ

 

東日本大震災でも多くの民生委員が犠牲となった

その教訓から有事の際には我が身が優先された

それでもなお民生委員に要援護者への支援が求められている

責任感の強い民生委員は我が身を投げ出しても動くだろう

そんな活動だと暗黙に世間も期待している

 

割り切れない思いを持って悶悶としていた

災害が起これば民生委員が助けてくれる

地域も当事者も町内会も大きな誤解をしている

レスキューできないときっぱりと伝えたかった

発災時まずは自分と家族の身を守るとこが優先される

当たり前の行動を取らねば次の行動はない

 

東日本大震災の時に家族共々避難した

その途中夫は近隣の高齢者を助けに走った

津波が襲って夫を飲み込んだ

世間はその行為を称えた

妻は生きていてほしかったと涙を流した

大黒柱を失ったその後の暮らしは厳しかったに違いない

世間はすぐに忘れていく

 

民生委員も地域の人もやれることは限られている

過大な期待や行動を求める事は社会的責任の押しつけに過ぎない

能登半島地震での被災地の惨状を見るにつけ何もできないのだ

電気も水も止まり食糧も燃料も不足していく

避難所に移動できた人と出来ない人の現実があらわになった

行政主導で為さねばならぬ現実に職員もまた被災者である

国が迅速に動かねばならぬ局面で果たして動いたのか

阪神淡路大震災から多くの地震に見舞われてきたその教訓が生きたのか

東日本大震災でも海岸線の被災地へつながる道路が渋滞した

救援の物流が滞り救護活動も遅れた

能登半島地震では幹線道路の多くが陥没や地崩れを起こした

孤立した集落も多く難儀を強いられた

 

マスコミのヘリコプターが上空から被害の状況をレポートする

なぜすぐに自衛隊のヘリコプターを飛ばして先に被害を把握すべきだった

マスコミはレスキューできないししない

県レベルの要請の判断を待つのでは遅い

国はヘリの飛行を規制し自衛隊を派遣し緊急救助をすべきだった

物流もヘリで運ぶことができただろう

避難移動に船舶も使えただろう

道路は渋滞するのは予想できた

さらに降雪が復旧作業を阻み重機以上にダンプが動けない

何を優先すべきかそのシミュレーションすら疑問に思う

 

家をなくし茫然と立ち尽くす

無意識に玄関口のガラス片を素手で拾う

混乱し何をどうしてよいのか路頭に迷う

余震が続き恐怖心が呼び戻される

災害は無差別に情け容赦なく暮らしを叩く

 

多くのレスキューの専門家たちが現地で動く

道路も土木も水道も電気も復旧作業に全力を尽くす

自衛隊も介護福祉や医療の従事者も支援に全力を尽くす

その姿に折れた心が少しでも和らぐことを祈るしかない

近隣の助け合いで心に余裕が生まれれば幸いだ

きっと民生委員も動いていることだろう

 

岩見沢市は11年前大雪で数日道路が埋まった

北見市でも過去に3日間孤立した

動くに動けない事態に自衛を求められる

日頃の近隣のつながりが命を守る鍵となる

民生委員はそのつながりをつくるネットワーカーかもしれない

いま一度民生委員はレスキューできないことを強調したい

会場では頷く委員が多くいた

講演後あのようにはっきり言ってもらえてよかった

もしもの場合悔悟を引きずるようなことがあってはならない

責任感の強い民生委員にはようやく得心がいったようだった

 

来週から新任民生委員の研修で道内を巡る

詩編を配布しながら一緒に考えていこうと強く思った

今日17日は1995年の阪神淡路大震災の日である

ボランティア元年と言われ災害支援ボランティアが活躍した

民生委員は100年以上にわたってボランティアの歴史を綴る

頭の下がるおもいで感謝しながら研修に臨みたい

 

[2024117日書き下ろし。16日投稿出来なかった分を併せておもいを綴る。能登半島地震の復旧が進むよう心より願う]


このブログの人気の投稿

跋渉はかなわぬ

こんなもんさ

職歴とは何か