名寄にて
道民児連主催の新任民生委員の研修がスタートした
前夜名寄市にバスで移動し無事チェックインした
30年近い再訪となった
当時社協の招聘を受けボランティア講座を担った
雪深い街だったが思いのほか少なかった
最初の研修会の対象管内は留萌と上川だった
上川管内は吹雪いていて富良野までのJRは運休していた
名寄から北の稚内に続くJRも止まっていた
日本海沿岸の天塩は正月から大雪に見舞われていた
名寄まで来るには峠越えか留萌を経由するには遠すぎた
当日名寄市内の民生委員が集まってきた
天塩のメンバーも定時には着席していた
きっと昨夜前泊したのだろ
時間ギリギリで上川町が到着した
滑り込んだのは富良野市だった
予定の参加者が全員揃った
悪天候にも関わらず遠方から車を走らせて来ていただいた
それだけでもありがたいことだった
今回は特に役員の参加が半数を占めた
現任研修は夏に14管内を巡る
他の講師を擁しての研修会で多くの委員が集まる
新任研修は法制研修であり義務である
22年に委嘱された委員の多くは昨年の冬に受講した
都合で未受講の委員を対象とした研修である
にもかかわらず単位民児協の役員が揃って一緒に受ける
従来引率を兼ねて参加した役員は散見されたが半数とは驚きだ
この研修の方法はすでに5年目を迎えている
受講した委員も3000人を超え全体の3割に達している
詩を教材にしたワークショップの評判も少し上がったのかもしれない
新任が持ち帰るテキストを手に報告を聞いて関心が湧いたかもしれない
一度どんな研修なのかを体験しようと申し込んだのだろうか
名寄市と上川町の役員がこぞって参加し新人時代に帰る
7つのグループに地域と新人と経験者を混ぜた構成をした
グループは最初から和気藹々の雰囲気から始まった
冒頭能登半島地震の犠牲者への追悼と一刻も早い復旧を願った
そのうえで民生委員は「レスキューできません」という詩編を紹介した
テキストにはない地震の1週間前に書き下ろした詩だった
なにか因縁めいた怖さを感じた
事前に配布した「災害に備えるハンドブック」(道民児連発刊))に触れた
定期的に民児協内での研修もお願いした
「ひと物語を始めよう」からスタートした
面白がってChatGPTに批評させるとすこぶる評価が高かった
いまどきのAIは人間の感情表現にも適応していると付け加えた
グループワークの最初の詩編を朗読した
「君だけのうたがある」
八代亜紀が亡くなったことがきっかけだった
札幌からのバス中YouTuberで藤圭子との競演を聴いてきた
グループで想い出の唄を語り合う笑い声が広がった
農作業のときに「365歩のマーチ」を口ずさみながら前に進む
元気にいい発表を聞きながら前に前に歩いて行こうと熱くなった
テキストの詩編は84編ある
せいぜい紹介できるのは15編程度だ
そのうち3編をグループワークの教材となる
共感してもらわなければならない外せない詩もある
90分の制限時間いっぱい走らなければならない
途中「稼いで半人前」という寸劇を披露する
演ずるのは地元名寄の劇団「なよろーず(名寄のバラ)」である
マイクの調子がいまいちだったが上手なもんです
民生委員は役者揃いで3年ぶりに寸劇が実現した
大好きな「めんこいしょ」も突然指名し朗読してもらった
どんな役割が当たるか参加者も面白がってくる
話の寄り道は若いときの想い出を語った
天塩で30年前留萌管内のヤングボランティアフォーラムを開催した
その時であった少女が野球一筋でいま栗山高校で女子野球部の監督をしている
天塩の委員に同級生がいると目の前に座っていたことに驚いた
正月に配布した情報誌「アンテナ」から「民生委員になっちゃった」
なった動機や経緯などからいまの気持ちを語り合う
なぜ引き受けてしまったのか
その思いを未消化のまま帰すわけにはいかない
経験者も初心に帰りなぜ続けてきたのかを語る
堅苦しい組織では硬直することを感じ取っただろう
この何気ない受け止め方に人は安堵する
この雰囲気をつくり出すのは先輩諸氏であり役員である
それぞれが戻って何をすべきか課題を見つけてくれることを願った
「見えない糸を織る」を朗読する
民生委員になったことの出会いの妙を描いた詩編で自己対話する
話し合いの後もう一度心静かに自己と向き合う
動と静の忙しい展開が時間を忘れていく
グループワークの〆は「ありがとう」
この言葉のあたたかさと認められる喜びを語り合う
感謝の気持ちがお互いに通い合えば仕合わせになれそう
民生委員活動を通して確かめあう魔法のことば「ありがとう」
そんな思いも込めて「仲間よありがとう」を朗読する
ひとりにしてはならない
決してひとりではない
そう言い聞かせるように仲間としてしっかり受け止めてほしい
3年前に起こった旭川の廣瀬爽彩さんの自死は避けられない
「銀の涙は舞う」を朗読する
そして母子家庭で頑張る母と子のバラードを披露した
ラストスパートをかけた
富良野市のマップづくりの実践を紹介した
根室管内中標津町から視察研修に来た事例だ
富良野の実践をレクチャーされてごちそうさまですという研修ではない
遠路はるばる来られた仲間たちと合同研修をしたのだ
グループに分かれ協議した内容をレポートにまとめた
互いに学び合う場を創造していることの価値を訴えた
これからの視察研修のあり方を示唆していた
足腰の強い民児協づくりに相互研修という場を活用するのである
お別れの時間が来た
エピローグで用意した「生まれてきた理由」
朗読を終えて感傷に浸る時間を経て
感謝を述べて終えた
別れ際遠路はるばる来てくれたと感謝された
楽しかったと笑顔で挨拶された
そう感じてテキストを読み返していただければ
それだけでもありがたい
私を待っている人がいるという事実が
私をこの研修に突き動かしてゆく
待つ人の存在こそがベストを尽くす理由だと肝に銘じた
札幌周辺は荒れていた
名寄からレンタカーで走り旭川から札幌行きのバスに乗った
たった5人の貸切状態だった
JRで戻る道民児連のスタッフの動向を気にしながら
定刻に時計台前で降りた
地下鉄そしてバスに乗り21時前に帰宅した
名寄市役所を出てからから5時間経っていた
[2024年1月25日書き下ろし。24日名寄から旅は始まった。これから8カ所を巡る。冬期間の天候が心配だ。25日札幌は丸一日吹雪いている]