軟禁生活からの解放
コロナで拘束生活を余儀なくされた
妻がポツリと囁いた
能登の震災でコロナに感染した人は苦しかったろうに
避難場所にいても心苦しくて身の置き所もなかったろうに
水も出ず風呂にも入れず発熱で体臭も気になったろうに
食べるものさえ人様の世話になりながら食欲も失せただろうに
頼りになる家族も知人もバラバラにされ心細かっただろうに
たった5日間で拘束期間は終わる
薬を飲み終えて闘いの終わりを知る
死する病ではなくなった
治療専門薬は保険適用で2~3万円もする
私には無論買えない
能登の被災者がコロナに罹患しても保険料は負担できるのか
交通アクセスも途切れた村落で孤立した人もいる
診療所そのものが休業や廃院を余儀なくされた地区もある
医師も看護師も生計を立てられず離職するケースも目立つ
地域医療がいとも簡単に崩壊する現象を見せてくれた
半年以上経っても生計の目処の立たない人たちがいる
ニュースになるのは明るい話題が多い
復興に復旧に意欲的に立ち上がるポジティブさを見せられる
国も行政もネガティブな話題は避けたいだろう
批判的な記事はモチベーションを下げ復興への邪魔になる
光の当たる人はほんの一握りでしかない
傾いた自宅で生活せざるを得ない人たちを想像する
政府災の害復興財政支援はいつも大手の企業が儲け仕事を分割する
さてさて能登の田舎はそろそろ冬支度を始めねばならない
ライフラインの復旧も半年たっても進んでいない
断水の解消は各家庭の水道管の取り入れ口までだ
後は自前で水を引っ張れとは恐れ入る
蛇の生殺しのような事態が平然と続く
道路も港湾も復興工事は進んでいるのだろうか
家の解体や立て直しなど業者の手は足らぬのはわかりきっている
工場の再建には資金も資財も人もいる
伝統工芸だけが地域産業ではない
杜氏と漆塗りを全国にアピールするだけでは事足りぬ
復興の号令一下被害者はしゃかりきに働く
高齢者の施設では相変わらずの人手不足の中介護士がけっぱる
障がい児者の施設では不安を抱えなからも職員はけっぱる
預けるところがない人たちは356日介護と看護にあたる
厳しい現実に直面しながらなおも地に生きようとする人がいる
政治資金問題で空騒ぎの6ヶ月
ザル法が生まれただけで自民党は支持を失ってゆく
パフォーマンスばかりで内閣は信頼を失ってゆく
野党は政治的展望を示す事さえできず低迷する
国民は怠惰な政治に見切りをつけて無関心を決め込む
元旦に発生した能登半島地震は閉塞する社会を飲み込んだ
コロナはいまだ衰えてはいない
真夏日に自宅で発熱し喉をやられ咳が続き呼吸困難に陥る
熱中症を伴う合併症もありうる劣悪な環境に置かれた人がいる
助けてと言う声さえ出せず衰弱する人もいる
地域で残った人たちが最後の力を振り絞って助け合う
その地域が存亡の危機にあることを知らされる
何も手助けできぬことにもどかしさを覚え無事を祈るしかない
〔2024年7月15日書き下ろし。コロナに感染したゆえに見えてくる事。劣悪な環境下では快復が遅れるか、後遺症を残すか。あるいは…。想像は現実味を伴う〕