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8月, 2024の投稿を表示しています

過大評価

他者評価は厳しく辛い 自分には過大評価する だから信用がおけない   語る言葉に重みがない 実績を過大評価する だから見え透いている   やるべき事におもいがない 意欲を過大評価する だから空回りする   人への思いやりがない 上辺を過大評価する だから疎(うと)まれる   恥ずかしさを知らない 失敗を過大評価する だから図々しさが育つ   能力が高いと豪語する はったりをきかせて過大評価する だからいつまでもガキでいる   認められたいとあがく 誰にも劣らぬと過大評価する だから誰にも相手にされぬ   〔 2024 年 8 月 30 日書き下ろし。過大評価しなければ生きられないのもご時世か。特に政治の世界に少なくない〕

学ばぬ学べぬものたち

子どもに関わる教育研究できません 教材研究すらままなりません 雑務に追われてできません できない言い訳が通る世界です   求められても疲弊してます スキルアップもままなりません 蓄えた知識も技術でこなします それで通用させるずる賢さです   個人研究の質は問わないでください 研究の仕方がままなりません 指摘されてもそれまでです やらない前提で上司の指示を無視します   共同研究はいいカモフラジューです ついていくのもままなりません 研究同人で名前が載れば御の字です 何をどうしたのかを問われることはありません   自己研鑽に期待しないでください 本を読むことすらままなりません いまのままで稼げるだけでいいのです 好きなことに時間を使ってなぜ悪いのですか   保護者からはクレームもないことはないです 無にすることはままなりません 外面さえ良ければトラブルは予防できます 子どもを盾にするだけです   あえて学ぶのはクレーマーの対処法です もめれば解決もままなりません 無理なくマイペースで仕事できればグッドです あとは開き直ってやるだけです   何か言われたら辞めます 慰留されてもままなりません この手の求人は引く手あまたです 履歴書に新たな経歴が追加されるだけです   〔 2024 年 8 月 30 日書き下ろし。ある保育の現場での嘆きが聞こえてきた。人手不足だけではなく、自己研鑽という意識すら低下しているという〕

反省します

こんなこともわからないあなたが悪い 言った通り出来ないあなたが悪い 反省しなさい   なにを怒っているの どんなふうにすればよかったの 反省ってどうするの   教えた通りすればいいのに     みんなちゃんとやれたでしょ 飲み込みが悪い子なのね   子どもにかつけて反省できず   どこをどうすればよくなるの なにをどう直せばできるの 考えてもわからないから教えて   教え方が悪いっていうの 知りもしないで何言ってるの わたしのせいにしないで   指導に間違えはない 従わない子どもがいけない 指導がまずかったとは思わない 経験と自信の裏付けがある 指導を振り返ることはない 失敗を認めるなんて出来るはずはない わたしは正しい   子どもを理解する 子どもを心豊かに導く 子どもの心に添う わたしはちゃんとやってます   〔 2024 年 8 月 29 日書き下ろし。子どもを育てる現場では、実践を振り返り反省できない人も増えてきたという。さて子どものせいにする人を反省させるにはどうしたらいいのか〕  

欺く

敵を欺く 第二次大戦以降初めてロシアは領土に侵攻された 避難してきた住民の声も無視しテロ攻撃だと国民を欺く ロシア中部のサラトフの高層ビル無人機が突っ込んで炎上した 南部ロストフ州の石油貯蔵施設も攻撃され火災が発生した 自国が侵略されている戦闘状態を無視することはできない ウクライナはいかに停戦交渉を有利にするのか 劣勢挽回は味方の支援国さえも欺く作戦だった 賭けは命がけとなる ロシアは大量のミサイル攻撃で報復する 失地回復に向けた駆け引きが続く   国民を欺く 総裁の顔を変えるだけの選挙が始まる 信頼を回復する気などさらさらない 刷新を訴えても組織の体質に変化はない 経験不足の若手は消耗品となるだけだ 老練な者たちが陰で操り手中で遊ばせる いかに欺くか知恵の限りを尽くす   己を欺く 実行する能力がなくとも出来るかもしれない 指導する能力が足りなくとも何となるかもしれない 判断する能力が劣っていても知られなければいい 議論する能力を見透かれたら誤魔化すしかない 見識の低さだけは隠しようもなく恥をかく 政治の出来るやつだと欺くには時すでに遅しか それでも火中の栗を拾いたい欲に駆られる 強いリーダーと嘯(うそぶ)きながら己を欺くしかない   〔 2024 年 8 月 28 日書き下ろし。ウクライナとロシアの戦いを注視する。国内では果たせぬ口約束で騙し合い合戦が始まった。政治はやられたらやりかえせの世界らしい〕

民生委員あいうえお

ありがとうの感謝の心   いつでも相談ウエルカム   うなずく共感添う心   笑顔でつなぐ人の縁   恩をお返し福祉の心   〔 2024 年 8 月 27 日書き下ろし。民生委員への感謝と敬意を表したい〕

悔しさを抱きしめて

悔しさを抱きしめよ あざ笑う者を侮辱せよ 涙を拭(ぬぐ)うことなく抵抗せよ 卑怯な者を罵倒せよ 涙が涸れ果てるまで糾弾せよ 悔しさを抱きしめよ 怯えて声が出ないだろう 震えて言葉にもならないだろう 卑劣な者を許してはならない 無力であっても非力ではない 悔しさを抱きしめよ 心を虚しくしてはならない 心を折ってはならない 非情な者に従ってはならない 正義は必ず実現すると信じよう 悔しさを抱きしめて きみが信じた道を行け きみの求める道に立て きみは試練の道に向かう 〔2024年8月27日書き下ろし。理不尽な者たちに翻弄される者よ、負けるな!〕

少年の日に

抜けるような青空を独り占めする 清々しく吹き抜ける風を全身に浴びる 有り余り時間に自由の歓声をあげる   働くことは厭(いと)わなかった ずる賢さも身につけた 不安はいつも付きまとった   際限なく空想の世界に心を遊ばせる 許される限り自由を謳歌する 希望に満ちた未来に駈ける   日和ることもあった 羨むことが強かった 粋がっても心が折れた   短い夢の中で英雄になった 描いたことはみんな実現した 幸せを心ゆくまで味わった   拙い夢はいつも縮んでゆく 非力な姿を見せつけられた 中途半端な努力が足かせだった   少年の日に 誰もが何かに夢中になった 誰もが青い空を飛翔(と)んだ ひとり悩みの淵にいた子が忘れられない   〔 2024 年 8 月 26 日書き下ろし。少年の日、良きことばかりではなかった。それでも少年は夢を追いかけていたに違いない。ドロンとした目をした子を想い出した〕

感を取る

「感」を取ると靄(もや)が晴れる   刷新感 刷新するのではなく感じでいい 刷新する気などはなからない 醸し出すだけで十分だ   安心感 安心させるのではなく匂わすだけでいい 安心させる気などさらさらない 騙すだけで十分だ   安定感 安定させるのではなく不安を装う 安定させる気など元からない 混乱させるだけで事足りる   責任感 責任を全うするわけでは決してない 責任を負う気などあるわけない 装うだけで同情される   義務感 義務を刺激するのは難しい 義務を果たす気などあるはずない 何も果たさず口だけだとバレている   使命感 使命とは建前だけの飾りに過ぎない 使命を訴える気などひとつもない 支持されることもなく野垂れ死ぬ   期待感 期待とは望む強さのバロメーターだ 期待されずに気だけはやる 認識の間違えを気づきには鈍感すぎた   優越感 優越を感じるだけに終始する 優越を顔に出す気がおぞましい 何を根拠に比べるのかマスコミ報道に閉口する   「感」しかないリーダー捜しに食傷気味となる   〔 2024 年 8 月 25 日書き下ろし。自民党総裁選の幕が開ける。「感」しかないしがないリーダー捜しに終始する。マスコミも感しか報道できない中味こそ国民のレベルを知る〕

信じる未来

明日は必ず来る そう信じたい 今日よりもきっといい日になる そう信じよう   待っているだけでは明日はない 希望に向かって動こう 与えられるだけでは明日はない 自分を信じて前に進もう   動いてこそ見える明日がある 今日をせいいっぱい生きよう 学んでこそ見られる明日がある 今日も未知なる世界に挑もう 働いてこそ見せられる明日がある 今日の汗を力に変えて前を向こう   悲しみも苦しさも味わってきた 妬みも憎しみも捨てられない 卑しめも辱めにも耐えてきた 涙が涸れるまで拭ってきた きっといつか報われる日が来る 明日という日に希望の光がさすと信じたい   恐怖の中でも生きるしかない 今日を生き抜きたい 戦火の子どもの願いを叶えたい 休戦を待ちわびる子らの上に爆弾が落ちた   〔 2024 年 8 月 25 日書き下ろし。イスラエルの非道な殺戮が今も続く。犠牲者の半数近くが子ども。ユダヤの復讐のおぞましさがまだ続く〕

「刷新」を装う「再編」

刷新などとは片腹痛い 首のすげ替えだけのこと 選挙目当ての皮算用 陰で争う老害もん   刷新と意気込む若手 若さ売り込み顔見世興行 乱立だけの中味なし 誰が立っても同じ穴の狢(むじな)   刷新というだけのパフォーマンス 体質は不変の大所帯 落ちぬよう誰につくのか選択中 理念も政策もただいま即製中   刷新を装い再編めざす 派閥の根絶やしできぬいまがある 大義名分選挙にかつける 終わった後の支配図変わる   総選挙の顔にもならぬ 政治資金問題でそっぽ向く 旧統一教会問題も知らんぷり 騙しは聞かぬとなめたらいかん   野党はすっかり蚊帳の外 勢いつかず関心薄し 反撃の機を逃してまた再編か 束ねる力に陰りある   与野党の次なる指導者期待なし 相変わらずの利得の争奪に血眼になる 誰が勝ってもドングリの背比べ 刷新とあざといだけの再編に付き合わされる 〔 2024 年 8 月 24 日書き下ろし。与野党とも次のリーダ選びが話題になる。期待感の薄いいつもの泥仕合を見せられるのか〕  

平明さの深さ

言葉でしか表現できない 平易な言葉でおもいを伝える 言葉の深さを知らず安易なり   もどかしくとも書かねばならない 無理と知りつつ言葉を選ぶ 言葉の力を知らず安直なり   誰にでもわかると思い込む 理解は人それぞれでしかない 言葉の感化を知らずたじろぐ   子どもへのおもいがつのる 感情を描くには未熟な子らだ 言葉の妙を知らずしてまどう   美しさは憧れだけに終わる 切り取っただけでは何も生まれない 自然の巧みさを知らず言葉が縮む   心模様を伝えきれない 複雑な気持ちが言葉を迷う 共感を求める欲が言葉をつまらせる   言葉が信じられない 発する人間を物語る 汚れた言葉が世の中にはびこる   よき言葉によき心が宿る 言葉の数も使い方も貧しい時代だ 平易でも深く味わう言葉よ生き返れ!   〔 2024 年 8 月 22 日書き下ろし。蔑ろには出来ない言葉の力を人間をあざ笑う者たちに委ねてはならない〕

厚かましい

根拠のない自信 飾り立てた詭弁 薄っぺらな人格 厚かましさが際だった   恥を知らない図太さ 勘違いした思い上がり 都合勝手のいい解釈 厚かましさが鬱陶しい   正義を訴える偽善 倫理を説く悪意 利権を求める強欲 厚かましさが極まる   敵愾心を煽る卑劣さ 人格を貶める卑怯さ 敗北を認めぬ愚劣さ 厚かましさに嫌気がさす   承認欲求の異常な固執 自信過剰のエゴイスト 未来を語れぬ懐古主義 厚かましさだけで生きる   〔 2024 年 8 月 22 日書き下ろし。扱いにくい者たちがどこの世界にもいる。特に政治の世界では闊歩する者が多いか〕

青春の光と影

青春の光と影があなたの心に複雑に交差しています  人生の苦悩のほんの始まりに怯んではいけません いまあなたは青春ロードの向こうに何が見えますか   青春の光と影の向こうにあなたは希望が見えますか 卑屈な劣等感と羨望との分岐点にいます いまあなたは青春の苦悩のど真ん中に立っています   青春の光と影はときにあなたを雑踏に陥れます 怠惰と諦めを強く戒めねばなりません 努力と忍耐が鍛えられるときです いまあなたは青春の血潮に身を委ねます   青春の光と影はあなたの心の葛藤を象徴します 失敗し屈辱を受け悔し涙を流します 成功し承認されて歓喜の涙をこぼします いまあなたは青春という瞬間を駆け抜けています   青春の光と影は揺らぎながらあなたを映します 夢のカタチを風の中に感じますか 夢のカタチを心の中に描けますか いまあなたは青春の息吹に気づき始めています   青春の光と影の交差点はあなたの夢の始発点です 求める夢のカタチは揺れる心で変わります 描いた夢のカタチは信じる心で鮮やかになります いまあなたは青春の熱情を感じ動き始めています   青春の光と影は胸の高鳴りを誘発します 私という奇跡の存在を問い続けます 私という人間の不思議を問い続けます いまあなたは青春の苦悩を纏いながら覚醒の中にいます   青春の躓きに大丈夫という心の声が聞こえますか? 〔 2024 年 8 月 21 日書き下ろし。青春の光と影を感じつつ人間としての成長を揺るぎないものとして欲しい〕

しょぼい

内輪の馴れ合い 学級会もどき 撒き餌で人寄せる しょぼい   年寄りの口出し 待遇の口約束 ただ若さだけのこと しょぼい   熱気もない ダレた顔ぶれ 顔出し興業 しょぼい   何をするのか不明 何ものなのか不安 何も変わらず不快 しょぼい   夜明けは遠い 闇取引が横行する 寝た子は起こすな しょぼいとしか表現不能   身内で日本の首相を決める 総裁は自民党員の判断に委ねる 直接選挙のできない歯がゆさ しょぼいうえに情けない   米国の大統領選挙の異常な熱気 国民を分断する共和党のエグい選挙運動 民主党はガラス天井に自由の風穴を開けるか しょぼくれた日本の民主主義が色あせる 〔 2024 年 8 月 20 日書き下ろし。自民党の総裁選挙の前哨戦が始まる。同時に米国民主党大会が開幕した。言葉が言葉として胸を打つ。言葉の軽い日本の政治家には明日のビジョンを示せるのか、いまは惹きつけるものはなにもない〕

腐臭を放つ

腐臭だった わかって染まった 臭覚は鈍感だった   臭気は社会に放された 誰もが異臭を感じた 臭気は社会に蔓延した  誰もが悪臭を感じた 腐臭は社会に満ちた 誰も忌避できなかった   末期症状だった おぞましいさが強くなった 臭覚は一層判断を誤らせた   刷新は悪臭を放った 誰も信じることはなかった 改革は悪意を隠した 誰もが見抜いた 言葉は偽善となった 誰も騙されなかった   腐臭の床は生き残りを賭ける 露骨に醜さを曝け出す 変わることのない権力闘争   〔 2024 年 8 月 19 日書き下ろし。 11 人が乱立するやも知れぬ自民党総裁選。改革という言葉も汚れて老獪な者たちが裏で牛耳る腐臭の床の構造〕  

飢えの行き着く先

飢える 灼熱の陽が天地を焼く 水は涸れ砂漠のような不毛地帯が広がる 戦火は街を焼く 瓦礫の中水と食べ物をあてもなく探し求める 子らは抵抗力もなく病に冒される 痩せ衰えていく子を抱きつつ 行き着く先を静かに覚る   飢える 平和を享受する 金を積めば食糧は手に入る 飽食の胃袋は美食を求める 食べ残しは無造作に捨てられる 飢餓に苦しむ痛みはわからない 想像力を喪失した贅沢は許された 行き着く先は不安なく楽観する   飢える 心が満たされない 世の中の歯車に動かされている 何を求めるのかさえわからない 何を得られるのかもわからない 生きることへの虚しさが心を満たす 生きる目的も曖昧となり彷徨する 行き着く先に喜びの欠片すらない   飢える 嫉妬と羨望の虜になる 誹謗と排除に心を砕く 欺瞞と偽善が支配する 人としての倫理を問われる 過信と慢心に牛耳られる 社会的な認知すら危うい 行き着く先に生まれてきた喜びはない   〔 2024 年 8 月 18 日書き下ろし。飢える時代を迎える。いかに生きるのか〕

戦争なのだ

ウクライナへの侵略は正当化する 自国民は支持し納得する   ウクライナへ 50 ドルを寄付した それだけ国家反逆罪の判決を受けた 子どもを支援する市民団体への良心の寄付だ 彼女の寄付行為が分かったのはなぜか ロシアの監視社会が徹底している証左だ 閉塞する社会は非国民を許さず   ウクライナは精鋭部隊で越境攻撃を行った ロシア西部クルスク州のスジャを制圧した 100 人を超える練度の低い徴集兵が投降し捕虜になる セイム川に架かる戦略的に重要な橋を破壊した。 兵站運搬の要所や爆撃機の飛行場を攻撃する プーチンに事実を正直に話せと住民たちは訴える 事実を訴える者は非国民か   第二次大戦以降国土を侵略されたのは初めてだった ロシアの戦地は常に海外にあり国内は平穏を装った 事実はいつもねじ曲げられ兵士は真実を語らず黙した 国民はプーチンとその体制を信じるほかなかった 反戦デモはすぐに鎮圧されいつか忘れ去られる 暗殺される者は非国民か   この侵略は欧米がバックで仕掛けている 敵愾心を煽るばかりで真実を遠ざける ウクライナの戦略はまだまだ続くだろう 戦火を逃れてきた住民たちから恐怖が漏れてゆく プーチンは指導力に陰りを見せてはならない 一掃するまで兵士を攻防戦に送り込み死体の山をつくる 戦線離脱する者は非国民か   〔 2024 年 8 月 17 日書き下ろし。露との戦争は間隙を突いて反撃に出た。油断は許さず〕

取り残した気分

研修の準備を終えた なんだか気分が落ち着かない なんか取り残したような気分 なんかやり残したような気分 だからいつも心のトゲを探す   レジュメの物語をなぞる なんだか気分が乗らない なんか忘れているような気分 なんか言葉が詰まるような気分 だからいつも心のよどみを感じる   詩集を編集した なんだか気分がしっくりこない なんか食い足りないような気分 なんかテーマにそぐわない気分 だからいつも心の求めを捜す   資料をメールに添付した なんだか気分がスッキリしない なんかもの足りないような気分 なんかせっつかれるような気分 だからいつも本番まで心の溝を埋める   本番に資料を差し替える なんだか気分が高じてくる なんか意欲が湧いてくるような気分 なんかテーマが膨らんできた気分 だからいつも心を欲ばりにしておく   〔 2024 年 8 月 15 日書き下ろし。準備に 2 ヶ月かかった。ようやく詩集にまとめ提出した。 2 時間の研修に向き合うせめてもの参加者への誠意〕

無辜の声

なぜここに生まれてきたの ほんの数日の無辜の命だった 生まれてすぐに瓦礫の下敷きになった ハマスの拠点だとイスラエルは爆撃した 根拠もなく無差別に攻撃する とってつけた理由を公表して正当化する 戦争犯罪人は殺戮の快感を弄ぶ   なぜ対立しなければならないのか 恐怖を感じる間もなく無辜の命が絶たれた 隠れる場所もなく標的にされた ハマスの拠点だとイスラエルは主張した 証拠に乏しく無慈悲に攻撃する 休戦も出来ずに攻撃を拡大する 戦争犯罪人は国防という名誉に酔いしれる   なぜ殺されなければならないのか 無辜の命を殲滅して根絶やしする 壊滅を叫ぶ銃口の前に倒れてゆく ハマスの拠点だとイスラエルは繰り返した 噓だと知っても命令に従うしかない 戦争を始めた以上完全勝利を求める 戦争犯罪人は米国から戦闘機を買い戦略を強化する   なぜ無辜の命を犠牲にするのか 瀕死の重傷を負い少女は失明した ママの顔が見られないならこのまま死にたい ハマスは無謀な戦争を仕掛け自滅してゆく 大義をかざして子どもの命を差し出す 日本が原爆投下で敗れたようにイスラエルは核を持つ 戦争犯罪人は敵対国に核をちらつかせながら聖戦を叫ぶ   〔 2024 年 8 月 15 日。 79 回の敗戦記念日。ウクライナがロシア国内に侵攻した。イスラエルは一向に戦闘を止める気配はない。戦争の終わり方が一番難しいのか〕

逡巡する

事ここに至って躊躇う 置かれた状況が読めない 思考が錯綜してフリーズする   事ここに至って判断できず 情報が整理できず放置する 事態を把握できず迷走する   事ここに至ってもぐずる 為すべき事を虚しく抗う 利得が払拭できず思案する   事ここに至って割り切れず 保身が先立ち撤退を拒む 批判をかわせず苦慮する   事ここに至って退路を断つ わきまえ方に今後を託す 実績に固執しつつ評価はされず   事ここに至っても逡巡は変わらず いつもの周りを気にする判断が墓穴を掘る これ以上居座ることの弊害を認める   事ここに至るまであがき続けた 徒労に終わるは問題意識の格差か 決断という名の退場が遅すぎた   逡巡 ( しゅんじゅん ) :決断をためらうこと。ぐずぐずすること。   〔 2024 年 8 月 15 日書き下ろし。下ろされる屈辱よりも退場を選ぶ。逡巡した結果は新しい看板の付け替えにしかない。自民党の期待感の薄い総裁交代劇場が幕を開けた〕

正直におなりなさい

不誠実な事をしてきた 不義理を欠くこともあった 利権に走って今がある   虚勢を張って偉そうにしてきた 噓も方便と本気でついてきた 騙す術(すべ)が巧みな今がある   実績はまともじゃなかった 口先だけで何もしなかった 無能さを隠し続けて今がある   正直にはなれるはずはない 後悔するには遅すぎる 屈辱を恥とも思わぬ今がある   倫理を問われることもない 正義への憧れはそもそもなかった 虚飾に塗れた今がある   地位を守ることに汲々とした 不透明かつ閉鎖的な村にいた いつか見放されて今がある   新鮮さはすでにない 賞味期限の切れた塊となった 正直を拒んで突き放された今がある   いまさら清々しさなど求めない 自由闊達な議論も陳腐で嘘くさい 丼の中で刷新という風が吹く今となる   〔 2024 年 8 月 14 日書き下ろし。岸田文雄首相が退陣する。総裁選には、透明性や開放性、自由闊達な議論が必要だという。最もわかりやすい一歩は自らが身を引くこと。空々しい。政治の責任を取るには遅すぎる。正直さからは自民党政治は遠くなる〕

岸田首相自負で終わる

あれもこれもよくやった 信頼されずによくやった 意地でもなんでもよくやった やってきた事への自己評価 成果は自負している   変わらねばならない 変わる姿を見せねばならない 信頼と共感を取り戻さねばならない 身を引くことで責任を果たす 成果はなんと言おうと自負している   予告編と酷評された 政策は端緒についたばかりだ 主張する割りには実感に乏しい 庶民の苦しむ感覚とは大いにかけ離れる 成果は着実に上がっていると自負している   旧統一教会問題や政治資金問題がネックになった 国民の政治不信を払拭する責任を取らねばならない 総裁選で闊達な論議を行うことで新しい出発をする 自民党は変わらねばならない 成果は不透明だと自覚しているのか   3 年間の総括はこれからだ 10 月の交代まで余計なことは控えて欲しい 前任者の継承をするくらいなら変革は望めない 一兵卒の表現もいつの時代のものなのかそぐわない 成果は世論の支持しない理由に表れてる   14 日ようやく総裁選不出馬を表明した 自民党の体質を維持したままの総裁選に新鮮味はない 変えられない旧態依然とした泥仕合が展開される 派閥の解消を建前に裏で利権が絡み合う風土は不変だ 成果に乏しく岸田首相が存続は無理と判断しただけだった   〔 2024 年 8 月 14 日書き下ろし。岸田文雄首相が総裁選不出馬を表明した。自民党を変えるをキャッチフレーズに果たして変えられるのか〕    

自分で考えよ

依存することにトコトン慣れていた 物事を自分で考えることができない 誰かの意見に追従すれば事足りた 物事を自分で判断することができない 誰かの口車に乗れば事足りた   顔色伺う観察力は身につけた 物事を判断するには相手の意向を尊重する 物事の是非は相手への忖度の度合いで決まる 物事は利権が絡んでなんぼのものか計算できる   出世を目当てに組織を利用する 集団にいれば逆風でも風除けぐらいにはなる 集団がまともでなければ批判の前に逃げる 集団の力の均衡が崩れれば当てが外れて振り出しに戻る   ライバルは敵失を狙い注視する 能力が高いだけでは人は評価しない 調整力に利権が絡めば人は寄ってくる ライバルとの差はボスの懐に入り込めるかだ   能力が低くても己を信じる 自己肯定感情を常に高く維持する 目下への傲慢さや卑しい態度は慎む 人と場で本音と建て前を使い分ける   さてさてこんな人物はなんともし難い 身近にいるばかりに気がかりが多い 翻弄されることに慣れてはいけない 批判力や評価力を持ちたい   〔 2024 年 8 月 13 日書き下ろし。政治屋によくあるタイプです〕  

運気を呼ぶ

運気を見てもらったことも調べたこともない 占いは信じる方ではない   生年月日で命運が決まるなんて 定められた命運は信じがたい   一度だけ霊感を持つ人に怪我を告げられた 果たして子どもと相撲を取って肋骨にひびをいれた 胸に架けていたホイッスルが不運にも肋骨に直撃した がたいの大きな子どもには怪我はなかった   霊感を信じたエピソードになった でも運気を占いから学ぶことはなかった   恋愛も結婚も成功も失敗も見透かれている そう思うことも思いを馳せることもなかった   人との出会いにも何かの因縁を感じることはあった 運気をもたらすとは思い至らなかった 何かの法則に縛られているとしたら 人生は運気に左右されるとしたら 受け入れることは承服しがたいことだった   不安な世をどう生きるのか 先の見えない明日に占いを信じて動く人もいる 何かを頼らなければならない弱さもある 先が明るければ意欲も湧いてくる 何かを求めるときに占いは時に吉報をもたらす 運気を呼ぶグッズを冷笑しながら御守りを買う人もいる ラッキーカラーを身につける人もいる 運気を呼び込む様々な暮らし方に占いも貢献しているのか そう信じる人に幸いなれと   〔 2024 年 8 月 12 日書き下ろし。著名な人も占いで結婚相手を探したという。運気を呼び込み凶から逃れることも大事か〕

東京五輪の後味の悪さ

パリ五輪が閉幕した レスリングの圧倒的勝利が光る 金 20 銀 12 銅 13 の栄誉を称えたい 力尽きてあるいは不運にも負けた選手も称えたい 感動と勇気をありがとう やり投げの北口榛花選手の言葉には前を向くアスリートの魂を感じた 満足できない理由があるのは幸せなことです」   パリ五輪も決して競技環境や運営がよかったとは言いがたい ただ開会式の式典もメダル授与にも過去のアスリートが登場したことだ 彼らや彼らの時代の選手たちの礎と敬意を払う演出には心打たれた IOC の役員たちがゾロゾロと前に出てこなかったこともあるかもしれない たかりにたかった東京と札幌を想い出すと裏でのことが気にかかる   三年前の東京五輪は見事に失敗した 無観客の競技場は選手の鋭気を奪い応援の声すら届かなかった 1 年延長したところで盛り上がりもせず結果は惨めだった 運営に関わり不正が発覚し興醒めした 冬季札幌五輪もバッハの甘い言葉に惑わされ誘致に失敗した 東京五輪は商業五輪の象徴として裏と表を見事に見せた 延期や中止を求める多くの声に蓋をして強行したことの見直しはない やってしまえばそれだけのことと諦め冷めてゆく国民性も否定できない 政治利用された東京五輪は管首相が五輪後その座を追われた   8 月 28 日暑い夏は次の戦いの幕を開けようとしてる パリパラリンピックが始まる 人間の身体能力の限界に挑む選手たちに注目したい 観客席から湧き上がる熱い応援の声を聞きたい 映像から暑さや空気を想像しながら観戦しよう   東京五輪で足りなかったのは選手と観客との一体感だった パリ五輪後に不正が暴かれることがないよう祈りたい   〔 2024 年 8 月 12 日書き下ろし。パリ五輪を楽しんだ。参加した選手へ感謝を伝えたい〕

帝国議会と斎藤隆夫

日中戦争時の 1940 年の演説 「この戦争はいったい何のためなのか」 「戦争はいつ、どのように終わるのか」 全国から届いた手紙には全国民が知りたいところだと綴られていた 戦死した息子の母はこの問いに政府はもっと真面目な答弁を祈った 斎藤隆夫は堕落した政治家により帝国議会から除名された 聖戦への冒涜が理由だった   中国を侵略し傀儡の満州国をつくった 朝鮮半島をも支配下に置いていた 満州開拓のために本土から多くの移民を送り出した ソ連とも対峙しながら満州鉄道の沿線を領土化する 内地の資本を投入し軍部と結託しつつ経済の拠点をつくった 日本の生命線といって抵抗する中国軍との戦線を拡大してゆく 戦争は領土の拡大であり聖戦という大義がのさばった 目的も終わりも見えぬ戦争に軍部の横暴さは日増しに強くなる 帝国議会は軍事独裁政治に隷属するだけの機関と成り果てる   当時の国民は聖戦という誤魔化しに流され疑問を持つことは許されなかった 果たしてそうなのか 国民に選ばれたものたちの怠慢と利権だけの存在だった 立候補するものたちはすでに汚れていただけのことだった 堕落した中からましなものを選ぶことはできるわけはない 選挙権を持っていたとしても選ぶとすらできなかった 大政翼賛会のもと選挙も形骸化し議会は機能不全を起こしていた   「適当なる代議士を識別する知能なきものはたとえ法律上において選挙権を有するといえども政治上の意味における選挙権を有するものにあらず」 斎藤の言葉は別の意味で今も生きる 信じるに足るものが政治家としての矜持を持っているのか 選ぶものたちの覚悟が問われる 政治家の劣化が 80 年の時代をまたいで続いている 「国民は政治を監視し監督する責任がある」 その見識を国民が持たねば悪しき政治家が蹂躙する国となる 〔 2024 年 8 月 11 日書き下ろし。朝日新聞の今朝の「日曜に想う」に掲載された斎藤隆夫氏(兵庫県豊岡市出石町出身 1870 - 1949 )の記事を紹介しつつ現状を憂いた〕