少年の日に
抜けるような青空を独り占めする
清々しく吹き抜ける風を全身に浴びる
有り余り時間に自由の歓声をあげる
働くことは厭(いと)わなかった
ずる賢さも身につけた
不安はいつも付きまとった
際限なく空想の世界に心を遊ばせる
許される限り自由を謳歌する
希望に満ちた未来に駈ける
日和ることもあった
羨むことが強かった
粋がっても心が折れた
短い夢の中で英雄になった
描いたことはみんな実現した
幸せを心ゆくまで味わった
拙い夢はいつも縮んでゆく
非力な姿を見せつけられた
中途半端な努力が足かせだった
少年の日に
誰もが何かに夢中になった
誰もが青い空を飛翔(と)んだ
ひとり悩みの淵にいた子が忘れられない
〔2024年8月26日書き下ろし。少年の日、良きことばかりではなかった。それでも少年は夢を追いかけていたに違いない。ドロンとした目をした子を想い出した〕