朗読をお願いする
黙読は頭の理解を優先する
朗読は心に訴えかける
だから聴くという心も態度も育つ
いつもの発寒にこりんこども園
今日は全体童話の日
園の伝統がいまも継承されている活動
保育士が代わりばんこに童話を朗読するという
3歳の年少から6歳の年長まで講堂に集まった
昔話を始める歌が合図となった
作詞作曲不明の歌い継がれた歌だった
ステージの上に立った保育士が10分ほどのお話をした
多くの子はその話に微動だにせず聞き入っていた
驚いたのは感想を発表する場面だった
半数以上の子が手を挙げた
発表した3歳の子の拙い言葉が嬉しかった
茶化す子も批判する子もいない
発表したいという気持ちが勝っていた
自分の意見を持つことがこうして鍛えられてゆく
ふとステージで何を話そうかと一瞬想像した
「こぶとり爺さん」の昔話に子どもを巻き込んで見よう
ステージから見下ろしては親近感が湧かない
まだ子どもたちとの距離感は遠い
先生方のようにスッと話に引き込むことは難しい
ましてや距離のある高いステージではなおさらだ
ステージに腰掛けるか胡座をかくスタイルもいいか
途中から子どもの中に入る演出も子どもが惹きつけられるだろう
子どもを聴く立場から登場人物を演じ出すのも悪くない
妄想は所々切れ切れになったが心が弾んだ
園長室に戻り今日の様子を語り合った
唐突に朗読のチャンスを頂けないかと切り出した
あの子たちと童話を愉しむ時間を共有したいとお願いした
園長先生は笑顔で快諾した
秋田の大館市大葛保育所で20年近く前に話した以来だ
秋野菜を子どもらのそばにたくさん並べた
2歳児を膝に乗せながら命と心の話をした
翌日その野菜でポトフを作って命を大切にいただいたと礼状をいただいた
3月お話をモチーフに子どもと作った卒業記念の絵本が贈られてきた
拙い話ではあったがこうして「つなげていく」保育の実践に心打たれた
申し出た以上子どもらが童話の世界に入り込む仕掛けが必要だ
聴くだけではなく考え言葉を発し演ずる
その一体感に心が揺さぶられ躍るような歓喜が生まれる仕掛けだ
少し時間をかけて入念に準備をしていこう
来春になるやもしれないが久々にワクワクしてきた
子どもとの心の距離を縮める大きなチャンスに挑むのだ
純朴な心に何かを伝えることの怖さも持たなければならない
一期一会のことであったとしてもなおさらだ
こぶとり爺さんの顔のこぶよりも見えない心のこぶを持つ身として
さっそくコンテを書きながらシナリオづくりを始めよう
〔2024年11月18日書き下ろし。子らに話したいという欲求を受け入れていただいたことに感謝。発寒にこりんこども園吉村園長先生との楽しき会話が心を満たし新しき学び直しの世界に誘う〕