現代昔話 うそつきじじい

🎵 指切りげんまん

  噓ついたら

  針千本の~ます

  指切った

 

昔あるところに爺さんがいました

口から出任せ噓八百を得意げに話す爺さんでした

村人は面白がって大噓を聞いては大笑いしてました

ともかくホントらしく言うので信じる人もいました

話し上手で人を喜ばすことが大好きな爺さんでした

 

その噂はお城のお殿様の耳に入りました

どんなお話なのか聞いてみたいと思いました

貧しい着物を着て村人のような格好をして村に行きました

よそから話を聞きに来たと知って爺さんは喜びました

 

とっておきだといってお殿様のことを話し出しました

うちの殿様はとってもえばりんぼうでわがままかってな人なんだ

自分が気に食わないと思ったらなんでもほうりだしてしまうんだ

こないだも奥さんがおならをしたのはゆるされないとほうりだした

家来が殿様よりも賢かったといってはほうりだした

魚の骨が喉に刺さったといっては料理を作った人をほうりだした

仕事が面倒くさいから好きにしろとほうりだした

だから家来は好き勝手におらたちからたくさん年貢をとるようになったんだ

家来は取った年貢は噓をついてみんな自分たちのものにしたんだ

殿様のわがままのせいで家来はみんな太りだしたんだとさ

 

🎵 指切りげんまん

  噓ついたら

  針千本の~ます

  指切った

 

ホントだホントだ

お代官さまも太ってるしぜいたくな暮らしもしている

下のもんもみんないいもん喰ってるから腕っ節も強い

おらたち百姓などかなうわけはない

ホントだホントだ

殿様に追い出された奥さんの噂も聞いたことがある

殿様にいじめられた人にも会ったことがある

そんな殿様に意見した賢い家来が追い出されたのもホントらしい

ところでなんで爺さんは知ってるんだ

 

みんなはうそつきじいさんとかほら吹きじいさんとか言っているけど

ホントはいろいろと世の中のホントのことがよく見えてるのさ

騙されているのはここいるみんななんだよ

ホントの話が噓にしか聞こえなくなってるだけでなんだ

ホントの嘘つきは家来ってわけさ

殿様が家来にうまく騙されていい気にさせてもらってるだけのことだよ

貧しいのはそんな殿様をもった俺たちじゃないかな

 

村人に化けたお殿様は怒りを爆発させるのをがまんしていた

そこでうそつきじじいに聞いてみた

爺さん爺さん

その話がホントなら殿様はどうしたらいいんだい

なんの簡単なことさ

奥さんを呼び返してごめんって謝ることだね

家来を呼びつけてやってることをしゃべらせばすぐわかる

賢い家来に蔵を調べさせれば二度と噓はつけないだろう

悪いやつから順番に罰を与えてやるといい

取り過ぎた年貢はすぐに村に返させる

そうしてわがままや勝手なふるまいをやめるのが一番さ

そうすれば名君だえらい殿様だと評判はすぐに上がって広まるさ

 

お殿様は名君になるという話を聞いて怒りがなくなった

すぐにお城に戻って賢い家来を呼び戻した

お殿様はうそつきじじいの言った通りにすると

悪い家来たちは心を入れ替え年貢も騙したお金もみんな返した

お殿様も心を入れ替えて村人たちのためにつくしたとさ

 

 

村ではうそつきじじいの言った通りになったと評判になった

でもある日村から突然と消えてしまったんだ

どうしてかって

けっして言っちゃあいけないよ

実はその爺さんホントは偉い家来が化けていたんだてっさ

 

🎵 指切りげんまん

  噓ついたら

  針千本の~ます

  指切った

 

 

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます 

指を切るのは 室町幕府が 永正9(1512)年に定めた

『撰銭令(えりぜにれい)』の条例に違反した者は

「男は頸(くび)をきり女は指をきらるべし」との刑罰から始まったという

それが 男女が愛情の不変を誓い合う証にかわり

遊女が客に 小指を切って渡したという

ヤクザが 不義理で指詰めするのは この風習を真似たのだろう

約束や信義をないがしろにする者は こんなにひどい罰が当たるのですよ

だから 決して破ってはなりません

 

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