現代昔話「正直村の女の子」
昔話「正直村の女の子」
昔々のことです
不思議な不思議なことが起こりました
村に住んでいる女の子はお父さんもお母さんもいませんでした
かわいそうにおもった村の人がみんなで育てていました
あるとき村でこまったことがおこりました
村のある人が飼ってた鶏が盗まれたのです
みんな誰が盗んだのか困っていました
オレが盗むわけがないとみんなそうでないと言いました
一番貧しい村人が疑われました
お前が盗んだんだと言いはる人も出てきました
言われたその人は何も言えず黙ってしまいました
そらみたことか言い訳も出来ずに黙ったのはお前がやったからだ
言った村人は偉そうにやった人をお前だとみんなに言いふらしました
それを見ていた女のこがその人の手に触れました
ふれた瞬間その人の顔色がかわりました
おらがやりました
鶏を盗んだのは病気の娘に卵を食べさせたかったからです
でも鶏は卵を産んではくれませんでした
すぐに返しますから許してください
あんたに罪をかぶせたこともどうか許してください
村人は病気の娘を心配して許してあげることにしました
あるとき村で困ったことが起こりました
仲の良かった二人の村人が喧嘩を始めたのです
二人の言い分は相手が悪いの一点張りです
仲裁に入った人の意見も聞かずただただ自分が正しいというのです
喧嘩の発端はたわいないことです
相手が悪口を言い広めたというのです
言われた相手は心当たりがないので自分ではないと言いはります
わしはこの年まで村のためにすいぶん尽くしてきたけれど
それはみんなにいい人だと思われたいのだというんです
本心はしかたなくそうしているだけのつまらない人だと言いふらされたという
あいてはおらはあんたのことをそんな人じゃないっていつも思ってる
けっしてそんなことは言うはずもない誤解だというんです
そこに女の子が現れました
悪口を言われた人と言ったという人の手を同時に握りました
どうしたことでしょう
二人とも笑顔になってしまったのです
信じていた同士に誰かが仲違いさせようと動いたのに違いありません
女の子は周りを見てみると一人不機嫌な顔の人を見つけました
その人に近づいて手にふれました
どうしたことでしょう
まるで雷にでも打たれたようにその人が突然話始めました
オラがうそこついて仲違いさせたんだ
二人の仲がいいもんだからつい邪魔してやろうと思ったんだ
申し訳ないと二人に謝りました
二人はきっと誰にも相手にされず寂しかったんだと思い、友だちになってあげることにしました
とっても優しい二人に涙も流さんばかりに喜びました
あるとき村で困ったことが起こりました
村の役人が年貢米を今年は上げると言ってきました
貧しい村ではこれ以上コメを取られれば食べていけません
みんな頭を抱えてしましました
女の子も村人に助けてもらっています
他人事ではけっしてありません
役人の手にちょっとふれました
なにをするこわっぱと怒鳴られました
どうしたことでしょう
役人は正直にこの年貢米は自分の懐にいれるコメだと白状しました
娘が結婚するのでお金が必要だったので年貢を高くしたんだと言いました
村人は大変怒りました
正直に言ってしまった役人はあたふたしています
こんなことは許されないとみんな強く言いました
役人は這々の体で逃げ帰りました
村人は悪い役人を訴えて罰を与えました
在るとき村で困ったことが起こりました
大雨で川が氾濫して水が襲ってくるというのです
さっさと高いところに逃げなければなりません
お家で逃げようとしない人がいました
女の子は逃げる途中でその人に会いました
そして手を握りました
ワシは足が悪くてとても山の上まで逃げられない
みんなの足手まといになるわけにはいかない
自分が暮らしたこの家で水にまかれて死ぬのなら本望だ
でもできるならもう少し生きていたいと涙を流しました
女の子と一緒に逃げてきた人がその人の手を取って山に登りました
川は氾濫しましたが村人はみな無事でした
女の子はなぜさわるとその人が心で思っていることを正直に話すのか不思議でした
だれにもそのことは決して言わず村人が困ったときにはいつも力になりました
正直であることが一番だといつか正直村と言われるようになりました
女の子は大人となりもう不思議な力を使うことがなくなりましたとさ