差別は人格に
人間には差別はしない
人間として生を受け同時代に生きる
望まぬ宿命に抗いながらも幸せを求める
命の危機に瀕しても生きようと必死にもがく
出自や血筋をさもさもらしく語るのはなぜか
肌の色の違いを疎ましく非難するのは誰だ
貧富の格差を品格として蔑(さげす)むのはなぜか
男女の性別に固執し容認しないのは誰だ
宗教の違いから信仰を変節させるのはなぜか
教育を蔑(ないが)ろにしあからさまに嘲笑うのは誰だ
支配欲に囚われ殺戮を正当化するのはなぜか
平和の実現を暴力と恐怖で拒む悪魔は誰だ
自己肯定感情の異常性は他を貶めて優位に立つ
歪んだ理由しか持ち合わせない心の砂漠に喘ぐ
思想的偏重を認めないねじ曲げられた世界で息をする
信頼も信望も身につけられず相手が死ぬまで虐げる
正義の実現は神の導きだと教義の身勝手な解釈で自己陶酔する
屈辱も恥辱もなく優れた人間だと自己暗示をかける
温情も敬虔も削がれて人間としての品性は否定される
叡智は絶望の果てに時代を変える力となる
憤怒の涙と握りしめた拳は人間の差別を嫌悪する力となる
こうして悪しき人格は差別されてゆく
〔2025年4月19日書き下ろし。差別主義者の論理は身勝手なテロリズムにも等しい。