生きた証のカタチ

陶芸家は自分史を造形で表現する

命をいただいた喜びが素直にカタチに表れる

父母の慈愛とその暮らしに深い追憶を求めた

過去の記憶はモノにまつわるエピソードに綴られる

乳白色の柔らかな曲線が優しく招く

温かい造形は彼女の人間味を醸し出す

 

父と母とのStory

鍬が円輪の中に置かれた

時間の回廊の中に錆びた鍬が過去を語る

開拓で入った厳しい暮らしにあった先人

鍬を父は引き取り使ってきたのだろう

日常の中にあった道具が役目を終える

陶芸家は鍬に静かに語らせる

 

豚の尻を撫でる母の手

出生にまつわるノート

おにぎりの大きさには圧倒される

デフォルメされた様々な造形が語り出す

家の柱に使った丸太が森の中に置かれた

静寂な小さな森の美術館は彼女の人生を纏った

 

2025624日書き下ろし。教え子の陶芸家前田育子さんの個人展を北広島市の黒い森の美術館を妻と鑑賞する。いい時間が流れた〕

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