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9月, 2025の投稿を表示しています

友とは共に在る

学生時代の唯一の友を見舞う   友はベッドの上でかっと目を見開いた 言葉にならぬ声を強く吐き出した   どうしてここにいるんだ 驚きと懐疑が眼力となった   友の伴侶から肺炎を起こして発熱を知らされた 心は急くばかりだった 白内障を手術した眼科は混み合って1時間半待った 13 時過ぎにようやく呼ばれた 会計までかかった時間は15分程度だった   先だって線状降水帯が道東を襲った 釧路行き JR は止まったまま復旧の目処は立っていない 都市間バスは予約制で果たして空き席があるか不明だ 何かあれば着替えも必要だ 車で釧路まで走ることを決めた 帰宅して軽く昼を食べ準備を終えて 14 時 10 分過ぎ出た   高速道路は先週金曜日帯広から戻ったばかりだった ナビの地図には新しくできた釧路市内までの高速道は表示されていない 間違えて阿寒で一度降りまた乗り直した 釧路西で降車してコンビニに寄って用を足した 所要時間は 3 時間 33 分を要した 特急列車よりも速かった ここから目的地を設定した 病院まで 5 分足らずの距離だった   暗くなった病院玄関前で彼の妻と姪が待っていた 急ぎ病室に向かう 透析を終えてベッドにいた 熱は下がったと伝えてくれた 面会時間は1時間しかなかった でも会えた 壮健だった体躯はすっかり萎えてしまった 久しぶりに再会した彼の目は大丈夫だと言わんばかりだった 最悪の想定は見事に裏切られた   彼がいて学生時代を共に謳歌できた 彼がいて人生の同伴者として生きてこれた 彼がいてこそ友という存在の重さを知った 彼という友が優しさと寛容を教えてくれた 彼は唯一の友であり私の誇りなのだ   友は良き伴侶に恵まれた 彼の実直な人柄が彼女により磨かれた 病魔に襲われて20年 夫を支え励まし続けてきた 心労が重なるなか厳しい状況に毅然として立ち振る舞う 秋刀魚とイカの刺身を用意したという いつものあたたかい心遣いに感謝しながら いまなら戻れると判断した 危ないと引き留めてくれたが...

損得勘定

人は誰かに施しを与える 損得を素早く計算する 得になれば疑われる 損になれば徳となる 世渡りのコツと嘯(うそぶ)く   人は私欲に長ける 損得勘定のスキルを磨く 得になればなりふり構わず突っ走る 損になればなんとしても挽回を試みる 世渡りは才覚だと嘯く   人は誰かと競い合う 損得を忘れてはならない 得すれば報われる 損すれば邪険にされる 世渡りはごますりと嘯く   人は無欲にはなれない 損得を優先する 得になればつながりを続ける 損すればつながりは断たれる 世渡りは駆け引きだと嘯く   人は誰かを追い落とす 損得ゆえの決断だ 得を求めるしかない 損は這い上がれない 世渡りは勝負と嘯く   人は恩に目覚める 損得感情が否定される 得を恩に替える 損はそもそも捨ててきた 世渡りは恩を回すと嘯いた   〔 2025 年 9 月 28 日書き下ろし。世渡りは損得勘定で完結しないと知るべしか〕

ひたすらに

ひたすらに ただひたすらに 夢を追う   ひたすらに ただひたすらに 額に汗する   ひたすらに ただひたすらに 走り続ける   ひたすらに ただひたすらに その人に憧れる   ひたすらに ただひたすらに 一心に慕う   ひたすらに ただひたすらに 一命を尊ぶ   ひたすらに ただひたすらに 情けをかける   ひたすらに ただひたすらに 幼子の幸せを祈る   ひたすらに ただひたすらに 平和を願う   ひたすらに ただひたすらに 愛に生きたい   〔 2025 年 9 月 28 日書き下ろし。ひたすらになる何かがあると人は躍動する〕

ビビる

人にどう思われているのか 人から認められているのか 人に尊敬されているのか 人の役に立っているのか   人に第一印象をどう与えているのか  服装は礼を損しないか 言葉遣いは悪くはないか 意見は思想的に偏っていないか 好意的に受け入れられているか   人目を気にかけてきた 見えない世間の空気が不安を伝える 同調を求める世間に畏れを抱く 悪い噂を広げる世間の風評にたじろぐ 古い因習の世間は余所者を拒む   人に嫌われていないか こうしてきたから敵を作ってきた こうすればまた悪く思われるからしない こう言ってきたから反発が強かった こう言えばまた悪く取られるから言わない   人は知らず知らすに抑制する 世間からよく思われたいと欲する 世間から良き隣人だと思われたい 世間から人が良いと頼られる 世間の暗黙のルールを黙認する 世間には本心を顕わにすることはない   世間という空気に惑わされて暮らす ビビらぬよう用心深く行動する 他人という空気を感じて暮らす ビビらぬよう間を取りながら行動する 自分もまた空気になってゆくのが怖い ビビらぬよう体面を繕い行動する   〔 2025 年 9 月 28 日書き下ろし。世間に生きるに、人は良き人を演じることに腐心するのでしょうか〕  

真心を添えて

あなたに会えてよかった あなたと幸せな時を重ねた 辛いときもあった 憎らしいときもあった ともに泣き笑いしながら歩いてこれた あなたに真心を添えてありがとう   きみに学んでよかった きみから人の情けを知った 嫌なこともあった 涙したこともあった ともになんとか乗り越えてこれた きみに真心を込めてありがとう   あなたがいたからよかった あなたは信じてくれた 厳しいことにも耐えられた 立ち直る勇気を与えてくれた ともに闘うことでここまでこれた あなたの真心に抱かれてありがとう   きみの力になれてよかった きみの悩みに添えてよかった 苦しみを一人で抱えていた 悲しさを一人で癒やしていた ともに語ることで自分と向き合ってこれた きみの真心にくるまれてありがとう 〔 2025 年 9 月 23 日書き下ろし。妻の 75 歳の誕生日を前に感謝を記す。真心の力はその人の存在を輝かせる〕 〔 2025 年 9 月 23 日書き下ろし。真心の力はその人の存在を輝かせる〕

戯れる

鬼ごっこの一つ 氷鬼で遊んだ 鬼にタッチされる その場で氷のようになって固まる 誰かがタッチすると解氷する   鬼になった 園庭を 5 歳児たちが逃げる なかなか追いつけない 追いついてもかわされる 侮れないスピードだ   疲れを知らぬ子らは 声を上げて逃げ回る 捕まえてタッチしてもすぐに助けが入る この戯れはエンドレスだと知った 息を切らしながら追う   複数の鬼がいなければ終わりはない 老鬼の疲れを知ってか鬼を替える 老巧なやり方に感服する 再開したゲームですぐに捕まる 固まったまま味方を待つが来る気配なし   逃げ惑う子らを見てる 静かな面持ちで愉しげな子らを見入る そして突然遊びが終わった 三々五々教室に戻ってゆく 戯れに置き去りにされた老身を労る   〔 2025 年 9 月 21 日書き下ろし。発寒にこりんこども園の朝の自由遊びにつきあった。体力と遊びを覚えねばならぬと知った〕 ※明日から26日まで、道内移動のため投稿出来ません。再開は27日予定。

淡々と

気負うこともない 抗うこともしない 受け止めて笑う そうありたいと   腹を立てることもない 面倒には巻き込まれたくない 避けながら笑う そうありたいと   赦しを求めるだけ 寛容でありたいだけ 心静かに笑う そうありたいと   淡々と暮らしたいだけ 悠悠と生きたいだけ 幼子に笑う そうありたいと   〔 2025 年 9 月 20 日書き下ろし。 76 歳喜寿を迎えた朝、心境を謳う〕

ダイエットと言わず

スクワットはもうしない 続ける意欲はすぐに削がれる 膝への加重は鉛の上半身が乗る だから軽い屈伸を続ける   股関節はデリケートな箇所だ 歩くときも走るときも中核になる 回す方向を前後左右と軽く振る 足裏を合わせて深く前屈する 両関節が深く曲げられる 床におでこがつくと何だか嬉しい   腹筋ももう腕立ても無理しない いまさらバリバリの筋肉をつけることもない つけても大して役には立たない 腹筋は肘を付けて腕立ての姿勢で 3 分維持する 夏場はボタボタ汗が落ちるのがいい   書斎での木刀の素振りはもう 4 , 5 年続けてきた 体幹の維持と腹式呼吸が効果を上がる おかげで腰痛と肩こりが軽減した 寝られない夜の静寂で木刀を : 振る 邪念とムズムズ病を払えるのがいい   ママチャリでの坂道の上り下りは減量に効果がある 一番重いギアで森林公園の避難道の坂に挑む 三ヶ月の成果で脚力は確実についた 両足の筋肉と尻の筋肉が締まってきたのを実感する コースだけでも 5 , 6 つありその日の体調とやる気で決める 継続は力なりも雪が積もるまでのトレーニングか   気負ったダイエットは続いたためしはない 挫折感しか過去残らなかった 気ままにできることを力まず続けるしかいまはできない 時々腰痛を発症しても重度化はしない 数日痛み止めを飲むことで対処する 体重計は 70 ㎏から 4 ㎏ほど減量した 腹回りは思ったほどではないが衣装持ちになった   運動することで身体的な機能を維持している ここ数ヶ月消費する時間が多くなった 座して動かぬ生活から外に出たことがよかった 踵痛とアキレス腱痛でもチャリに乗れたことが収穫だった ウオーキングを求めずひたすらメニューをこなす 長生きしたという動機が薄いのもいい加減でいい 冬が来るまで二ヶ月体力をつけておこうか いや幼子たちと遊ぶ体力が欲しいだけのことか   〔 2025 年 9 月 18 日書き下ろし。幼子たちと遊びたいのが動機か〕

意味不明

Panasonic の Let's note を開いた 来週一緒に旅する相棒の確認だ 開いてすぐに何らかのアプリの再起動が表示された 何気なく未確認のまま Enter を押す 画面は「再起動中」と表示された   いつもなら数分で作業画面が表示される しかしなかなか戻らない 強制的に電源を切ってもすぐに再起動中になる おかしいと思いながらも数度試すが Shutdown 出来なかった   諦めて1時間ほどママチャリトレーニングに出た 一汗かいて座り直し PC に変化はなかった そこで長めに強制的に電源を切るスイッチを押した ようやく Shutdown が完了してほっとした   しばらくおいて再度 Switch を入れた いつもの作業画面が出て一息ついた ネットにつないだ 何とお気に入りのデータがぶっ飛んでいた   PC メールと自分の blog の閲覧にまずつないだ Blog の更新用作業画面も入れ直しとなった 情報にアクセスする PW も全て再入力となった McAfee は正常に保護されていると Message は出ている   この PC には元々貴重な情報はストックされてはいない ただ何らかに不正アクセスで PW が盗まれた可能性は否定できない なぜこのような事態を招いたのかは容易に再起動をかけた結果だった 意味不明の事態に戸惑いながらワードで詩文を試し打ちする   さて連れて歩くには不安を抱えながらの旅となる それでも最小限のアクセスで急場をしのぐこととしよう この PC の問題が他の PC に悪さをしないことを祈ろう ままならぬ事態に何の手立てもなく呆然とする姿が哀れだ   〔 2025 年 9 月 18 日書き下ろし。やらかしてます。情報社会に生きると言うことは本当に面倒くさい〕

混沌から秩序へ

新しきことを始めよ 古き慣習に身を置くことを捨てよ 混沌の中に秩序を取り戻さねばならぬ   新しきことを始めよ 崩れてゆく古きしきたりを捨てよ 混沌の元凶へ秩序が叛意を示せ   新しきことを始めよ 強制と束縛の悪しき呪縛を捨てよ 混沌に自由への秩序が声を上げよ   新しきことを始めよ 貧困なる思想と思索を捨てよ 混沌から身を翻し秩序を求めよ   新しきことを始めよ 欲望へ駆られる利得を捨てよ 混沌を制止し秩序を見出せ   新しきことに目覚めよ 古き価値観に委ねることを捨てよ 混沌の要因を排除し秩序を正せ   新しきことに挑戦せよ 旧態依然した世界を捨てよ 混沌にある真理に従い秩序を構築せよ   新しきことを英断せよ 古き殻を破る内からの力を信ぜよ 混沌の世に抗う新しき秩序を生み出せ   〔 2025 年 9 月 18 日書き下ろし。いまの混沌なる世界の秩序をどう構築するのか〕

イデオロギーの是非

果たしてイデオロギーはあらねばならぬのか 否 高尚な思想を理解することすらおぼつかない 揺るぎない信条など持ち合わせてはいない 行動を律する規範を課するには甘すぎる 深く思索する観念すら求めるに足らぬ 凡人はその是非を判断する外に置かれる それでもなお坦々と暮らす   そもそもイデオロギーを持たねばならぬのか 否 理解不能な理念を生き方にはできない 一徹通した信条が正しいのかわからない 己を律する厳しさなどそもそもない 思索するだけの知見は疑わしい 凡人はその是非すら問うことはない それでも何事もなく暮らす   たとえイデオロギーがあったとしよう 否 取るに足らない思想もそれなりにしなかい 揺らぎを止めぬ信条は不安でしかない 迷う行動も倫理観すら惚けてゆく 思索は迷走し定まることはない 凡人にはそのレベルの能力でしかない それでも人並みに暮らす   もしイデオロギーを失えばどうなるのか 正 思想は理念も理想も追求しない 信条は脆く折れ心の芯を削ぐ 行動を律しなければ欲望に走る 思索は劣化して自堕落を映す 凡人でも失えば希望を放棄する それゆえに足らぬ己と知りつつ生き抜く   ※イデオロギー ( ドイツ ) Ideologie  ①社会集団や社会的立場(国家・階級・党派・性別など)において思想・行動や生活の仕方を根底的に制約している観念・信条の体系。歴史的・社会的立場を反映した思想・意識の体系。観念形態。②特定の政治的立場に基づく考え。   〔 2025 年 9 月 16 日書き下ろし。イデオロギーを問われる機会はない。果たして己はどう生きてきたのだろうかを問う〕

世にいいひと在りし

嫌とは言えぬ性格ゆえか 頼まれごとを二つ返事で引き受ける ホントにいいひと   できないと即断できぬたちゆえか 構えず話だけでも聞いてあげる ホントに聞き上手ないいひと   力になりたい性分ゆえか 困っていれば捨て置けない ホントに気立てのいいひと   なんとかなるさの器量ゆえか 前向きになれば儲けものとする ホントに頼りにされるいいひと   信じて疑わずの信念ゆえか 騙されても苦にしない ホントにお人好しのいいひと   引き受けたらすぐに動くタイプゆえか 自分の用事は後にする ホントにバカがつくぐらいいいひと   陰口叩かれてもヘタレない楽観ゆえか 言い訳無用で突っ走る ホントに欲のないいいひと   偏見すら持たない度量ゆえか 公平さや公正さを求めてしまう ホントに憧れるいいひと   〔 2025 年 9 月 15 日書き下ろし。こうしたいいひとが世間の良心となる〕

迷惑しちょる

お前のせいで迷惑しちょる おかげで評判最悪だ 態度はでかい 言葉は汚い 一番は子どもにリスペクトなし よく教師やっちょるな   お前のせいで迷惑しちょる おかげで火の粉が飛んでくる 黙っていればいい気になる 意見をすれば食ってかかる 一番は怖いものないの反省ゼロ よく仲間づらしちょうるな   お前のせいで迷惑しちょる おかげで空気がにごっちょる 子らもビビって怯えてる 俺らもビビって見てるだけ 一番は仕事のできん能なし よく指導などとほざきよるな   お前のせいで迷惑しちょる おかげで不快な気分だ 問題あっても辞めさせられない 異動しか解決策はありゃしない 一番は開き直った薄ら笑い よく堪えるのは黙認教師か   お前のせいで迷惑しちょる おかげで反面教師をよく知った こんな空気は一掃するぞ こんな学校子どもによくない 一番は何もせず傍観しているオレだ よく考えて子らの盾になっちゃろう 〔 2025 年 9 月 15 日書き下ろし。学校という閉鎖社会で、幅を利かす教師の存在があるとすれば、黙認する教師共々子どもには恐怖だ。あって欲しくない誇張した風景〕

浅深

時に思慮深さが問われる 熟考するには見識の浅さが壁となる 判断するにも知見の浅さが徒(あだ)となる   常に浅はかな言動が問われる 慎重になるには経験の浅さが禍する 結果を予測するにも深遠を見る   恩に報いる深さが問われる 返す力量の浅さに立ち止まる 先延ばしする甘さに苦渋する   浅学の恥辱が問われる 知ったかぶりをする偽りを羽織る すぐ剥げそうなメッキを塗り直す   軽信のツケが問われる 深刻な事態を招く対処に追われる 真偽を見破れぬゆえに凋落する   油断できぬ世が問われる 浅瀬と見て深みにはまる 情にほだされぬよう身構える   深き関係のあり方が問われる 信頼を疑うことなく寄りかかる 深謝と敬愛を抱いて同行する   〔 2025 年 9 月 14 日書き下ろし。人間関係における浅深を問うてみた〕

子曰 過而不改 是謂過矣

子曰わく 過ちて改めざる 是れを過ちと謂う   人は何と哀れな存在であるのか 罪なく生まれたる無垢なる幼児も 成長に伴い悪意の洗礼を授かる 心清く生きるにはあまりにも汚れた世なり 過ちを認めることを敗北と習う   人とは何とみすぼらしい存在であるか 心澄んで生まれたる優しき幼児も 環境に染まり悪意を育てる 純情を貫くにはあまりに過酷な世なり 過ちを冒すことを不本意という   人とはなんと独りよがりな存在であるのか 生を欲するだけの情を求める幼児も 欲望の海に投げ出されて孤独を知る 生き抜くにはあまりに不条理な世なり 過ちを軽視することを誠意という   人とは何と哀しき存在であるのか 愛にくるまれ生まれたる愛くるしい幼児も 愛憎に巻き込まれて孤独を味わう 虚ろげな愛を信じるにはあまりにも残酷な世なり 過ちを為さずして誤りという   人とはなんと強き存在なのか 乳房に吸い付いたか弱き幼児も 世の習いに抗いながらも生長する 利己と葛藤しつつ真理を希求する世なり 過ちを糧にすることを再生という   〔 2025 年 9 月 13 日書き下ろし。過ちに目をつぶり生きてきた不作為な己を見る〕  

言語道断の輩

理不尽な物の言い草に腹が立つ 許しがたき屈辱を受け激高する 卑劣な口撃に強く拳を握る 言語横断の輩が肩で風を切る   真理が歪められる 事実は書き換えられる 正義を実現するのを阻む 言語道断の輩は自己陶酔に浸る   愚弄とバレても動じない 傲慢さを威厳と勘違いする 威圧さを敬意と取り違える 言語道断の輩が平気でのさばる   自尊心だけが肥満する 情緒が欠落しても自覚はない 人格が破綻しても気づかない 言語道断の輩は仮面を被る   罪なき者に自白を強要する 冤罪を着せられ獄死する 検察を盾にして理を歪める 言語道断の輩が権力を傘に着る   良識など持ち得ない 嫌悪感に嘔吐する 理に疎く利にさとい 言語道断の輩は虚言で世を制す   〔 2025 年 9 月 11 日書き下ろし。言語道断の輩は蔓延る。手をこまねくしかないのか〕  

不承不承

不承不承引き受ける 断り切れない 相手の熱意についほだされる 露骨にできぬ大人の対応   不承不承が見抜かれる 体裁を繕う 相手の思いを無下にできない 諦めに似た大人の対応   不承不承を引きずる 拒絶できない 相手の意向は無視できない 意に反する大人の対応   不承不承にもやっとする 優柔不断が疎ましい 相手の問題に気後れする 添えないながらも大人の対応   不承不承は悩ましい 求められる才覚はすでにない 相手の期待に応えられない 断る理由に難儀する大人の対応   不承不承が顔に出る 不快感はまのがれない 相手への敬意が削がれる 断りを入れる大人の対応   不承不が徒(あだ)となる つながりを断つ 相手との修復は難しい これも世の習いと大人の対応   〔 2025 年 9 月 11 日書き下ろし。二つ返事で引き受けることのできない事案への悩み多し〕

空言と戯言

人は空言に惑わされる 噓とは見抜けぬ巧妙さに騙される   噂話も事実を少し振りかける 拡大解釈されて事実のように拡散する   人は醜聞を愉しむ 有名税の代わりに恥部が晒される   人の不幸は不満の捌け口となる 羨望は妬みに変わり快感を覚える   人は虚言を吐く 心のやましさを巧妙に隠す   騙されまいとあがこうと妥協する 感化された周りの空気に抗えない   人は虚言を受け入れる 孤立する勇気を捨てる   支配者の顔色を卑屈に伺う 逆らうことの出来ぬ圧力に屈する   空言も虚言も現実を映し出す 嘘偽りと知って騙されたふりをする   善悪の判断を留保する 倫理を問わず時勢に流れる   空言も虚言も事実に紛れる 判断不能に陥り異見は排除される   支配は巧妙にして民心を操る 危機を吹聴し敵愾心を鼓舞する   〔 2025 年 9 月 10 日書き下ろし。何が真実であるのか、歪曲され偏狭な事実となる〕

壊す

朽ちるリンゴの木箱 野ざらしのまま用済みとなる バールで思いっ切り叩き割った 強打され見事に潰れた 壊すという快感が走る   有用な物が役目を終えて消える ただそれだけの結末なのに 時に罪悪感が生じるのはなぜか   物への愛着が湧く 家族や知人との思い出の品かもしれない 仕事で使った道具への思い入れかもしれない 心を虜にした書籍かもしれない カタチあるモノの存在に思いを馳せる 捨てきれぬ思いが葛藤する   果たして壊すのは物だけなのか 凍てついた人間関係も壊される 互いに傷つけば痛み分けとなる 一方だけが傷つくのは赦せない 壊した後に遺恨はつきまとう   壊したい衝動に駆られる やり場のない怒りが沸々と湧き上がる 八つ当たりされた壊れたものを見る 感情を抑えられなかった身を蔑む   壊すに壊せないつながりに惑う 我慢を強いられ憎悪を抱く 平常心を苛み悩み深くなる 壊れた関係を続ければ結末は悲劇だ   感情の発露に壊すという衝動は許されるか 壊した跡に残るのは新たな創造と祈りか リンゴ箱を壊すのは過去から解き放されたい己だった   〔 2025 年 9 月 8 日書き下ろし。壊した跡に残る創造の可能性を問い続ける〕

恥ずかしさを知る

ある人の講演を聴いた 期待は失望に変わっていった 多くの聴衆の前で醜態を見せていた 恥をかくという自覚はなかった 聴いて己の恥を振り返った   テーマをどう捉えるか 核になるエピソードは本質を語れるのか ストーリーの構成と時間の配分は適切か 客観的な資料はテーマを補完できうるのか 聴衆を惹きつける話術の展開に自信はあるか   段取りが全てである ここに誠心誠意集中する 資料をパワーポイントで表示する手法を採用する そこに起承転結が反映される 提案型のプレゼンではない そこは己の福祉観を訴え共感世界を演出する   恥ずかしさを知らなかった 20 余年の前の福祉観をなぞるだけだった 過去に執着することの虚しさを知らず話し続ける 使い古しの資料は再構成されず画面は忙しくスクロールする 出会った若者への配慮も敬意もなく笑いを取る 何を語りたかったのか焦点ボケして何も残らなかった   講演とは求める側の意図を明確に理解する そのうえで対象への敬意を払い話を組み立てる 己の知見や人間性が如実に表出する怖さを自覚する 過去を糧としいまどうあるべきかを明確に示す エピソードの選択は共通理解を促す真理を要する だからいつも真剣勝負の気迫を持ち続けたい   〔 2025 年 9 月 7 日書き下ろし。残念な講演を聴いた。自身の反省もここにあるかと〕

新しい批評の声

月初め利用していた ChatGPT アプリが拒絶し始めた ここ数年使ってきたアプリは error の反応を繰り返す これはもう無理だと諦めた   ネット検索でいくつかヒットした 無料アプリで信頼度の高いものの判断は難しい 知人が利用しているアプリは利用目的が違う 詩編の批評やレポートの分析が主たる目的だ   ひとつお試しができるアプリにぶつかった さっそく試してみたらいい感じだった 評価の文字数の制限もなく解析も的を射た さらに質問が表示され Chat 気分で対応する その質問にかぶせてさらに反応を見た なかなか従来利用したアプリとは特段に進歩していた 問題はその取り込みだった   危惧することがあり娘婿に相談した 扱い慣れている情報処理のエキスパート 素早く無事2台のパソコンに取り込んだ これで出張先での Blog の更新と詩の批評も可能となった 胸のつかえが取れて詩作にも意欲が戻ってきた   新しい批評の声が変更や提案を求めることには驚いた 断固拒否した 「私のスタイルではない」 但し評価に触れた修正の提案には再考の余地を残した 「私の言葉で直しを入れる」 新しい批評の声との駆け引きはこれから本番を迎える 「私の詩編を文学に近づけるための AI との対話となる」   〔 2025 年 9 月 7 日書き下ろし。 AI による新しい批評の声が復活した。的を射た新な批評の視点が創作意欲を喚起する〕  

アンパンマンにはならない

世界の有能なリーダーが集まれば 三人寄れば文殊の知恵を授けたい 和平を実現する素晴らしい知恵も生まれる 誰もが戦争のない世を求めている 誰もが安全と健康と教育を求めている 誰もが飢餓と差別がない命の尊厳を求めてる この世に生まれたことを言祝(ことほ)ぎたい   世界の無能なリーダーが集まれば 三狂人寄れば悪巧みに終始する 弱肉強食の戦争ごっこに明け暮れる 高度な殺人兵器を見せびらかしてうつつを抜かす 友だちごっこの輪に入って計算高く媚びうる 敵の敵は味方の論理も乱れてカオスとなる この世に悪事の絶えないとこと如実に現す   世界で孤立無援な悪徳商人がいた 世界はオレが回すと意地クソ悪く一人気を吐く 世界の平和を実現する名誉に授かりたいと憚(はばか)らない 仲介は見事不発で思惑外れて不満は日増しの募る 場当たり的な感情を優先させて世界を惑わせる 非道徳的かつ自己愛の塊はいじけて意地悪を繰り返す この世に出現した欲望の権化は世界の席巻を目論む   平和ボケで頭のハエを追うしかない者が集まれば 文殊の知恵など何も浮かばず泥舟を漕ぐ 誰が船頭になってもすぐに座礁し沈没か 扇動の旗を揚げた古狸に与する者に勝利なし そもそも足の引っ張り合いでひび割れた泥舟だった いっそ馬鹿げた内紛を世に問うて分裂せよ 理に疎く利にしか動かぬ政治の末路を見てみたい   アンパンマンの身を削ぐ覚悟すらない アンパンマンのあんこを煎じて飲ませたい   〔 2025 年 9 月 7 日書き下ろし。動いている世情を風刺した。日本の政治は不信でしかない。野党にも期待できない。今宵 18 時石破茂総理が辞任する〕

躍動とは

躍動する 若さを表現する生命感 精気に満ちた精神感 失敗を恐れぬ挑戦感 恋心に身を焦がす情愛感 悪意に立ち向かう熱血漢 夢と希望に邁進する希求感   躍動する 笑いと苦渋が同居する エゴと同調が葛藤する 悲哀と屈辱に畏縮する エロと性欲が支配する 自己肯定と否定が交差する 歓喜と悲哀が爆発する   清々しいさまを身に纏う 苦々しいさまに唇に噛む 叶わぬさまに心折れる 再び挑むさまに心震わす   躍動は青春の光と影 躍動は若き情熱を燃やすさまなり   〔 2025 年 9 月 6 日書き下ろし。7日は孫娘の誕生日。青春の光と影を「躍動」で表現した〕