異色の先は
異色と呼ばれた
地方紙の見出しが鮮烈だった
教員の履歴にはあり得なかった
市民活動を続けNPO法人まで立ち上げた
福祉と教育の接点を探し続けた
ボランタリーな学習に熱中した
全国も全道も二つ返事で走った
平の教員には限界があった
拾われて社会教育に飛び込んだ
組織に迎合せぬ態度は貫いた
紆余曲折を経て左遷も味わった
課した使命は着実に実現させた
実践と理論と運動
三位一体になってこそ説得力を持つ
賛同し共感する仲間が集い運動の原動力になった
40代で全国規模の集会を企画運営した
異色校長は期待に応えて動いた
引き継がれた経営計画は引っ越し荷物の上で書き換えた
過去を引きずる陳腐な教育計画は不要だった
仰天する教師たちは異色の意味を否が応でも知る
地方紙に5年間コラムを掲載した
子どもと教育とボランティアを関連付けた
誰もしてないことを平然と実行した
学校という囲いはとっぱわれていく
5年間2校で勤めた
経営の改革は一部の不満分子もいたことはいた
ただ学校という保守的な世界には揺り戻しが起こる
一時期空気を乱しただけで元の木阿弥でしかない
だから異色とされた者の末路は辞めるしかない
3年を残して中途退職した
異色であるということは責任を全て負うことだ
子どもを粗末にしない共育も異質だった
評価は異色というだけでそれ以上不可だろう
基準がそもそも当てはまらないから異色なのだ
評価の意味は引き継いだ事態を復旧するための正当化だろう
異色の先は余計な波風を立てただけで忘れられる
世間から疎ましく思われようと本性は変わらない
事を見る目は人とは違うと自覚する
事への感応力はやはり違って面白い
学び得た経験値は蓄積され衰えを知らない
〔2025年12月22日書き下ろし。茶けた新聞記事に異色校長とい見出しに笑った〕